サクラ
ヒトラーは、演説会場にナチス党員を偽客として何十人も紛れ込ませ、今で言う「サクラ」として使っていました。そうやって会場に集まった民衆を実際の数より多く演出することで、自分の影響力の大きさをアピールしていたと考えられています。
また、「サクラ」たちに歓声、野次、掛け声などの口火を切らせ、聴衆が盛り上がるように上手く誘導していたとも言われています。ヒトラーは、演説力もさることながら、演出能力にも非常に長けていました。ヒトラーの演説の原稿
ヒトラーは、演説の原稿をしっかり書いていたわけではなく、メモに要点だけをまとめていました。そのメモ書きのみを手元に置いて、長時間に亘る演説を行っていました。実際に行われた演説と、現在も残っているメモ書きを見比べると、メモ書きの言葉の流れに沿って演説が進められていたことがわかります。
ヒトラーは、聴衆や会場の空気を読みながら、言葉を増やしたりすることは多少はありましたが、事前にすべて計算し、ほぼ予定どおりに話していました。ヒトラーの演説に関する本
「ヒトラー演説 ～熱狂の真実～」
権力を誇示するため、民衆を自分の思いとおりに操るために、ヒトラーの演説は大きな役割を果たしました。そのヒトラーの演説に聴衆が熱狂した理由はなんだったのでしょうか。ヒトラーが政界に登場してから、ドイツ敗戦までの25年間、150万語に及ぶ演説データをさまざまな角度から演説を分析、解説している一冊です。
ヒトラーの演説への姿勢を歴史的背景と共に追いながら、言葉や仕草など細部まで紐解いて解説している名著です。 出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A9%E3%8... |
有名なヒトラーの演説
アドルフ・ヒトラー首相就任演説
ヒトラーが首相に就任したときの演説「ドイツ国民よ、我々に四年の歳月を与えよ」をご紹介します。数多くあるヒトラーの演説の中で、日本では一番有名な演説です。自分が首相に就任したことで、ドイツを栄光へ導く準備は整った、ドイツ国民皆が立ち上がるべきと訴えかけます。
アドルフ・ヒトラーナチス党大会終了演説
ヒトラーの演説ではこちらの「意志の勝利」も有名です。第6回ナチス全国党大会の記録映画として作られた「意志の勝利」の演説シーンなのですが、実際にヒトラーが演説した時の様子を撮影しています。
ヒトラーの演説テクニックはすごい
ヒトラーの演説について見てきましたがいかがでしたか。ヒトラーの起こしたことは、決して許される行為ではありませんが、当時のドイツの時代背景に、ヒトラーの演説力がマッチし、悲劇を生む結果に繋がってしまいました。ただ、彼の演説テクニックは本当に素晴らしく、進む方向さえ間違っていなければ、大英雄にも成り得たのではないかと言われています。
実際に彼は、国民の英雄として祭り上げられ、国の頂点に立ちました。権力が彼を狂わせたのか、元々狂っていたのかはわかりませんが、人の道を踏み外すことさえなければ、その演説力で人々に希望を与え、明るい平和的な未来へとつなげられたのではないでしょうか。彼の演説には、それほどの魅力がありました。