日本でいとこ同士は結婚できる?いとこ同士の結婚に関する法律など
再婚の場合
再婚の場合、一般的に親は「相手はなぜ離婚したのか」を問います。いとこ同士であれば、、ある程度は親同士で情報のやりとりをしているはずで、あなたに話していない原因を知っているかもしれません。
原因もなく反対することはありませんから、きちんと話し合って原因をさぐりましょう。また、親が不安がる点として、子供の親権があります。養育費や慰謝料といったものも、親は気にします。反対するには反対するだけの理由があるのですから、じっくりと話し合うことです。年齢が離れすぎている
男性が年上すぎる場合、親は将来の収入が途絶えることに関して不安をいだきます。また、あまりに高齢すぎて初婚の場合、人格面やいわゆる「甲斐性」について不安を感じます。
「なぜこれまで結婚していないのか」と疑問をもつわけです。いとこ同士であれば、多少は過去の恋愛関係についても親の耳にはいりやすいもの。なおのこと、「なぜ過去に交際していた相手ではないのか」となってしまいます。 女性が年上すぎる場合は、一般的に高齢出産のリスクを考えてしまうものです。年金や社会保障がいくら制度として存在すると言っても、親の世代は、自分の親(つまり祖父母)が子供の経済力に依存している姿をみていますから、いざというときに頼るべき子供が生まれないかもしれない、ということにどうしても敏感になるのです。 妊娠の問題や、将来の生活設計など、きちんと話ができるよう、準備しておく必要があります。いわゆる事実婚を選ぶ場合
親の反対や、改姓したくないといった理由から、事実婚を選ぶ選択肢もないわけではありませんが、不利な点もあることはよく理解しておくべきでしょう。
事実婚とは
法的に「内縁関係」として整理されてきた状態を、最近は「事実婚」と言いかえるようになってきました。「内縁」という言葉のもつ否定的な雰囲気を嫌う風潮がつよまり、「事実婚」と呼ぶのが一般的です。「事実上の夫婦関係ながら、所定の届け出を欠くため、法律上の婚姻に至らないもの」と説明されます。
すでに説明したとおり、むかしは結婚は家の結びつきとしての側面が重視されましたから、家柄や家格といった点で反対され結婚できないケースがあったのです。そのため、届け出はしていないが、事実上の夫婦として「内縁関係」が認められるにいたりました。現在でも「改姓しなくてよい」「相手の親戚づきあいがない」といった点を重視して、あえて届け出をしないケースがあります。いとこ同士の結婚で想定されるケース
いとこ同士の結婚の場合、本人の届け出により結婚できますから、あえて事実婚を選択するとすれば、改姓の問題であったり、いとこ同士の結婚に限定されない、もっと一般的な理由があると考えられます。
最高裁の判例で、いとこよりも近い血縁の者の内縁関係を認めたものがありますが、いとこ同士なのですから、あてはまりません。 もし考えられるとするなら、未成年の場合でしょう。民法第737条は「未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない」 「父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる」
とさだめており、父母の最低でも一方の同意を求めていますから、同意が得られない場合は、婚姻届を提出することができないからです。事実婚で注意すること
事実婚の不利な点として、一般的にまずあげられるのが、相手に対する相続権を有しないことです。但し、子供に関しては、認知していれば、その子の相続権は認められます。
なお、内縁関係に関する法理論や判例は、「婚姻届を出したくても出せなかった」ものの救済を、主に女性側の保護の観点から整備してきたものであり、「自らの意思で届け出をせず、法律婚を選択しなかった」ケースに、そのまま適用することに対して、反対する学説も根強く、判例も形成されていない点は、注意しておくべきでしょう。同棲と事実婚(内縁関係)の違い
じつは、たんに男女が一緒に暮らせば、事実婚(内縁関係)が認められるというものではありません。よく似たものに「同棲」があります。同棲も事実婚(内縁)も、男女の共同生活であるものの、婚姻の意思があるかどうかで、取り扱いが異なるとされています。「婚姻意思」は、
(1)儀式、いわゆる披露宴や相手の親への挨拶、結納を行っているか (2)どのくらい長く継続したか (3)親族や知人が知っているか
の3つを中心に、諸事情で判定されます。要は、たんなる共同生活ではなく、届け出をしていないだけで、ほかは結婚とかわらない状況であることが求められるのです。 いとこ同士の場合、法律で結婚は可能ですから、すでにのべた親の同意が得られない場合や、改姓したくないといった場合くらいしかかんがえられないでしょう。いとこ同士の結婚の例
これまで、いとこ同士の結婚について、存在する割合、法律の扱い、子供ができない可能性があるかなどについて、過去に発表された論文などをもとに説明してきました。
また、不安を解消するための手段として、遺伝相談を紹介しました。医学面のリスクについては、インターネットの情報をうのみにせず、専門家に相談して確実な知識を得るようにしましょう。どうしてもインターネットは、極端な話だけをとりあげて書きたがる傾向があります。 いとこ同士の結婚について悩んでいるかたに向けて書く内容は以上なのですが、もう少し、歴史的なものや過去の例についてとりあげてみることにしましょう。いとこ同士の結婚の例
ここでは日本の事例にかぎり、皇室や将軍家、大名家などの著名人のケースをあげます。財産の散逸をふせぐ目的や、権力の維持といった目的もあったでしょうし、家格や家柄がつりあうかどうかで選んだ結果もあるでしょう。
聖徳太子-正妃菟道貝蛸皇女がいとこ 弘文天皇-皇后十市皇女がいとこ(従妹) 平城天皇-贈皇后藤原帯子がいとこ 冷泉天皇-中宮昌子内親王がいとこ(従姉)、女御藤原懐子がいとこ(従姉)、女御藤原超子がいとこ(従妹) 円融天皇-最初の中宮藤原皇子がいとこ(従姉)、女御藤原詮子がいとこ(従妹) 一条天皇-最初の中宮藤原定子がいとこ(従姉)、次の中宮上東門院彰子がいとこ(従妹) 三条天皇-中宮藤原妍子、女御藤原原子がいとこ(従妹) 後朱雀天皇-皇后禎子内親王がいとこ(従妹) 後冷泉天皇-中宮章子内親王がいとこ(従妹)、皇后藤原寛子がいとこ(従妹)、皇后藤原歓子がいとこ(従姉) 後三条天皇-中宮馨子内親王がいとこ(従妹) 高倉天皇-中宮建礼門院徳子がいとこ(従姉) 足利義輝-正室がいとこ 直江兼続-正室お船の方がいとこ(従姉) 豊臣秀頼-正室千姫がいとこ(従妹) 毛利輝元-正室南の方がいとこ(従妹) 長尾晴景-正室がいとこ 松平容保-正室敏姫がいとこ
おことわりしておきたいのは、天皇は今上天皇で125代目であり、いとこと結婚したのは、その歴代のうち一部であるということです。一部のインターネットの書き込みにあるような、ずっといとこ婚(近親婚)を繰り返していたようなことはありません。
家柄や家格を重視した結果、狭い範囲での結婚を繰り返していたとは言えるでしょうが、さも過激にとりあげるほどのものではないでしょう。スペイン・ハプスブルク朝の例
もうひとつ、近親婚のケースとしてよくインターネットで取り上げられるのが、スペイン・ハプスブルク朝のケースです。系図をウィキペディアから引用しましたが、いとこどころか、それよりも血縁の近いおじ・めいの結婚が多数あるのがおわかりになるでしょう。
約200年のあいだ、11組のうち9組がおじ・めいの結婚です。あくまでも特殊なケースであり、これをさも一般論であるかのように過激に騒ぐのはおかしいのですが、どうしても過激な情報ほど面白く、拡散してしまいます。 もし、いとこ同士で結婚を考えていたとしても、約200年にわたり、いとこより近い血縁で結婚を繰り返していたケースをうのみにして、過度に思い悩む必要はありません。もっと冷静になって、専門家のアドバイスをうけてみてください。いとこ同士だからといって、振り回されないことが大切
今回の記事を書くにあたり、図書館での資料検索もさることながら、インターネットも検索してみました。医師による冷静かつ分かりやすい解説もありましたが、特定の遺伝病をことさらに強調してみたり、スペイン・ハプスブルク朝のような非常に近い血縁で結婚を繰り返したケースなど、かたよった内容が多く、参考にならないものがたいへん多いのに驚きました。
ふるい事例や公的機関の資料を中心に、なるべく過激にならないよう、真剣に考えているひとのためになるよう作成したつもりですが、やはり最新の研究成果を知っている、専門家のアドバイスをうけるのがいちばんです。 せっかく良いとおもえる相手との結婚を決意したのです。ふりまわされず、不安を解消して、もっとしあわせになることを考えていきましょう。