学級崩壊の現状
「生徒が教師に反抗し、好き勝手をしているせいで授業が成り立たない状態」を学級崩壊といいます。俗にいう「荒れている状態」のことです。
学級崩壊が起こると授業が成り立たなくなるだけでなく、いじめが増え不登校が増えます。学級崩壊が原因でストレスが溜まり、精神疾患を発症して退職に追い込まれる教師が後を絶ちません。学級崩壊は主に中学校で見られる現象だと思われていますが、最近では小学校や高校でも起こっています。 学級崩壊がなかった環境で育った人にとって「クラスが崩壊する」という現象は信じがたいものでしょう。きちんとした学校にしか入学したことがない人や、ハイレベルな学校に通っていた人にとって「教室がめちゃくちゃになる」ことは想像しがたいことです。 「学級崩壊とは具体的にどんなものなのか」について詳しく見ていきましょう。誰も言うことを聞かない
学級崩壊のクラスでは、誰も教師の言うことを聞きません。学級としての機能が成り立っていないため、生徒は授業中にも関わらず席を立ち歩き、スマホをいじってお菓子を食べています。彼らはふてぶてしい態度で教師を睨みつけ、注意をされても直そうとはしません。それどころかゲラゲラ笑い、教師が怒鳴ると負けずに怒鳴り返すことがあります。
授業中にゴミや消しゴムを投げて遊ぶ
学級崩壊のクラスの生徒は授業中にゴミや消しゴムを投げて遊ぶことがあります。教師が「やめなさい」と注意してもやめようとしません。あっさり無視し、ゲラゲラ笑いながら友達に向かって消しゴムのカスを投げ続けます。
黒板や壁に担任を罵る落書きがある
学級崩壊のクラスの黒板や壁には、たいてい落書きがあります。その中でも特徴的なのが「○○氏ね」という落書きです。○○の中に書かれる名前は担任であることが多いといわれています。
窓ガラスが毎日のように割れる
学級崩壊があるクラスでは、毎日のように教室の窓ガラスが割れます。窓ガラスを割った生徒たちは悪びれる様子もなくヘラヘラと笑っています。担任がいくら怒っても彼らは平然としています。放課後に呼び出して厳しく叱りつけても、親を交えての三者懇談をしても、反省をするそぶりを見せません。
掃除の時間に雑巾を投げて遊ぶ
学級崩壊をしているクラスの生徒たちは、決してまじめに掃除をしません。掃除の時間になると雑巾を投げあってふざけあい、奇声を上げて遊びます。
先生が一人で給食当番をしている
学級崩壊しているクラスの生徒たちは、掃除をサボるだけではなく給食当番の仕事までサボっています。誰も用意をしないので、給食の時間になっても食べ物がでてくることはありません。生徒たちのほうを見ると「なぜ給食当番なんて面倒くさいことしなきゃならないの」といって机に座り、足をぶらぶらさせています。見るに見かねた担任が大きなため息をつき、仕方なく一人で全員分の給食の配膳をしていることがあります。
先生が指導を放棄している
学級崩壊しているクラスの担任は、疲れてやる気をなくします。元からやる気がなかったのか、それとも生徒のパワーに負けて生気をなくしてしまったのか、彼らはすべてにおいて投げやりになり、やがて問題のある生徒に対して注意や叱責をしなくなります。「どうせ言ってもダメだから」という理由で指導を放棄し、クラスはますます荒れ果てていきます。
保護者の前でもふざけ続ける子供たち
学級崩壊があるクラスでは授業参観や教育実習生の研修など、保護者や外部の目が光っているときでさえ問題が起こります。彼らが反抗する対象は担任だけではありません。授業参観中に平気でふざけ、親たちが見ている前でも普段どおりのふてぶてしさを発揮します。
授業中でも「いじめ」が横行する
学級崩壊のあるクラスでは、休み時間・授業中を問わず「いじめ」が横行します。「いじめ」は悪いことです。しかし、教師の指導が行き届いていない環境では生徒たちは平気でいじめをしたり、非行に走ったりします。
いじめられている生徒にとって、学級崩壊したクラスほどつらい環境はありません。先生の目が行き届いている授業中でさえいじめっ子から攻撃され、大勢が見ているにも関わらず誰からも助けてもらえないからです。不良が「トップの座」に君臨している
学級崩壊があるクラスでは教師が地位を失い、その代わりに不良がトップの座に君臨することがあります。不良は校則を破ってだらしのない恰好をするようクラスメイトに命令し、自分の方針に背く者があれば厳しく取り締まります。
教師が指導力を失うと新たな指導者が君臨し、教師に代わって群衆を先導していきます。トップの座についた不良は独裁者と化し、気に入らない生徒をいじめてクラスの友達をおびえさせます。不良が怖いからやむを得ずに「いじめ」をする生徒
学級崩壊があるクラスでは不良がクラスの「ルール」です。クラスメイトたちは先生のいうことを聞く代わりに不良のいうことを聞きます。不良が「いじめをしろ」と命じればその通りに行動し、「窓ガラスを割れ」という指示を受ければその通りに実行します。
「なぜいじめをするの」と聞かれても、彼らははっきりとした理由を答えることができません。表面的には「楽しいから」「みんなやってるから」と答えますが、本当はボスに命令されたからだという事実を巧みに隠しています。「もし告げ口をすれば酷い目に逢わされるに違いない」「不良に逆らったら、次は自分がいじめられるかも」と思って怖くて本当のことをいえないのでしょう。学級崩壊している担任の特徴
自分の子供が通っている教室で学級崩壊が起こると「まったく、担任の顔が見てみたいものだ」と腹が立ってしまうことがあるでしょう。学級崩壊しているクラスの担任の特徴についてご紹介します。
やる気がない
学級崩壊しているクラスの担任は、必ずといっていいほどやる気がありません。まるで世捨て人のように「何もかもどうでもいい」という状態で「形だけの授業」をしています。暴れている生徒たちに対して、注意をする勇気も指導をする元気もありません。教師という仕事自体に嫌気がさし、本心では「一刻も早く辞めたい」と思っているのでしょう。
面倒くさがり
「学級崩壊が起こるか起こらないかは、教師の腕しだいだ」といわれています。学級崩壊が起こってしまう教室の担任にはある共通点があります。それは、彼らが面倒くさがりだということです。彼らはすべてにおいてやる気がありません。何をするときも「面倒くさい」とつぶやくため、だらけた雰囲気が学級中の生徒に悪影響を及ぼします。
生徒たちは担任のことをよく見ています。感受性が強い子供たちは、担任のだらけた雰囲気を瞬時に感知し「先生だってだらけてる。だったら俺らもだらけていいじゃん。」と無意識のうちに判断します。 彼らは「先生はだらしなくしているのに、なぜ自分たちだけきちんとしなければならないのか」と疑問に思っています。口にこそ出さなくても、教師のやる気のなさを見た生徒たちは確実に影響されています。放任主義
学級崩壊が起こっているクラスの担任は、放任主義です。目の前の問題から逃げ、生徒の悪行を無視し、暇さえあれば職員室に逃げ込んでいます。
事なかれ主義
学級崩壊しているクラスの担任は放任主義であると同時に「事なかれ主義」でもあります。すべてを「なあなあ」にし、「まぁ、いいじゃない」と生徒の悪行を許してしまいます。いじめをしても「いいんじゃない」といい、窓ガラスを割っても「まぁ、いいでしょう」といって指導を放棄し無視を決め込みます。
そのくせ彼らは「事実」を隠蔽し、自分に非がないと証明するために体裁を取り繕います。世間に実態を知られ、大ごとになることを嫌うからです。「教育委員会」や「外部」に現状がバレるとまずいので、公言しそうな生徒がいれば大急ぎで口封じをし、「成績を下げるぞ」と脅して情報が外部に漏れないように取り計らいます。 普段は屍のような教師でも、自分が責任を問われないようにとずる賢く立ち回る方法だけは知っています。責任感がない
学級崩壊があるクラスの担任には責任感がありません。責任感があれば、とっくの昔に何かしらの手を打っているはずでしょう。それをしないということは、「自分のクラスなんてどうでもいい」と思っているのだと考えられます。
「一番弱い生徒」に責任を押しつける
学級崩壊があるクラスの担任は責任逃れをするために、自分の落ち度を認めようとしないことがあります。酷いときは弱そうな生徒を悪者に仕立て上げ、その子を攻撃することによって自分の失態をその子に擦りつけます。
例えばいじめがあった場合、担任である自分に責任があるにもかかわらず、いじめがあったことに対して責任を取ろうとはしません。それどころか「あなたは弱いから、性格が暗いからいじめられるのよ」と被害者の生徒を精神的に追い詰め、「このクラスでいじめが起こったのはあなたの中にある弱さのせいだ」と自分の失態を棚に上げて被害者にいじめの全責任を押しつけます。 被害者は何もしていないにも関わらず、担任の言葉によって丸め込まれ「いじめの責任者」に仕立て上げられていきます。担任は日ごろのストレスを被害者にぶつけることにより、なんとか精神の安定を保とうとしているのでしょう。子供が嫌い
学級崩壊しているクラスの担任は子供が嫌いな傾向にあります。元から子供が嫌いだったのか、それとも教師の職に就いてから嫌いになったのかは定かではありませんが、とにかく彼らは心の底から子供を激しく嫌っています。
「思い通りにコントロールできない」といってキレる
学級崩壊しているクラスの担任は、「なぜ自分の思いの通りにならないんだろう」と思い悩んでいます。「なぜ、生徒たちはわたしの言うことを聞かないのか」「教師であるこのわたしが命令しているというのに」と嘆き、無力感に襲われています。
彼らはまるで、悪態をつきながらリモコンを握りしめてソファーに寝ころび、自分の家にあるテレビの性能の悪さを嘆く人のように、「なぜ生徒はわたしの思い通りにならないの」「なぜ言うことを聞かないの」と怒り狂っています。 しかし生徒は人間であって機械ではありません。生徒は人として独立した存在であり、ボタン一つで言うことを聞く機械やロボットとは違います。現代人は、ボタン一つで思い通りになる世界に慣れすぎています。そのため人間関係において「相手が自分の思い通りにならない」ということに対してショックを受け、悩み続けるのでしょう。権威には礼を尽くす一方で生徒を軽んじる傾向
学級崩壊しているクラスの担任は保護者や外部のお客様の前では礼儀正しく、腰が低いため大人からは「品行方正で謙虚な先生」だと思われています。しかし教壇に立ち、自分のクラスの生徒たちを目の前にすると、打って変わって乱雑な人格に変身し、先ほどの爽やかさとは程遠い粗野でいいかげんな人物に成り下がります。
学級崩壊しているクラスの担任の特徴の一つに「強きに弱く、弱きに強い」というものがあります。彼らは保護者や外部の大人という「強き」にはひれ伏し、生徒という「自分よりも立場が下」と思われる存在には辛くあたる傾向があります。 彼らは自分よりも地位が上の者に対しては敬意を払い、礼を尽くしますが、自分よりも年下である生徒に対しては、その存在を軽んじるどころか足蹴にしている場合があります。生徒を見下している
学級崩壊しているクラスの担任は口にこそは出しませんが、自分のクラスの生徒に対して猛烈な怒りを持っています。彼らは生徒を人間扱いしていません。心の中で「くそ~、アイツら」と生徒の存在をアイツ呼ばわりし、「子供は自分をいじめる最低な悪魔」だと思い込んでしまう傾向があります。
一見、彼らは学級崩壊によって追いつめられたために精神が病み、生徒を思いやる余裕がなくなってしまったかのように見えますが、「実は、学級崩壊する前から生徒を人間扱いしていないからこそ生徒にそれが伝わり、その結果生徒から反撃を受けて教室がめちゃくちゃになったのではないか」という可能性が指摘されています。子供を「画一化した型」にはめようとしている
学級崩壊しているクラスの担任は、「学校とは工場であり、生徒という名の工業製品を検品するのが自分の役目だ」と思い込んでいる節があります。すべての教師がそうだとは言い切れませんが、少なくとも学級崩壊しているクラスの担任の特徴の一つには、生徒の個性を認めるよりも、生徒を「画一化した型」にはめることに躍起になっている傾向があります。
威圧的
学級崩壊してしまうクラスの担任は過度に威圧的で支配欲が強い場合があります。「生徒を自分の思い通りにコントロールしたい」という気持ちが強すぎると、生徒から嫌がられて反撃されてしまいます。「わたしのいうことを聞け」という尊大な態度や独善的で独りよがりな態度は嫌われます。なぜなら、人は誰からも支配されたくないし、押さえつけられたくはないからです。
成績や肩書で生徒を差別する偏見主義者
学級崩壊しているクラスの担任は、成績や肩書によって生徒を差別する傾向があります。成績の良い子や、委員会に入っている生徒にだけ優しくして、それ以外の生徒をないがしろにすると、当然反感を買います。
「教師が一番偉い」と思っている
「教師が一番偉い。生徒はひざまづけ」と思ってふんぞり返っていると、必ず嫌われます。威張っている人に好意を持つ人間はかなり少ないのではないでしょうか。
とはいえ、「偉そうにしていないとナメられるのではないか」と思ってしまいがちですが、実はその逆です。威張っている人間ほど周囲からナメられ、孤立無援の状態に陥ってしまう傾向があります。その時の機嫌しだいで怒ったり怒らなかったりする
その日の気分で怒ったり怒らなかったりを繰り返していると、発言に信ぴょう性がなくなっていきます。それだけでなく、筋の通っていない指示をされた子供は「何が正しくて、何がダメなのか」が分からなくなり、混乱してしまいます。
学級崩壊してしまうクラスの子供たちは、その時の教師の機嫌しだいで指導の方針が変わることに不信感を覚えて反抗しているのでしょう。発言に責任を持たない・話の筋が通っていない
「先生の話はめちゃくちゃだ」「話の筋が通っていない」と感じると生徒は反抗します。学級崩壊しているクラスの担任は自分の発言に責任を持たずに、その時どきの気分によって、勝手にルールを変えたり、自分に都合が良いように物事を解釈したりと、傍目にはかなり「わがままで気まぐれ」に映ります。
自分が「主役」になっている
学級崩壊しているクラスの担任は「学校が自分たちのための施設」だと勘違いしている傾向があります。学校は本来「生徒が勉強をするための施設」です。すなわち学校は「子供のための施設」であるはずです。教師とは生徒をサポートし、教え導く存在です。
しかし、中にはそれを誤解して違ったふうに解釈している教師がいます。彼らは「教え導く」を「批判してこき下ろす」だと勘違いして、「生徒が主人公」ではなく「自分が主人公」だと思い込んでいます。 「自分が主人公」だと思い込んでいる教師は、「生徒が自分の言うことを聞いてくれない」「校則を守ってくれない」「いい成績をとってくれない」と悪いのをすべて「生徒のせい」にします。 生徒を教え導くのではなく、生徒を批判し、まるで自分がお客様で生徒が店員であるかのように錯覚し、「指導」と称して生徒の一挙一動に「クレーム」をつけます。学級崩壊の原因
当然のことながら、ほとんどの教師たちは自分のクラスが学級崩壊してしまうことを恐れています。誰もが、生徒が自分のコントロールを離れて好き勝手に騒ぎまわり、自分に盾突いて自分の力を上回る存在になってしまうことを恐れて仕事をしています。
しかし、学級崩壊を恐れれば恐れるほど、クラスの状態は悪化していき、学級崩壊の道へと進んでいくことがあります。それは一体なぜでしょう。学級崩壊の原因について詳しく見ていくことでその疑問を解決していきましょう。理不尽な「指導」と筋が通っていない「説教」
人間は「理不尽さ」を感じると怒ります。クラスが学級崩壊してしまうのは、生徒たちが担任の発言や指導に理不尽さを感じているためです。理不尽で筋の通らない気まぐれな指導は、生徒から蔑まれる原因となります。
教師の高圧的な態度に対して怒りが爆発
学級崩壊の原因の一つに、「高圧的な教師による暴言や罵声への反感」があります。横暴な教師は生徒から嫌われます。生徒に対して暴言を吐き、罵声を浴びせかけて生徒の人格を否定し、生徒を威圧して支配することは「教育」ではありません。
このような教師は、たいてい生徒からの反撃に遭います。生徒は「生きた人間」です。人間には感情があり、意志があり、人権があります。よほどマゾヒスティックな人でない限り、嫌なことをされて喜ぶ人はいません。