ガンジス川が汚い理由|汚染/水質/遺体を流す/危険性/病気
都市部の人口が増えたが下水処理率が低い
インドには、仕事を求めて多くの人が都市部で生活をしていますが、これがよりガンジス川を汚い川にしています。インドでの下水処理率は人口が多い割には10%ほどと低く、ガンジス川への生活排水は全体の7割にも達します。これが、表流水の7割が汚染される原因にもなっています。
そこに何も対策がなされていない工業排水が流れ、水質を悪化させます。政府は水質改善と保護を本格的に始めていますが、金銭的にもなかなかその話が進まず、浄化するための施設が建たない状態です。近頃は、日本にも相談をしていますが、莫大な汚水の量とインフラが整っていないために、設備も投資し難いところに日本企業も悩んでいます。不燃ゴミが漂ってくる
ガンジス川の対岸には、多くのゴミが流れ着いては溜まり、漂っている光景が年々酷くなっています。そのゴミはペットボトル、ビニールシート、空き缶、鍋、食器、服、鉄などが辿り着ます。これらのゴミを処理する施設などは、インドにはほとんどありません。それらの不燃物を平気でガンジス川に捨ててしまうところも、汚染につながっています。
これらのゴミからは、人体に健康被害を及ぼす化学物質が出ます。そこにメタンガスや環境放射能なども混じり、水質がもっと悪化します。この化学物質が流れ出たガンジス川は黒くなり、白い膜が張ることもあります。これが原因で川の中が酸素不足になり、魚が死んでいます。その魚が浮いて漂う川岸は生臭い臭いが漂います。人への健康被害とイルカの数が減少するほど水質が悪化
インドにあるガンジス川は、浅瀬であっても底が見えないほど水が汚れています。2007年には世界で汚い川としてワースト5位に選ばれているほど水質は酷く、この川の近くに住む人が短期間に続々と亡くなっています。これは、ガンジス川の水の8割が水質も悪い汚染された水だからです。この細菌だらけのガンジス川の水が、人口の4割の飲み水として使っているためです。
人間の健康被害は著しいですが、それ以上に水の中で生活をするガンジスカワイルカへの影響が懸念されています。水質汚染でその数は減少し続け、絶滅危惧種にまで指定されました。近年では、政府が世界自然保護募金を立ち上げ、汚いガンジス川の水質改善とイルカの保護を実行しています。ガンジス川が汚いのに沐浴する理由とは?
なぜ、インドの人々が地元の人から見ても汚いと感じるガンジス川で沐浴をするのでしょう。それは、この川が神聖なる川、母なる川として崇められているからです。
インドのほとんどの人がヒンドゥー教徒ですが、この宗教では、神聖なるガンジス川に沐浴をすることで穢れが清められるとの教えがあります。悪いことをしたとしても、沐浴をすることで、その罪を全て洗い流すことができると昔から信じられています。 汚いと見える川ですが、この水は「決して腐らない」と言う教えも、インドの人々が進んで沐浴をする理由となっています。ガンジス川が汚いのは遺体を流すのが原因?
死んだ人を川に直接捨てていることも汚染の原因となっています。ガンジス川沿いには露天の火葬場が2箇所、設置されています。設置といっても野外に長細い石が置かれてあるだけで、煙は空にそのまま放ち、死体は丸焦げになれば川へと流します。
これらの火葬場は、マニカルニカー・ガートとハリシュチャンドラ・ガートと呼ばれています。ここで焼かれて撒かれた灰が、水の水質を低下させます。