布団に潜むヒョウヒダニ(チリダニ)
ヒョウヒダニ(チリダニ)は布団、カーペット、ソファー、枕などに一年中生息する、ごく一般的なダニで、体長が0.3~0.4ミリと小さく、肉眼で判別することは難しいです。
人を刺すことはありませんが、死骸やフンが、ほかのダニのエサになるので厄介な存在です。気温20~30度・湿度60~80%を好み、餌となる人の皮膚や、アカ1グラム(歯1本)で300匹のダニが生きられるといいます大量発生すると粉のように見えるコナダニ
コナダニの大きさは、0.3~0.4ミリと非常に小さいので、目で確認することはできませんが、大量に発生すると粉のように見えることがあります。
コナダニのエサは主に、小麦粉・砂糖・乾燥果物・味噌・かつお節などの食品で、人を刺したり血を吸うことはありませんが、十分に密封せずに放置してしまった小麦粉や、ホットケーキミックスなどの中で、大量発生している事に気付かずに食べてしまい、重度のアレルギー反応を起こす事が分かりました。梅雨時や秋口に発生し、繁殖力が極めて高く吸血性のツメダニの餌になるのも問題です。 低温に強いので発生を抑えるには、湿度に気を付けることです。
人を刺すこともあるイエダニ
イエダニは、ネズミや鳥などに寄生する吸血性のダニで、稀に、人の血も吸うことがあります。大きさは0.6~1.0mmで、屋内に生息するダニの中では大きい部類に入ります。
暗い場所や割れ目などを好みの棲み処とし、5月頃から発生し始め、6~9月に最大に増え、被害もその時期に集中します。草むらいる危険なダニの種類は?
草むらにいるダニで、特に気を付けなくてはいけないのは、マダニとツツガムシです。何故なら、これらのダニに刺されると最悪、死に至る事もあるからです。
ダニによってかかる感染症の種類は?
ダニによってかかる感染症の多くは、マダニによるものです。 ダニ媒介感染症は、特定の種類のダニに吸血されることで、病原体が体に入り、感染します。
ダニの生息地は人里離れた所と思われがちですが、意外と身近なところにも潜んでいます。そのため、ハイキングや山菜取り、また家の庭でガーデニングをしている時などでも、感染する可能性があります。 このような自然の多い所では、感染症に気を付ける事が大事です、また近年では、海外に渡航中に、日本では見られない種類のダニによる感染症にかかるケースも発生しているので、併せて注意をしてください。 日本で見られるダニの主な感染症と、媒介となるダニの種類を表にまとめました。感染症の種類 | 感染症の分類 | 感染源のダニの種類 |
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回帰熱 | スピロヘータ | シラミ・マダニ |
Q熱 | コクシエラ | マダニ・ヒメダニ |
日本紅斑熱 | リッチケア | マダニ類・チマダニ類 |
野兎病 | 細菌 | チマダニ |
ダニ媒介脳炎 | ウイルス | ヤマトマダニなど |
ツツガムシ病 | リッチケア | ダニ(ツツガムシ) |
アナプラズマ病 | 細菌 | マダニ |
ベバシア病 | 原虫 | ヤマトダニ・フタトゲチマダニ等 |
身近な存在のダニを怖がり過ぎないように
ここまで、ダニの種類や被害について書いてきましたが、ダニは何万年も前から地球上におり、虫などの餌になったり、虫を食べたりする事からも、必要な存在である事は違いありません。
また、何千種もいるダニの中で、人に被害のある種類はほんの数%なので、それほど神経質になる事もありません。 適度にお掃除と換気をする、食べ物を放置しない事に気を付けるだけでも、ダニの繁殖はかなり減らせます。