「ニート」の定義とは?
ニートはイギリス発祥の言葉
「ニート」とはイギリス英語が語源で、イギリスにおける労働政策の中で生まれました。ニートは英語では「NEET」と表記し「Not in Education, Employment or Training」の略です。これを訳すると「教育(Education)雇用(Employment)職業訓練(Training)に参加していない」になり、これがそのままニートの定義になります。
日本におけるニートという言葉の広がり
日本においては、ニートは15〜34歳までの「非労働力人口で通学・家事をしていない人」の事を言います。ニートは「若年無業者」とも言われています。日本で初めて「ニート」という言葉が使われたのは2004年でした。その後急速に「ニート」という言葉が浸透していきました。
しかし、「ニート」という言葉が浸透する一方でインターネットを中心に、「無気力に生きている人」「怠けている人」「親のすねをかじっている人」「精神的に問題のある人」といったネガティブなニュアンスでニートは広がりを見せました。 本来「ニート」の原因は経済や社会といった問題が大きいのですが、「ニート」は「若者に原因がある」というニュアンスでつかわれるという問題が起きています。さらに「問題がある若者(ニート)をどうにかしないといけない」という間違った考えをも引き起こしています。ニートと似た言葉「スネップ」
ニートと似た言葉で「スネップ」という言葉があります。スネップとは和製英語で「SNEP」と表わされ「solitary non-employed persons」の頭文字をとっています。20歳~59歳以下で未婚の無業者(在学中を除く)のうち「普段ずっと一人でいる」「家族以外の人と2日連続で接していない人」の事をいいます。日本語では「孤立無業者」と呼ばれることもあります。
スネップという言葉は2012年に提唱されましたが、2000年代半ばにスネップが100万人に達していることが指摘されています。「スネップ」は、「家族型孤立無業」という普段家族と一緒にいる時間があるタイプと、「一人型孤立無業」という、ずっと一人でいるタイプに分類されます。 失業者を求職活動の有無により区分している「ニート」に対し、スネップは友人・知人といった対人関係の有無により分けたものという違いがあります。ニートという呼称を変更しようという動きも
「ニート」という言葉の響きが悪い方向に働いていることから2011年ころから大阪府のNPO団体を中心に「ニート」を「レイブル」という言葉に置き換えようという働きが始まりました。
「レイブル」とは英語では「late bloomer」(レイトブルーマー)といい、大器晩成の人を意味すします。しかし、残念ながら「レイブル」という言葉が普及することはありませんでした。「引きこもり」の定義は?
「引きこもり」の定義は「仕事や学校といった社会的生活を営んでおらず、家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」をさします。 時々は買い物に出る人も「ひきこもり」に定義されます。
「引きこもり」はその定義の中に年齢は存在しませんが、「ニート」や「スネップ」と似た意味が含まれており、「ニート」かつ「スネップ」かつ「引きこもり」という人も存在しています。ニートや引きこもりの生活保護のもらい方
生活保護を受けるには、どこに行けばいいの?
ニートや引きこもりが生活保護を受けようとする場合、まず住んでいる地域の福祉事務所に行きます。市や区に住んでいる場合は市役所や区役所の福祉部・福祉課として設置されている場合が多いです。町や村の場合は役場にある場合もありますが、都道府県庁の中にあったり、単独で福祉事務所が存在する場合もあります。
福祉事務所は全国に1,247ヶ所あり、(都道府県:207ヶ所、市や区:997ヶ所、町村:43ヶ所)生活保護の他には「児童福祉法」「母子・父子・寡婦福祉法」「老人福祉法」「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」に定める援護を行っています。ニートが生活保護を受けるには福祉事務所に行き相談を受けるのが第1歩になります。