間質性肺炎の看護計画・観察項目・目標・症状・関連図

仕事ノウハウ

間質性肺炎の特徴

間質性肺炎の看護計画・観察項目・目標・症状・関連図

間質性肺炎とは、肺の間質と呼ばれる部分に起こる疾患です。間質性肺炎は進行すると肺が線維化することで硬くなり、膨らみにくくなってしまいます。肺が膨らみにくくなってしまう状態を拘束性換気障害といい、肺活量が80%未満になってしまいます。

また、毛細血管と肺胞の間が肥厚してしまうため、ガス交換能が低下します。さらに進行すると血流障害が起こり心臓に負担がかかるため、心不全を引き起こす原因になってしまいます。

原因

間質性肺炎の原因で代表的なものは、ウイルスによる感染や、放射線治療の副作用、カビやアスベスト、薬剤の副作用などがあります。また、中には原因不明の「特発性間質性肺炎」や膠原病が原因の「膠原病性間質性肺炎」もあります。

「特発性間質性肺炎」

特発性間質性肺炎は初期症状が無症状の事が多く、病状が進行してくると労作時の息切れや、痰を伴わない咳で自覚します。また、ステロイドなどの治療の効果が薄く、予後が悪いのが特徴です。

「膠原病性間質性肺炎」

膠原病性間質性肺炎は、膠原病である多発性筋炎や慢性間質リウマチで多く発症します。

症状

間質性肺炎になると、痰がない乾いた咳や息切れ、疲労感や発熱、体重減少などのさまざまな症状が出ます。急性の間質性肺炎の場合は数週間で症状が進行し、慢性の間質性肺炎の場合は数年かけて症状が進行していきます。

また、急激に症状が悪化した場合、呼吸困難や心不全を引き起こすことがあり命に係わります。息切れなどの症状がある場合は、早期に受診し適切な治療を受ける必要があります。

間質性肺炎の看護計画

間質性肺炎の症状は、発熱、咳、息切れ、病気に対する不安などがあります。看護師は優先順位をつけて、どの症状に対して一番に看護ケアを行っていくことが必要がアセスメントをし、看護計画を立案・実行していきましょう。

呼吸困難、咳によって苦痛を感じている

間質性肺炎は間質が硬くなり膨らみにくくなることで、息切れや咳の症状がでます。そのため、それまでよりも日常生活活動に制限が出てしまったり、患者は苦痛を感じるため、看護師はサチュレーションや検査結果、患者の症状の訴えなどの情報を総合的に判断し、どのような看護計画を立案・実行することが必要が考えることが大切です。

患者は身体的な苦痛はもちろん、症状があることで精神的な苦痛も感じているため、看護師は看護計画の中に精神的な看護ケアも含めた内容を組み込むことも大切です。

呼吸困難でQOLが低下

間質性肺炎の患者は、呼吸困難があることで日常生活活動に制限が出てしまい、QOLが低下してしまいます。そのため看護師は身体症状をコントロールしながら苦痛を軽減し、安定した日常生活を送ることができる看護計画を立案するといいでしょう。

また、呼吸が辛い状態であると身体的に苦痛を感じますが、今後の生活に対して不安を感じているため精神的にも苦痛を患者は感じています。精神的に不安定な状態であると、前向きに日常生活活動を行うことが難しくなってくるため、看護師は呼吸の状態と心の状態もしっかりとケアしていくことが大切です。

患者や家族の不安

間質性肺炎の患者や家族は、病気が発症してから治療はもちろん、日常生活にどのように影響が出るか、今、出ている症状がどの程度落ち着くかなどさまざまな不安などを抱きます。そのため、看護師は看護計画の中に患者や家族に対して精神的なケアも組み込むと、身体的なケアだけの看護計画よりも精神的なケアを含めた看護計画の方が、不安などを軽減することができます。

少しの不安や疑問でも看護師が寄り添って解決をすることで前向きに治療を受けてもらうことが可能になります。

栄養状態

間質性肺炎の症状は呼吸困難があります。間質性肺炎になると苦しい状態が続くため、十分に栄養が摂取できない状態になってしまいます。

また、苦しい状態であるため患者自身が積極的に栄養を摂取しようという気持ちも薄れてきてしまいます。
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