看護方式の種類・特徴|PNS/チームナーシング/モジュール型

仕事ノウハウ

看護方式のメリット・デメリット

看護方式の種類・特徴|PNS/チームナーシング/モジュール型

各看護方式のメリット・デメリットについて整理します。

PNS看護方式

PNS看護方式のメリット

・一人での担当でないことによる安心感 ・チームほど人数がいないので、相談しやすくまとまりやすい ・常にダブルチェックができるので、間違いが起きにくくなる。

PNS方式のデメリット

・パートナー選びが難しい(同等にスキルアップできる関係性なら良いが、ベテランと新人などだと一人が指示し一人が受けるような関係になってしまうことがあります。) ・勤務を組みにくい(人数が潤っている病棟でないと、なかなかパートナーと会えないこともあります。)

チームナーシング看護方式

チームナーシング看護方式のメリット

・一人一人の負担感が少ない。 ・色々な看護師が接することで、患者に平等な看護ができる。 ・チームの誰かがほとんど一緒の勤務中に居で相談できる。 ・リーダーシップ・メンバーシップの勉強になる。

チームナーシング看護方式のデメリット

・リーダーの負担が大きい。 ・各個人の能力が埋もれてしまうことがある。 ・患者は誰が自分を担当してくれているのか、分からないこともある。

モジュール型看護方式

モジュール型看護方式のメリット

・看護目標の決定や、計画の評価において少人数で細かく検討し、そのうえでチームで検討するという二重三重のチェックができる。 ・プライマリーがまだ新卒やブランクナースでも、チームが作りやすい。 ・担当する看護師が少ないので、患者に分かりやすい。

モジュール型看護方式のデメリット

・チーム編成が細分化されて困難なことがある。 ・患者の入退院が激しいと、看護師の割り当てが難しくなる。 ・大人数のチームの中の一人では無いので、プライマリーナースとしての力量も必要。(モジュールとしてフォローがあれば、力が付くのでデメリットとばかりはいえません。)

固定チームナーシング看護方式

固定チームナーシング看護方式のメリット

・長くチームを固定しているので、チームの統率がとりやすい。 ・患者が長期経過をたどっているときには、同じ看護師チームで継続看護ができる。 ・新人やブランクナースを育てやすい。

固定チームナーシングのデメリット

・同じ価値観のチームが長く活動するので、新しい概念が生まれにくい。 ・リーダーの負担が大きい。 ・メンバーの成長が隠れてしまうことがある。

日本の看護方式

看護方式の種類・特徴|PNS/チームナーシング/モジュール型

日本の看護方式で最も多いのは、チームナーシングです。5978病棟からの回答で、32%がチームナーシングでした。(1996年)他の看護方式と組み合わせて、チームナーシングをしている施設は64.3%です。

日本はまだまだ看護師不足が多く、PNS方式やプライマリーナースを導入するには人手不足であることが挙げられます。また、これらの看護方式を教えられる人材もまだ多くはありません。また、精神科病棟などだと看護師を固定すると、看護しづらい面があるので機能別看護方式が多くなります。

急性期の看護方式

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超急性期(ICUなど)

救命センターやICUやCCUなどの急性期ユニットでは、入れ替わりも激しいですしなかなかプライマリー制度は成り立ちにくいでしょう。皆で、同じように気づき救命に向けて看護をするのが動きやすい場所です。そこでチームナーシングが多くみられます。

亜急性期

超急性期を経て、急性期病棟などにうつった場合は、その病棟のスタンスに寄ります。少しでも良くなれば転科したり転院・退院となるのであれば、やはりチームナーシングやモジュール型が適しているでしょう。しかし、ある程度安定するまで看られたり、リハビリや退院まで看る病棟だとプライマリーナーシングやPNS方式もできるでしょう。

入れ替わりが頻回な場合は、あまり早く担当編成しなくてはいけないような看護方式は向かないことが多いでしょう。

療養病棟の看護方式

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療養病棟では、あらゆる看護方式を用いることができます。ただ、個別性が強調されてきますし、さらにきめ細かい援助が必要になってくるので、チームで看るよりモジュール型やプライマリーナーシング、PNS型などが適してくるでしょう。

退院後にどのように暮らせるか、また転院や施設が必要な場合のケアなどは、できれば日によって人が変わるより状況のわかる人が毎日話したり聞いたりした方が良いことも多くなります。
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