もちきびとは
「キビ(黍)」とは、日本において「五穀(ごこく)」の1つとされているイネ科の穀物のことをいます。
ちなみに、もちきびにはアミロースというデンプン分子が少ない「もち(糯)」という種類と、逆にアミロースを多く含む「うるち(粳)」の2種類があります。雑穀の1種
「雑穀」とは、一般的に米・小麦・大麦などの主穀以外の穀物のことを指しますが、豆類を含めるか否かについて意見が分かれていて、雑穀の範囲はその時代や地域によって見方が異なります。
「五穀豊穣」という言葉がありますが、日本の五穀とは「米」「麦」「粟(あわ)」「豆」「黍(きび)」または「稗(ひえ)」とされていて、これらの5種をブレンドした米を「五穀米(ごこくまい):登録商標」と称して販売されています。もちきびを使った料理のレシピ8選
最近は「もちきび」の作付けは極めて少なくなってしまったので、八百屋さんで目にする機会はとんどありません。ちなみに、現在では作付面積が全国で僅か250haでその半分は沖縄県が占めていますが、残りは岩手県と長野県だけで栽培されています。
このように、いまでは「もちきび」は稀少な作物となってしまったことから、そう簡単に手に入ることはありませんが、もし手に入れることができたら以下に紹介する「きびもち」を使った料理にチャレンジしてみませんか。レシピ1:もちきび入りトマトカレー
「もちきび入りトマトカレー」は、冷蔵庫の残り物を煮込んだ水を使わないカレーですが、蛋白質の食材を使っていないので、コクを出すために昆布とウスターソースを使うところがポイントです。
なお、「もちきび入りトマトカレー」の材料と作り方のポイントは、以下のとおりです。雑穀の甘みが苦手な方でもふわふわ卵と一緒になると、味も食感も気にならなくなるのでチャレンジしてみて下さい。《材料:5人分以上》 もちキビ 1/2カップ 長ネギ 一本 人参 1/2本 にんにく 少量 豆腐 1/2丁 昆布 15㎝ぐらい ホールトマト 1缶 カレー粉 1/2箱(5人分) キノコミックス 作り置きしといたいろいろキノコのソテー ウスターソース 大さじ2 玄米 5食分 《作り方》 1.長ネギの斜めスライスと人参のみじん切りをオリーブオイルにんにくで炒める 2.1、にホールトマトを潰しながら入れ昆布、もちキビ、豆腐、キノコを入れ10分ほどもちキビがやわらかくなるまで煮る 3.全てに火が通ったらカレー粉を溶かし隠し味にウスターソースを入れて出来上がり
レシピ2:もちきび入り ふわふわウィンナーエッグ
卵とウィンナーは朝ご飯の定番ともいえますが、「もちきび」はビタミンB1が豊富に含まれています。
雑穀の中でも取り分けビタミンB1が多く含まれている「もちきび」は、朝ご飯に取り入れることにより効率よく脳の活性化を図ることと併せ、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1のダイエット効果を発揮してくれます。 なお、「もちきび入り ふわふわウィンナーエッグ」の材料や調理のポイントは以下のレシピを参考に試して下さい。《材料:1人分》 卵 1個 ウィンナー 1本 もちきび(炊いたもの) 10g 塩・砂糖 少々 ケチャップ お好みで サラダ油 小さじ1/2 《作り方》 1.卵は溶いて、塩と砂糖をひとつまみと5㎜幅の輪切りにしたウィンナー、もちきびを入れてよく混ぜる。 2.フライパンにサラダ油をひいて熱し、①を入れる。周りが固まってきたら火を消し、フォークでスクランブル上にする。余熱で半熟状になったらお皿に盛り、お好みでケチャップをかけて完成!
レシピ3:はくばく もちきび カリカリ手羽揚げ
「ぱくぱく もちきび カリカリ手羽揚げ」は、パン粉の代わりビタミンB1を多く含む「もちきび」を衣にした手羽の唐揚げなので、栄養価が高いだけでなくご飯のおかずにもビールのおつまみにもよく合います。
なお、「ぱくぱく もちきび カリカリ手羽揚げ」の材料と調理の仕方は、以下のレシピを参考にして下さい。《材料:2人分》 鶏手羽中 10本 醤油 ,酒 小1 胡椒、塩 少々 しょうが、ニンニク 各小1/2 片栗粉 適量 もちきび 適量 《作り方》 1.ビニール袋に鶏肉を入れて調味料と片栗粉を入れ揉みます。暫く冷蔵庫でねかせます 2.「もちきび」を両面に塗して油で揚げます 3.油をよくきりお皿によそります
レシピ4:はと麦ともちきび入りとうもろこしご飯
「はと麦ともちきび入れとうもろこしご飯」は、もちきびのプチプチ感が楽しめる炭酸水炊きの雑穀ご飯なので、もちきびに豊富に含まれるビタミンB類が夏ばてやむくみの解消に最適です。
なお、「はと麦ともちきび入れとうもろこしご飯」の材料や調理の手順は、以下レシピを参考にして下さい。《材料:4人分》 はと麦 大2 もちきび 大2 とうもろこし 1本 白米 2合 炭酸水(or水) 通常の水加減+大3ほど 塩 小2/3〜 《作り方》 1. お米を浸水させます 2.はとむぎは洗って一晩浸水させるか、熱湯に30分ほどつけます。 3.白米は洗って30分ほど浸水させます。 4.もちきびは洗います。 5.とうもろこしをほぐします。(とうもろこしは包丁で芯から実を外しておきます。長さを2〜3等分にしてからこそげるとやりやすい。)
レシピ5:もちきび肉団子
「もちきび肉団子」は、鶏挽肉の肉団子の周りにきびもちを塗してから蒸し上げたものですが、「もちきび」は古代中国では「黄米」と呼ばれ、最高級の主食として珍重されていました。
白米と比べて「もちきび」には食物繊維が3倍も多く含まれていて、その上ミネラルがとても豊富ですが、反面非常に低カロリーな食材としての価値があります。 なお、「もちきび肉団子」の材料や調理の手順は、以下のレシピを参考にして下さい。《材料:20個分》 鶏ひき肉:300g 玉ねぎのみじん切り:1/2本 おろし生姜:1片分 もちきび:1/2カップ強 ☆塩・こしょう:小1/3・少々 ☆しょうゆ:小2 ☆酒:小2 ☆片栗粉:大2~3 《作り方》 1. もちきびはボウルに入れてお水を加え2時間浸水しておく 2. もちきび以外のすべての材料をボウルに入れてよくこねる 3. ②を20等分にして丸めて水気を切ったもちきびを周りにつける 4. 蒸し器で15分蒸して中まで火が通ったら出来上がり。もちきびも蒸しあがると黄色いつぶつぶが透き通ってきます 5. お好みでポン酢しょうゆやからしじょうゆでどうぞ
レシピ6:もちきび入りとうもろこしご飯
「もちきび入りとうもろこしご飯」は、「もちきび」を白米と一緒に炭酸水で炊いたご飯です。
「もちきび」には、うるち種とモチ種の2種類がありますが、日本で栽培されているもちきびはほとんどがもち種です。ちなみに、もちきびは栄養価のバランスがよく、ミネラル・ビタミンB類・食物繊維などが豊富に含まれている雑穀です。 なお、「もちきび入りとうもろこしご飯」の材料や調理の手順は、以下のレシピを参考にして下さい。《材料:4人分》 とうもろこし:1本 もちきび:大4 白米:2合 炭酸水(or水):通常の水加減+大1〜2 塩:小1/2 《作り方》 1.鍋に材料を入れます 2.白米は洗って30分ほど浸水させます。 3.水を変え鍋(or炊飯器)に入れます。通常の水加減より少し多め(大1〜2ほど)に炭酸水(or水)を注ぎます。 炭酸水で炊くと ・浸水時間が早くなります ・冷めても冷蔵、冷凍してももっちりが続きます
レシピ7:黒もちトウモロコシ ご飯 & ミョウガ
「黒もちとうもろこし(もちきび) ご飯 & ミョウガ」は、黒とうもろこしの「もち種」を使った1品です。
「黒もちきび」はほんのりとした甘みがあり、歯触りが少し硬いので好き嫌いがあるでしょうが、滅多に見る事ができないので懐かしい思い出が蘇ります。 この「黒もちとうもろこし(もちきび) ご飯 & ミョウガ」の味付けは、塩と昆布茶の本格派ですから妥協を許さない噛み応えに満足できるはずです。レシピ8:もちきびと野菜の春巻き
「もちきびと野菜の春巻き」は、卵・乳製品・白砂糖・グルテン・トランス脂肪酸を含まない身体に優しいダイエット食です。
「もちきび」には、ビタミンB類・鉄分・亜鉛およびマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。さらに、ポリフェノールによって、身体の免疫力を高められます。 なお、この「もちきびと野菜の春巻き」の作り方のポイントは、以下のレシピを参考にして1度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。《材料:12本分》 春巻きの皮:6枚(2等分に切る) もちきび:1/2カップ(細かいザルに入れ、優しく数回洗う) 水:1カップ ショウガ:1/2片(みじん切り) もやし:2つかみ 長ネギ:1/2本 しめじ:1/4パック ごま油:小1 調味料 醤油:小2 海塩:小1/2 コショウ:少々 ごま油:小1 《作り方》 1.鍋で水を沸騰させ、洗ったもちきびを入れ、蓋をして15分炊き、10分蒸らす(途中水が足りなくなったら足す) 2.フライパンにごま油とショウガを入れ、中火で香りを出し、長ネギ・しめじ・もやしを入れ、サッと炒める 3.調味料を入れ、少し火を入れる 4.火を止めて、1で炊いたもちきびとごま油を混ぜ合わせる(※かき混ぜている内に水分が馴染んできますが、水っぽい場合は、分量外の片栗粉を小2ほど入れる) 5.4.の荒熱が取れたら、12等分にして、皮で包む 6.180度の油で、表面がパリっとするように揚げ、油を切って、できあがり! 7.酢醤油・辛子醤油・白たまり(ナンプラー)のソースを付けて召し上がれ
国産(北海道) もちきび 1kg チャック付
「もちきび 1kg チャック付き」は、豆・雑穀の専門店すずやが販売する「モチ種のきび」のことです。
もちきびの黄色い色素は、抗酸化作用のあるポリフェノールの1種です。美味しく食べることによって活性酸素の働きを抑えてくれますが、最近流行りの雑穀入りご飯だけでなくきび餅や団子などにも幅広い料理に使えます。もちきびの栄養素
一般的に「もちきび」は、古くからそのまま炊いたり粥にしたりして食されてきましたが、それ以外に粉にして餅や団子といても食されてきました。なお、もちきびを10~20%の割合で米に混ぜて炊くと、米飯より甘みやほろ苦みが増します。
「もちきび」100g当たりの栄養価は、エネルギー:360kcal、炭水化物:70.9g、食物繊維:1.6g、脂肪:3.3g、蛋白質:11.3gなどとされています。マグネシウム
「もちきび」は栄養素が豊富な食材ですが、もちきび100g中に主に以下のようなミネラルが含まれています。
(1)カリウム:200mg(4%) (2)マグネシウム:84g (3)ナトリウム:2mビタミン
「もちきび」にはたくさんの栄養素が含まれていますが、主に以下のようなビタミンB類が含まれています。
(1)B1(チアミン):0.34mg (2)B2(リボフラビン):0.09mg (3)B3(ナイアシン):3.7mg (4)B5(パントテン酸):0.95mg (5)B6(ピリドキシンなど):0.20mg (6)B9(葉酸)13μg食物繊維
「もちきび」にはビタミンとマグネシウムがたくさん含まれているとご紹介してきましたが、食物繊維はどのくらい入っているのでしょうか。「もちきび」100g中には、食物繊維が1.6g含まれています。
もちきびでいろんな料理を作ろう
「日々雑穀」は、信州伊那谷「野のもの」の楽しい雑穀料理を紹介するユニークな料理本です。
現在、低カロリーで高ミネラルの健康食品が静かな人気を博していますが、雑穀類は美容にも効果があると注目を浴びています。また、自然環境の負荷軽減にとっても有益性の高い作物として期待されています。 本書は、信州の伊那谷に在る手作りレストラン「野のもの」を営む夫婦が雑穀の魅力を余すところなく伝えてくれるおすすめの1冊です。料理のレパートリーを増やす
「料理のレパートリーを増やす方法」は、誰にでも直ぐにできそうなのが「料理本」を買うことでしたが、今ではネット検索すればあらゆる料理のレシピを知ることができるので、スマホ片手にレパートリーを増やせます。
なお、料理の腕前を上げるためには、1つの食材に絞って調理の仕方をマスターすると良いです。以下ではきな粉とカマンベールチーズのレシピについてご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。