世界崩壊に関する有名な予言
「世界崩壊が起こり、人類は滅亡する」という言説は、紀元前からあります。もちろんこれまでに一度も当たったことはなく、今もなお世界崩壊の予言はささやかれています。
特に、1999年7月に恐怖の大王が降りてくると予言したノストラダムスの大予言や、2012年12月21日に、世界が滅ぶと言われていたマヤの予言は記憶に新しいでしょう。しかし、どちらも何事もなく終わりました。 外れた予言は、もう誰も興味はなくなってしまい見向きもされませんが、実はノストラダムスも古代マヤ人も、一言も「世界崩壊で人類が滅ぶ」とは言っていません。一体なぜ世界崩壊の予言と言われてしまったのでしょうか。多くの日本人が信じていたノストラダムスの大予言
ノストラダムスってどんな人?
ノストラダムスは、ルネッサンス期のフランスの医師で、占星術師と詩人も兼業していた多才な人でした。ペスト大流行時には、積極的に人々の治療にあたり、その治療と研究の論文も発表しています。しかし、その論文に書かれている治療法や処方箋は実用性に乏しく、ノストラダムスがペスト治療にどれだけ効果を上げたのかは定かではありません。
一方で、占星術も学び、星を読んだ結果を詩として発表し、その的中率に当時の王侯貴族も驚いたとされています。しかし、その4行詩は非常に難解で、出来事が起こってから「この詩はこういう意味だったのか」とわかるぐらいです。起こった事象に当てはまる詩を見つけているので、的中率も年を経る毎に上がるのは当然と言えます。どんな予言だったのか
ノストラダムスの大予言と言えば、1999年7月に恐怖の大王が降りてくるというものですが、実際の詩は以下のとおりです。
「1999年7か月、空から恐怖の大王が来るだろう、アンゴルモアの大王を蘇らせ、マルスの前後に首尾よく支配するために。」 実は、ノストラダムスの四行詩の中で、この詩だけが具体的な年月が指定されています。そのため、検証しやすく人々にわかりやすかったのでしょう。実際の詩の解釈
実は、この詩は17世紀末までの100年以上、誰も手を付けていませんでした。遠い未来の事すぎて、誰も気に留めなかったのでしょう。そして、17世紀末に解釈した人物は、「フランスの怖い王様のような人物が再びフランスの王となるという意味だ」と言い、世界崩壊とは程遠い解釈でした。
そしてこれ以降、この詩には手を付けていません。再び注目を浴びるのは20世紀以降、1999年が目前に迫ってくる頃でした。恐怖の大王の解釈は、隕石や核ミサイルにまでおよび、世界崩壊を信じた人が自棄になって全財産を手放す事もありました。 もちろん、世界崩壊する事はなく現在に至ります。ノストラダムスの予言は外れたとされましたが、そもそもノストラダムスは世界崩壊するとは一言も書いてないので寝耳に水でしょう。マヤの予言
マヤ人とはどんな人々か
マヤ人は、中央アメリカのユカタン半島北部のサバンナに、古代文明を気づいた人々です。資源が少ない土地で、広大な塩田から採れる塩の交易で栄えていました。しかし、その少ない資源を巡って戦が絶えず、疫病や通商網崩壊などの要因が重なり、やがてマヤ文明は衰退してしまいました。
マヤ文明は、芸術や技術面が発達していました。そして、いくつかの暦を作って駆使していたのですが、その中の一つが何千年単位を1周とした「長期暦」です。その暦を元に作られたカレンダーは、現代の暦に換算すると紀元前3114年8月11日に始まり、西暦2012年12月21日に終わります。マヤのカレンダー
現代私たちが使うカレンダーは、12月31日の次は1月1日になり、誰も12月31日以降は世界崩壊するとは考えません。そのため、古代マヤ人もきっと2012年に世界崩壊するとは考えなかったでしょう。
そして、マヤにはもっと長い周期のカレンダーが残されています。1周するの6千万年以上かかるカレンダーです。マヤ人は、世界崩壊どころかそんな気が遠くなる未来まで、マヤのカレンダーが使われると考えていたのでしょう。