社会主義と共産主義の違い｜資本主義/民主主義/自由主義

ラオス・ベトナムも､社会主義で頑張っている国ですが､一党独裁であるものの､経済は立派な資本主義経済です。

そして､北朝鮮です。北朝鮮は､自身が社会主義国家と言っている訳ではありませんが､いま､一番社会主義国家らしい国家は､ここといえます。

農業や工業は基本的に政府が管理しています。ただただ理想だけが国民に押し付けられる独裁政治です。

ファシズムとは､簡単に言うと独裁主義のことをいいます。市民的自由や人権を無視し国家主義をかかげて、反対派を弾圧し、この政治体制や思想です。

代表されるのが、ムッソリーニのファシスト党、ドイツのナチ党と言ったものです。彼らは一党独裁体制を確立しました。 自由を追求するのが資本主義です。そして平等概念をより追求するのが社会主義・共産主義・ファシズムと考えることができます｡ 現実的には､ファシズムは､ほとんど社会主義と考えてもいいでしょう。思想においては違うという感じでしょうか。 思想においては､共産主義の方に導かれています。まだまだ､みなさんは､社会主義と共産主義の違いがわからないというのでしょうけど､共産主義は､個人はその能力に応じて自発的に「みんな」のために働き、富を個人所有しない､しかし欲しい時に欲しいだけのモノが受け取れるという理想のシステムのことです｡

共産主義的理想の社会を作り出すことができれば､政府は調整や配給の手助けをするだけの役で済ますことができます｡しかし､実際にここで一番大事なことを言いますが、共産主義など理想の概念であり､実際に共産主義を現実のものとしている国家はありません。共産主義が完成しないのも､もはや当たり前といえば当たり前のことです｡共産主義は､私達にとってユートピアです。

共産主義は､理想国家に過ぎないのです｡理想社会を実現する為に、国が一時的に権力を持ち､財産の国有化や労働を指導教育する時期が必要という考えになびくことになります。

国家主導による共産主義社会へ､過渡期としての位置づけが社会主義です｡しかし､どの国も起こってしまったことですが､指導者の個人崇拝や富の集中などが起こってしまうことになり､停滞または破綻の悲惨な状態を迎えてしまっただけです｡

共産主義でなく､社会主義の方は､理想どおりだったと考えていいのでしょうか。実際に､それほど､現在の社会主義国家は､上手く機能していないともいうことができます｡

社会主義では､国家では私有財産を認めないため、給料を同じにするということがあります｡ そのような状態では､多くの人たちが一生懸命仕事をしようとする意欲を失ってしまうことになりはしないでしょうか。 一生懸命仕事をすれば､それに見合う成果がなければ､人間は所詮､労働と真剣に向きあうことをしません。馬鹿馬鹿しくなってサボろうというモチベーションも自ずと生まれてしまうでしょう。 結局は個人個人が一生懸命労働する意欲が削がれてしまうことで､国全体の生産力は落ちてしまい､ 社会主義や共産主義の理想の本末転倒が起こってしまうことになります。

社会科学的に回答すれば、共産主義の国は存在しないです。共産主義を目指せば、国家は死滅すると言ってもいいでしょう｡共産主義という夢を見るのも危険な発想です。

「社会主義」と「共産主義」は、とりわけマルクス主義に関して､同じと考えられる立場と､そうでない立場があります｡ マルクスとエンゲルスが「共産党宣言」を書いた1847年､多くの人たちは、明確に､社会主義と共産主義の違いをそれぞれ見いだしていたのではないでしょうか。 エンゲルスは､ 1890年に出版した「共産党宣言」の中で､社会主義は「ブルジョア」の運動を意味するものであり、共産主義は「労働者」の運動を意味するものと言っています｡ マルクスもエンゲルス､共産主義者であり､多くの人たちは理想を求めて､マルクス・エンゲルスを支持した時代がありました｡

「ゴータ綱領批判」（マルクスがラッサール派によって書かれた綱領草案を批判する手紙を関係者宛に送ったもの）の中では､共産主義の低い段階と高い段階を区別することになり､ 低い段階では労働者は「労働」に応じて受け取って､高いレベルでは､「欲求」に応じて受け取るとされています｡

マルクスは､ここにおいて､共産主義について語ったとはいうことができますが､共産主義という単語を一切使用しないで､ここに存在している党は､「社会主義政党」です｡ エンゲルスは、唯物史観と剰余価値説によって社会主義は科学という言い方もしています｡ 今後､ マルクス主義は科学的社会主義という言い方もされるようになって行きます｡

1890年に「ドイツ社会民主党」と改称され、マルクス主義者は「社会民主主義者」とも呼ばれるようになり､ ドイツでは､ドイツ社会民主党は順調に成長していくことになります。

第一次世界大戦の頃､ レーニンは､ブルジョアジーのがわに寝がえってしまった「社会民主党」の名称の代わりに､「共産党」と名のるべきと提案します｡

ボリシェヴィキは1919年に党名を「共産党」と改称しました。以後、社会民主主義と共産主義は明瞭に区別されることになります。 社会民主主義は議会制民主主義の尊重や漸進的改革を主張することを意味するものに対して､ 共産主義は革命による「プロレタリアート独裁」を意味するようになります｡

現代社会において､社会主義・共産主義の時代は去り､資本主義のシステムが万全という見方があります｡しかし資本主義のシステムが万全かといえば､決してそうではありません。ですから私達の主義に対峙するものは必然的に求められているのではないでしょうか。社会主義・共産主義が輝く時代､資本主義も輝く時代だったのではないでしょうか。