女性も男性も本当の意味で平等ではない
実力主義の危うさや女性が弱者なのか、という論争において言えることは男性も女性も平等であるということ、もっと言えば平等でなければならないということです。
男女雇用機会均等法が制定されて30年以上もたち、何をいまさら、と感じる人も多いでしょう。しかし、深層心理ではまだ男女平等とは言い難い状況が、女性の社会進出によるしわ寄せを生んでいると言えます。女性の社会進出で仕事が増えるのはしわ寄せがきた人
女性の社会進出のおかげで多くの場面でしわ寄せが発生しています。基本的に周囲の人は抱える仕事量が増えてしまうからです。
人員は休むことを考えて余裕をもって配置している企業は稀でしょう。日本はそういう風潮にあります。そこに女性の社会進出のしわ寄せで仕事量が増えてしまう理由があります。 日本に比べて長期休暇が豊富な国はたくさんあります。そこには「休んでも大丈夫な余裕のある人員配置をしている」という対策があり長期休暇を可能にしています。 また、ひとつの仕事ができる人を2人以上配置する傾向もあります。これで、1人が急に休んでも相方が何とかフォローができるという仕組みです。会社がそういう方針にならない限り女性の社会進出へのしわ寄せはなくならないでしょう。しわ寄せに対処しきれず募るイライラ
会社として人員配置に余裕を持たせていない、上司にそういう心構えがない状態では、しわ寄せはただイライラを増幅させるだけに過ぎません。苛立ちは仕事のパフォーマンスを落とし、空気が悪くなり、決して良い環境とは言えないでしょう。
そうはいっても、急に会社の体制を劇的に変化させる力は、大抵の人にはありません。そうなるまでは、せめて上司がしわ寄せに対処している人を労うべきと言えるでしょう。しわ寄せが及んだ先はどんな状況なのか
女性の社会進出により発生するしわ寄せはどのようなものでしょうか。女性の働き方にもよりますが、時短勤務により残業が偏った人のみに強いられてしまう、子どもの発熱で当日欠勤となり2人分の仕事をしなければならない、などが挙げられます。
産休や育休で休み期間が多く、さらにそれを繰り返される場合もあります。それでも人員を確保せずに現状の人員だけで回そうとするので、周囲の人は休憩を削ったり残業したりするのが慢性化してしまいます。しわ寄せを解消しきれない人手不足問題
日本は今、少子高齢化の流れにより働き手不足になっています。いくら人員を増やすほどの予算があっても、労働者そのものが減っています。女性の社会進出によって増えるスピードよりも早く、労働人口は減っています。
人員を増やせないのであれば、1人1人の生産性の向上を会社全体で取り組むべきでしょう。性別関係なく熱意を持って取り組むべき
女性の社会進出と出産や育児は切っても切れない問題です。出産は女性にしかできません。多くの女性がぶち当たる壁と言えるでしょう。言い換えれば出産は、女性だけができる名誉なことでもあります。
育休をとるか、時短勤務をとるか、フルタイムか、など本人にとっては難しい選択でしょう。しかし、仕事は片手間でやれるほど甘くはありません。育児も、同じです。 どちらも全力でやる、というのはわがままに聞こえますが、女性にはそれだけの強さが備わっています。どちらも熱意を持って取り組むことで、周囲に気を配れるようになり、周囲の人へのしわ寄せを緩和することもできます。 熱意は人を動かします。何を選択するにしても、熱意を持って進むべきでしょう。