射幸心を煽る言葉・射幸心を煽るのは違法なのか・例|法律

雑学

射幸心を煽る言葉

射幸心を煽る言葉というと、みなさんはどのような言葉を思い浮かべるでしょうか。昔からパチンコや競馬、競艇などのギャンブルで人の射幸心を煽ることに対して不満や疑問の声をあげる人も多く、過度に射幸心を煽る広告や制度に対しては法的に禁止されているものがあるなど、こういった行為を取り締まる動きもあります。

今回は、射幸心を煽る言葉にはどういうものがあり、なぜ射幸心を煽る行為に禁止されているものがあるのかを紹介していきます。

射幸心とはなにか?

射幸心を煽る言葉を紹介する前に、まずは「射幸心」とはどういう感情を指しているのかを説明していきます。

射幸心とは、簡単に言ってしまえば「幸運を得たい」という願いを持つ、人間の心理を指す言葉になります。また、「幸運を得ることによって、他人よりも幸せで恵まれていたい」という心理状態を指すこともあります。 人々は、古い時代から幸福を願いことを、占いや儀式、場合によっては競技の結果の善し悪しを見て未来を予想し、悪い未来を指し示すのであればそれにたいする備えもしてきました。幸せを願って行われる宗教儀式などを含めた多くの風習・習慣、祭りや神事といった文化も、体現化された射幸心といえるでしょう。

射幸心を煽る行為とは

このように、幸せを求めるという人間の心理状態を表している射幸心を煽る行為というのはどのような行為を指すのでしょうか。

射幸心を煽る行為というのは、文字どおり人の「幸せになりたい」という気持ちを刺激する行為です。例えば、パチンコなどのギャンブルにおいてある程度儲かった人に対して、店員あるいは周囲の人が「もう少しで出るのになぁ」という声をかけて、さらなる儲けを期待させることなどがあります。 ほかの例では、お祭りの屋において、景品がかかった射的や輪投げで惜しくも成功させられなかった子どもに対して「あともう少しだったし、次はいけるよ」と声をかける行為なども射幸心を煽る行為にあたります。 こういった行為は、自制の利きにくい子どもの「当たりを引いていい思いをしたい」という気持ちや、自制心の低い大人の「もっと楽して儲かりたい」という気持ちを刺激してしまいます。

日常で見かける射幸心を煽る言葉

よく日常で見かけるものに、「買わなきゃ当たらない」という言葉や「赤字覚悟の大放出」という言葉を見かけることもあるでしょう。それはCMであったり、メールであったりなど形態はさまざまですが、インパクトの強さも相まって目や耳で捉えやすく、また意識を向けやすい言葉であることが多いです。

こういった言葉を見たり耳にしたとき、宝くじなどの広告は賞金の大きさが人の目を惹きつけ、「買ったらもしかしら」という気持ちになるでしょうし、パチンコ屋のCMや広告で「赤字覚悟」という表記を見れば、「この日ならもしかしたら大当たりをするかも」という気持ちになるのが人として自然な気持ちです。 このように、射幸心を煽る言葉は日常生活の中で当たり前のように使われており、お得にものやお金を手に入れたいと思うようになります。楽に、お得にというのは人として自然な意識ではありますが、それを機にのめりこみすぎるのは危険です。

高い効果をほのめかす言葉

射幸心を煽る言葉で代表するものは、先述したように「お得に、楽に金銭を得られる」ようなものだけではありません。中には、非常に高価な商品やサービスでありながら、高い効果を期待させて購入させるという商売のしかたも存在します。

こういった販売方法は詐欺まがいのものであるという印象を持つ人が多いでしょうが、期待させた効果が噓偽りのないもので、実際に高い効果があるにしても、こういった販売方法において、消費者の「今よりも高い効果=より幸せなものを望む」という人の気持ちを刺激する文句によって購買意欲を持たせることも射幸心を煽る行為に含まれます。 具体的な例をあげると、高級エステの謳い文句あるいは周囲の評判などがこれにあたります。「〇〇よりも、こっちのほうがいい」という言葉に射幸心を刺激され、興味を持つようになると、今よりもよく、高いものを求めるようになっていきます。

投資などの広告

インターネット上でよく見かける、先物取引や外国為替証拠金取引、最近ではビットコインなどの仮想通貨についての広告は、そういった取引の事情をよく知らない初心者にとってはとても魅力的に見える謳い文句を使っています。

よく目にするものに、「低コスト=低リスクで始められる」ことを全面に出した広告が多く見られますが、実際にやってみると低コストのままでは思ったよりも儲けがなく、実際にはそれなりにまとまった資金が必要であったり、レバレッジと呼ばれる実際に利用者が負担する金額以上の株や外貨を購入するシステムを使う必要があることがわかります。 低コストである程度の儲けが出るというのは、このレバレッジというシステムを使った場合を指していますが、レバレッジを使用したうえで損失が出た場合、実際に投資した金額以上の損失になりうるという高いリスクがある点が広告で触れられることはほぼありません。
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