遅咲きな職種の人の理由や事例紹介｜芸能人/女優/俳優/有名人

遅咲きの漫画家で有名なのは水木しげるさんです。朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」でも有名ですが、彼が「ゲゲゲの鬼太郎」を「週刊少年マガジン」に発表して売れ出した時には既に４０歳を過ぎていました。そもそも画家を志していた水木さんは太平洋戦争に召集され、パプアニューギニア戦で左腕を失くしてしまいます。

復員後は困窮の為、画家を諦め紙芝居作家や貸本漫画家を経てコツコツと漫画を描き続けます。水木しげるさんがよく扱ったテーマは「妖怪」。昔まかない婦として家に出入りしていた女性に聞いた妖怪話が彼の心をつかんで離さなかったからということです。 「ゲゲゲの鬼太郎」の漫画の原作がテレビアニメ化したことでさらに有名となり、その他には「悪魔くん」など独自の世界観を持つ漫画を多数輩出しました。晩年には文化功労者など数多くの勲章を与えられ、漫画界の巨匠として９３年の生涯を閉じました。

ミュージシャンで遅咲きで成功している人の代表例はクレイジーケンバンドの「横山剣」さんではないでしょうか。ヴォーカルの横山剣さんがデビューしたのは３８歳でした。脱サラする前にサラリーマンをしていた時は真面目な会社員だった訳ですが、実は１０代の頃から音楽活動は始めており二足の草鞋を履いての活動をずっと続けていたのです。

そして４３歳の時にドラマの主題歌でもある「タイガー＆ドラゴン」をリリースし大ブレイク。お洒落なワルいおじさま風のルックスと、個性的なキャラでライブはいつも大盛り上がりだとか。 同じくジャズピアニスト、シンガーとして有名な綾戸智恵さんもデビューは非常に遅く４１歳でした。ライブ活動を中心に行っていますが、軽快なトークとおばちゃんキャラで多くのファンの心を魅了しています。

歌手の中でも特に演歌歌手というのは下積みが長く売れるまでに時間が掛かる人が多いようです。地方のドサ周り公演をこなし、師匠につき、顔が売れ始めるころには相当年を重ねていたということも少なくありません。また遅咲きでも売れれば幸運で大抵の人は諦めて別の仕事に転職してしまうという厳しい世界でもあります。

その中で近年まれにみる遅咲きでブレークした演歌歌手は大泉逸郎さんです。本業は山形のサクランボ農家の経営者であり、現在も地元でサクランボを収穫しているという変わり種です。アマチュア民謡歌手として地道に活動していましたが、初孫が生まれた時に余りの可愛さに友人に作曲を依頼して出来たのがあの有名な「孫」です。「孫」は２４０万枚の大ヒットを遂げ、ついには５８歳で紅白歌合戦にも出場しています。 同様に女性演歌歌手の秋元順子さんも６１歳で紅白初出場という記録を打ち立てた遅咲きの演歌歌手です。

モデルという職業は若さが要求される仕事で、一線で活躍しているのは大抵２０代です。しかし驚くべき遅咲きのモデルさんがいました。「STORY」の看板モデルとして活躍されている、稲沢朋子さんは３８歳の時に読者モデルとしてモデル業を始められたそうです。長年主婦をしていた稲沢さんは途中離婚や病気などの多くの苦労を経た時期があります。しかし「このありのままの経験がモデルという仕事に生かせれば」と熱心に仕事に取組み、ついにSTORYの表紙モデルとして成功を収めました。

美魔女やアンチエイジングがもてはやされ、中高年になってもモデルで活躍出来る時代が来たということでしょうか。「国民美魔女モデルコンテスト」出身の山田佳子さんや水谷雅子さんなども主婦業を経て遅咲きモデルとして活躍されています。

今や画家として個展を開いたり、講師を務めたり、アーティストとしての活動が多い片岡鶴太郎さんですが昔はお笑い芸人として相当の人気を博していました。俳優業にも進出し「男女７人夏物語」などで重要な役どころを演じます。その後「異人たちとの夏」ではその演技が評価され様々な賞に輝きました。

片岡鶴太郎が創作活動に興味を持ったのは、タモリに影響を受け挿絵を始めたことでした。才能があったらしくその後も水墨画や陶芸に傾倒していきます。バラエティーで岡本太郎と共演した際にその才能を褒められて自信をつけました。