高血圧とは、血圧が高い状態が続き、放っておくと血管に負担がかかり動脈硬化を起こしやすくなり、脳卒中や心筋梗塞に繋がる怖い病気です。原因は、遺伝、食事、特に塩分の過剰摂取、ストレスなど日常生活に潜んでいます。
高血圧には自覚症状がありません。そのため、症状が現れた時には既に合併症が進んでいる場合もあり、脳卒中や心筋梗塞の発作が出て最悪の場合、いのちを落としてしまう怖い病気です。高血圧の対策には、自分の血圧を知る、減塩などに気をつけバランスの良い食事を摂る、定期的な健康診断を心がけましょう。 高血圧の一般的な症状として、めまい、動悸、呼吸困難、むくみ、頻尿、しびれなどがあります。また、自覚症状がないまま進むと高血圧による合併症で心筋梗塞などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管障害がありますので、症状別看護目標を立てていきます。高血圧の症状別の看護計画
症状別の看護目標は、高血圧の一般的な症状に対しては、生活習慣の改善を目標にし、合併症に関しては、血管に負担をかけない、血圧コントロールや排便コントロールを行うなど、それぞれ目標にします。
高血圧の症状別看護観察項目
高血圧の自覚症状の初期症状と、高血圧による合併症を伴った症状に対しての看護を行う上で必要な観察項目は次のとおりです。
OP(観察項目)
患者は、自覚症状をあまり感じないため、看護師が気付いてあげるのが最も大切です。合併症のリスクをなくすためにも、早期発見が重要になってきますので、看護をする上で大切なことです。
①自覚症状:めまい、頭痛、手足のしびれや頻尿などの原因、肥満防止のための適度な運動 どのような時にめまいや動悸が起こるか、また日頃から適度な運動をしているかを観察します。
②合併症:心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの脳血管障害 血圧、排便コントロール、動脈硬化の予防のための食事(減塩) 便秘になり息むと血管に負担がかかり血圧が上昇、また、ストレスなどにより血管に障害があるあるため、血圧とともに排便コントロールも観察しながら看護を続けていきます。
TP (看護ケア)
看護する際は、患者の不安を軽減するような看護ケアも必要です。小さなことでも気づいたらすぐに対処し患者が安心できるように看護します。
①高血圧のさまざまな症状を把握し適切な対応が必要
以下のような症状が出たら、看護師は患者に対し速やかに医師の診察を受けるよう勧めましょう。
・めまい:転倒しないようにイスに座り発作がおさまるまで安静にしているよう看護を行います。 ・頭痛:頭痛にも色んな症状の出方があります。気をつけたい頭痛は、鈍器で殴られたような激しい頭痛は、くも膜下出血の恐れがあるので、看護師がいち早く気付くことが大切です。 ・手足のしびれ:血流が悪く手足のしびれが起こることがあります。気をつけなければいけないのは、脳卒中の起こり初めにも手足のしびれがあるので、診察してもらう必要があります。
②心筋梗塞や脳血管障害が起こったら
心筋梗塞、狭心症:胸痛などが起こった時は、必要に応じてニトログリセリンなどの薬物療法を行い速やかに患者の苦痛を取り除いてあげます。その後は必ず医師の診察を受けます。
脳血管障害:脳血管障害は、血管が何らかの障害で詰まっている状態で、緊急を要する病気です。症状が出てから直ぐに医師の診察を受ける必要があります。6時間以内に治療を受けるこにより、悪化を防ぎ後遺症も軽く済みます。脳卒中が起こったら、直ぐに医師の診察を受けます。 血圧・排便コントロール:毎日の血圧測定はもちろん、排便の状況も把握する必要があります。便秘になるとどうしても力んでしまうため、血圧が急上昇します。排便がスムーズに行えるよう、腹部マッサージや腰部温庵法などを行い、効果が無い場合は薬物療法を行います。EP(指導項目)
高血圧は自覚症状がほとんどありません。症状が出る場合は、めまいや息切れ、手足のしびれなどです。このような症状を患者は軽んじることがあるため、症状が進行してしまい心筋梗塞や脳血管障害を起こしてしまうことがあります。そのため、軽い症状でも医師の診断を受けるよう説明しておきます。
また、最悪の事態にならないように、ご家族にも高血圧の症状や、症状が起きた時の対処法を指導しておきます。高血圧と高血糖の関係
高血圧と高血糖は、いっけん関係なさそうに見えますが、どちらも高いと危険ということでは同じです。血糖値が高ければ糖尿病、血圧が高ければ心筋梗塞や動脈硬化の危険性が高まります。高血圧の原因は、遺伝、食事(塩分の過剰摂取)、ストレスなどです。
高血糖の原因は、ストレス、運動不足、過食などがあげられます。高血圧や高血糖が原因でおこるさまざまな病気を防ぐ対策には、日頃からバランスのとれた食生活、ストレスを溜めない、適度な運動を心がけ、また、早めの健康診断を受けることがとても重要です。 看護師は患者に高血圧や高血糖の症状が現れた場合は、速やかに対応し緊急の事態にならないよう努めなければなりません。