ロイの健康観とは?
ロイは看護理論の中でその人がおかれた条件の中で他の人の助けを借りながらも最大限に自分を発揮し環境に適応していくことが健康な状態であると考えました。
ロイの適応看護理論とは?
ロイの適応看護理論では適応システムとしての人間として「入力」「コントロール過程」「効果器」「出力」の4つがあります。
入力とは、入ってくるもの。つまり、「刺激」のこととなります。コントロール過程とは対処機制のことで、調節器や認知器もここに値します。そして効果器と呼ばれる部分が、ロイの4つの適応様式となります。最後の出力で適応的反応や非効果的反応の判断をします。非効果的反応になった場合、そこから最初の刺激の部分へフィードバックしていきます。生理的様式などについて
生理的様式などは効果器(適応様式)と呼ばれ大きく分けて4つあります。生理的様式・自己概念の様式・役割機能の様式・相互依存の様式です。
ロイの看護理論の基礎となっているものって?
ロイの看護理論は「適応モデル」で科学的仮説・哲学的仮説の2つの仮説が基本となっています。ここでは、ロイの看護理論の基礎となった2つの仮説について詳しく学んでいきましょう。
科学的仮説
物質やエネルギーのシステムは複雑な自己組織の高いレベルまで進歩・向上します。そして、意識と意味は人と環境の統合によって成立します。自分自身と環境に対する認識は思考と感情に根付いています。人間はその意思決定によって創造的過程の統合に対して責任を持ちます。
思考と感情は人間の行動の成立と媒介となります。システムの相互作用には受容・防護・相互依存の促進が含まれます。人間と地球は共通パターンを持ち補完的な関係にあります。人間と環境の受容は人間の意識の中で作られます。そして人間と環境の意味の統合は適応を生じます。哲学的仮説
人間は世界および神との相互作用を持っています。人間が持っている意味は宇宙の最終地点の収束に根付いています。神は森羅万象の中に身近なものとして存在し創造物の共通の目的であります。人間は気づき、悟り、信仰という人間の創造の力を活用します。そして人間は宇宙を継承させ維持させ、変容させる過程に対して責任を持ちましょう。
ロイの看護過程とは?
看護師はロイの看護理論の4つのシステムの中で患者さんがどの程度効果的に適応しているかその程度や非効果的反応を示しているかを決定するために看護過程を活用します。看護過程を用いた上で患者さんが確実に適応できるように援助し適応を促していくことが看護目標と考えられます。ロイの看護理論の適応モデルによる看護過程は6つの段階に分けられています。
行動のアセスメント
ロイの看護理論の4つの適応様式に基づいて、それぞれの様式ごとにどのような行動がみられるかアセスメントし患者さんの抱える問題を抽出していきます。
刺激のアセスメント
刺激には焦点刺激(その人にとって最も直接的な刺激)と関連刺激(そのほかすべての刺激で焦点刺激により引き起こされる行動)と残存刺激(現状では測定不能な信念・態度・経験などに影響を与える要因)があります。この3つの刺激についてアセスメントを行います。
看護診断
最も関連のある刺激と行動の関連を陳述します。
目標設定
目標設定には、その患者さんに期待される適応行動として表現します。
介入
介入では、その患者さんに刺激の調整や適応レベルを高めるよう援助していきます。
評価
最後に介入しての効果について評価・判断します。
ロイの看護理論の特徴とは?
ロイの看護理論の特徴は大きく分けて4つあります。1つ目は、生理的ニードの適応様式です。2つ目は、自己概念の適応様式です。3つ目は、役割機能の適応様式です。4つ目は、相互依存の適応様式です。では、それぞれどんなものがあるのかを次の章で説明していきます。