腎盂腎炎
「腎盂」とは、尿が腎臓から流れ出る直前に一時的に溜まり、尿管に移行する腎臓の器官の1つです。その腎盂に細菌の感染が起こり、腎臓の実質に炎症が広がった状態のことを「腎盂腎炎」といいます。原因菌としては大腸菌(グラム陰性桿菌)のことが多いですがレンサ球菌、ブドウ球菌、緑膿菌の場合もあります。
腎盂腎炎の症状としては、悪寒を伴う高熱(39℃〜40℃)が数日間、間欠的に起こります。 それに伴い、「背部痛」「側腹部痛」「排尿時疼痛」があります。尿に膿が混じり濁っていることが多いです。
そのため、検尿を行うと尿が濁り沈渣に細菌や白血球が多くみられます。糸球体腎炎やネフローゼ症候群と違い糸球体と呼ばれる部分はおかされないため尿蛋白は軽度です。 そのほかにも、「頭痛」「嘔吐」「倦怠感」「食欲不振」なども症状としてあります。糖尿病の患者さんや抗がん剤治療を行なっている人は免疫低下が考えられるため腎盂腎炎になりやすいです。尿路感染症の患者さんの看護目標・計画の立て方とは?
看護目標を立ててみよう
尿路感染症の看護目標を立ててみましょう。1番の看護目標としては、尿路に発生している炎症をなくなすことです。排尿障害をなくし、普段の排尿パターンを取り戻すことを目標にしましょう。
そして、細菌やウイルスの感染は生活習慣を改善することで回避できることが多いです。看護師は尿路感染症の患者さんに再発予防策を指導しましょう。看護計画を立ててみよう
看護目標が立ったら次は看護計画を立てましょう。尿路感染症の看護では、症状を取り除くことが大事です。細菌やウイルスの除去・尿の滞留をなくすことが看護計画の柱になります。そして、尿路感染症の治療法を選ぶ基準として患者さんの痛みの訴えが大事な情報になってきます。
そのため看護師は患者さんの声を傾聴し状態の変化や患者さんの訴えを正しく看護記録に書くことが求められます。高齢者の患者さんが尿路感染症になった場合、体力の消耗により他の病気を引き起こす原因となってしまいます。「体力の保持」という部分も高齢者の尿路感染症の患者さんの看護計画に入れておくといいでしょう。尿路感染症の看護の観察項目は?
尿路感染症の看護の観察項目としては以下のものがあります。
全身の観察
体温・悪寒・嘔吐・頭痛・倦怠感・食欲があるかどうか
なぜ全身の観察が大事かといいますと炎症の大きさや感染している場所の範囲により体調が大きく変わる可能性があるからです。痛みの観察
排尿時の痛みの訴え・尿道の観察・周りの皮膚の膨張や発赤の有無
痛みの観察をする場合は、患者さんの性器を観察するので羞恥心やプライバシーにはしっかり配慮するように注意しましょう。その他の観察
頻尿の訴えがある患者さんの観察では、排尿回数の記録をしましょう。特に夜間帯の排尿回数の記録には注意しましょう。夜間帯は、看護師の人数が昼間に比べ少ないため排尿回数が正確ではない時があります。正確に排尿回数が記録されるよう他の看護師にも声をかけておくといいいでしょう。
血尿が出ている患者さんの観察では、尿の色や匂いなどを観察しましょう。