学級崩壊の原因・立て直し方法・対策方法・担任の特徴|小学校

仕事の悩み
中学校に入ると、小学生のときに担任の先生とタメ口で会話していた生徒も「もう大きくなったんだから」という理由で「目上の人を敬いなさい」という世界に放り込まれます。これに対して彼らは「先生だけ威張っていてずるい・先輩に敬語とか嫌だ」という怒りを募らせてしまいます。 彼らの目つきは自然と悪くなり、「不良」のレッテルを張られ、「反抗的な態度」とみなされて教師から煙たがられるようになっていきます。

繊細な生徒は「呼び捨て・暴言」で酷く傷つく

生徒たちは「不公平さ」や「被害者意識」から反乱を起こしている可能性があります。過敏な生徒に対して「先生が上で生徒が下」という「上下関係」を強調した姿勢で近づいていくことは、せっかく鎮火した所に油をそそぐようなものです。「呼び捨て、暴言、おまえ呼ばわり」は繊細な生徒の心を傷つけます。

繊細な生徒を再び「反抗的」にしないためには、教師側が威圧的な態度を改め、相手の気持ちに寄り添う必要があるのではないでしょうか。

学級崩壊した高校を立て直すには?

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高校が学級崩壊するケースは珍しいといわれていますが、それはレベルの高い高校の話です。さほどハイレベルではない高校では中学校のような荒れ方が目立ちます。

しかし、高校は義務教育ではないため、通うのが自由だという特徴があります。一部の学校では、タバコを吸ったりお酒を飲んだりする酷い状態の生徒には退学処分をしているそうです。また、目に余る生徒にはそれなりの罰則を与えて自分の行動に責任をもつよう突き放す姿勢をとっている学校もあります。 高校生になると、たいていの生徒は徐々に落ち着いてくるため、「窓ガラスを割る」や「教師に殴りかかる」といった件数はやや減りますが、一方で「授業中にスマホでゲームをする」「当てられても無視をする」「授業中に勝手にトイレへ行く」という行動が目立つ時期でもあります。

分かりやすい授業をして生徒のやる気を復活させる

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高校生が授業中にスマホで遊んだり、勝手に席をたってトイレへ逃げ込んだり、当てられても無視をする理由は「授業を受けている意味がない」と思っているからでしょう。学校での授業がちんぷんかんぷんで教師の言っている意味が分からない場合、すべてを放棄して授業をさぼりたくなります。

授業の内容が理解できないため、「授業を受けても意味ないじゃん」と思ってひそかに反抗するようになります。「真面目に勉強しろ。この怠け者が」と罵ることはできるだけ控えましょう。彼らは好きで落ちこぼれているわけでも堕落しているわけでもなく、ただ「絶望」しているだけです。勉強ができない原因は教える側にもあるのだということを認識しましょう。 彼らにまじめになってほしければ、頭ごなしに怒るよりも分かりやすい授業をして、関心を引き付けるほうが得策だといえるでしょう。

学級崩壊の対策方法

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学級崩壊を防ぐためにできることは何でしょうか。どんな担任の態度が子供の反感を買うかについてはこれまで見てきました。学級崩壊を防ぐには生徒側の怒りや不満を爆発させないことが不可欠です。

とはいえ、「子供に優しい学校づくりを」と呼びかけると「そんなことをしたら先生の威厳がなくなり、子供の力に負けてしまう」「しつけのなっていない子供が大量発生するのではないか」と不安に思う人も多いことでしょう。プライドが高い先生は「子供のご機嫌取りなんて嫌だ」と感じてしまうことがあります。 しかし、忘れてはならないことがあります。それは「学校は子供のためにある施設」だということです。

脅しや罵声でのコントロールはNG!

教師は「指導者」という役割を担うサポーターであり、子供を正しい方向に導くアドバイザーであるべきです。決して「特権」を与えられたからと言って「生徒を思うがままにコントロールしよう」と考えてはいけません。

「他人は思い通りにならない」といわれているように、いくら頭ごなしに叱りつけても、力ずくで押さえつけても、ちゃんとした「効果」を得られることは難しいといわれています。 脅されたり、罰されたりすることで「しつけ」られた場合、その場では言いつけを守ることがあっても、時間がたった後や教師の目が届かないところでは言いつけを守らない場合があります。脅しや叱責は瞬間的な効果はあるものの、永続的な効果は期待できません。

「自分から決まりを守ろう」と思わせよう

誰も見ていなくても、注意されなくても決まりを守れる子供にするためには、「自分から決まりを守ろう」と思わせることが必要です。そのためには「きちんと理由を説明し、納得させること」と「その問題について自分たちの頭で考えさせること」です。

高圧的な態度や脅し、押しつけをやめて、生徒の意見を尊重する姿勢をとる必要があります。具体的には、学級運営を子供たち自身の手でやらせ、民主化させることによって決まり事を守らせましょう。その際、気をつけることは「決して放任しないこと」です。民主化させるといっても教師のでる幕がないわけではありません。 教師は子供たちの自主性を引き出すと共に、正しい道へ教え導く存在でもあります。もしも、間違った方向へ行きそうになったらきちんと止めましょう。

「いいこと」と「ダメなこと」のメリハリをつける

「自発的に決まりを守る子供」にしたい場合は普段から、「何が良くて、何がダメか」はっきりさせねばなりません。曖昧な指導をしたり、些細な事に対してでも目を吊り上げて怒り狂って見せたりする態度は「本当に悪いことは何なのか」を判断する力を鈍らせます。特に低学年に対しては「いいこと」した時にたくさん褒めて、「悪いこと」をしたときにはきちんと叱らねばなりません。

最低限のことが守れればOKする

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「あれもこれも、ダメ」と口うるさく言いすぎると、子供が混乱してしまうことがあります。混乱した児童がパニックを起こして学級崩壊になってしまっては、せっかく張り切って指導した意味がありません。

「最低限のことが守れれば、後は何でもいいよ」くらいの気持ちで指導をするようにすると、子供たちは落ち着いて言われたことを守るようになるでしょう。最低限のこととは、例えば「人を傷つけない」「モノを壊さない」「危ないことはしない」「人に嫌がらせをしない」などです。慣れてきたところでその他の細かい諸注意を加えていけば指導が通りやすくなります。

その日の気分で態度や発言を変えない

指導には一貫性を持ち、その日の気分で態度や発言を変えないように気をつけましょう。さもなくば子供たちは「今日は先生が機嫌が悪いから怒られたけど、明日になったらきっと忘れるから悪戯し放題だ」と学習しかねません。

「威張りすぎ」は反抗心を掻き立てるのでほどほどに

特に中学生は「権力」が嫌いで「年長者」に歯向かう傾向が強いといわれています。中学生が教師に反感を持ち反抗する理由の一つに「教師と生徒の間に生じる上下関係に対して不当さを感じているから」というものがあります。

反抗的な中学生は過去に大人から理不尽なパワハラを受けて傷つき、それが原因で「威張る大人は悪だ」と思い込むようになってしまっているのでしょう。むやみに威張ると神経過敏な子供たちによって「悪」と見なされ、「成敗」されてしまう場合があります。生徒を威圧することは手っ取り早い方法に思えて実はかなりのリスクを伴う行動であることを肝に命じておかねばなりません。 威圧的な態度は、即効性があるように思っても頻繁に使うと効果がなくなります。威張ってもいいことはありません。「本当に悪いことをしたとき」や「ここぞという時」以外は高圧的な態度をとらない方が良いでしょう。

生徒にレッテルを張るのをやめる

もしも自分が見知らぬ誰かから、初対面のうちに「落ちこぼれ」「不良」というレッテルを張られ、偏見のまなざしで睨みつけられたら、どんな気持ちになりますか。

学級崩壊を防ぎたければ、生徒にレッテルを張るのをやめましょう。レッテル張りをする先生のクラスと、レッテル張りをしない先生とのクラスでは大きな違いがあります。 レッテル張りをする先生のクラスでは生徒が荒れまくり、授業どころではない騒ぎになってしまいますが、レッテル張りをしない先生のクラスの生徒たちはみな生き生きしていて、一人一人が自分の才能を伸ばしています。 子供は「言葉」に影響されやすい存在です。大人に比べて右脳が開いているため、大人からの暗示にすぐに影響されてしまうといわれています。もしも子供に「不良」のレッテルを張れば、その言葉は子供の自尊心を傷つけるだけでなく、子供の人物像にも影響してしまいます。

子供は「イメージどおり」の人物になろうとする

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「良い子でいっぱいな楽しいクラス」にしたいのなら、例え本心でなくても「このクラスの子供たちはきっと、それぞれに良いところがあるに違いない」と心の中でつぶやいてみましょう。ポジティブ思考はこういう時にこそ使うべきです。子供は素直なため、「大人がイメージする通り」に育つ傾向があります。

「問題児」と睨まれ、バカにされた子供は自己肯定感が低下し、やけになって実際に問題を起こしてしまうことがあります。一方で、「何かの間違いで優等生扱いされた不良」は教師や友達から「頭いいね」と褒められているうちに服装の乱れが直り、学業に集中して本当に良い成績を取るようになったというケースもあります。 子供は意外と純粋で素直です。「問題児」というレッテルを取り払えば、彼らは自由になれます。子供とは本来、無限の可能性に満ちた存在であることを忘れないようにしましょう。

どんな人にでも分かる授業をしよう!

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「落ちこぼれとは、分かりにくい授業によって作られた被害者だ」という意見があります。この意見に対して賛否両論があることはさておき、少なくとも落ちこぼれ自身は心の底で「自分は被害者だ」と思っている傾向があります。

彼らは教師に対して文句を言う場合もあれば、学校そのものに絶望し意欲をなくしている場合もあります。落ちこぼれは「どうせやっても無駄」と勉強を放棄し、その代わりに「もっと面白いこと」を探してうろつきます。勉強を放棄した彼らは暇を持て余します。心がすさんでいて、なおかつ暇になった人がすることといえばいじめです。 落ちこぼれを大量生産することは、いじめの加害者を増やす結果につながることがあります。また、いじめをしなくても「勉強ができない怒り」が教師に向いた場合には、学級崩壊のリスクが高まるでしょう。それを防ぐためには「分かりやすい授業」をして落ちこぼれが出ないよう工夫する必要があります。

落ちこぼれを出さないためには?

「落ちこぼれを出さない教育なんて無理」「能力に差があるのは本人の責任」と考えている限り、落ちこぼれは減らないでしょう。教育評論家の尾木直樹氏は「取り残される日本の教育 尾木直樹 講談社+α新書」で日本の教育システムへの警鐘を鳴らしています。

欧米諸国では「真の意味での平等教育」が実現しており、落ちこぼれを出さないためのシステムが充実しているといいます。「どうすれば落ちこぼれを出さずに済むか」とお悩みの方は下記の本を一度読んでみることをおすすめします。

「取り残される日本の教育」 尾木直樹

日本の先生たちは「勉強ができないこと」を本人や保護者の責任して突き放す傾向があるといわれています。一方、フィンランドの先生たちは「できないのは教える側の責任」として子供が理解するまでしっかりと教えます。

教育評論家である尾木直樹氏は「取り残される日本の教育 (講談社+α新書)の中で「できないこと」を個人の責任にする日本の教育に異議を唱え、「落ちこぼれをつくらない姿勢」をフィンランドに習うべきと述べています。 フィンランドなどの欧米諸国では「等しく理解させること」が平等教育であるとされていますが、日本では「等しく指導を提供すること」が「平等教育」だとしています。 落ちこぼれを出さないためには「落ちこぼれをつくらない主義」のフィンランドの考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まだ、読み終えていませんが、長い間、疑問に思っていたことや不安に思っていたことが間違っていなかったとわかってよかったと思いました。引き続き、真剣に読んでみたいと思っています。 出典: https://www.amazon.co.jp/%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%AE%8B%E3%8... |

生徒と対等に話し合う機会を設けよう

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「不当さ」や「不平等さ」を感じると怒り狂うという反抗的な子供の性質を考えると、「教師が生徒と対等に語り合ってみる」と状況が改善する場合があります。反抗的な子供は、「上から押さえつけられること」を何よりも嫌う一方で、「対等な関係」や「フェアな関係」を好む傾向が強いといわれています。

尊大さをなくして子供の声に耳を傾けるようにすれば、彼らは暴れるのをやめ、落ち着いて意見を語るようになるでしょう。何かを指導するときは、緊急時以外は相手側の言い分や主張を受け止めてから、自分の言いたいことを言うように心がけましょう。 反抗する子供を悪者扱いするのをやめましょう。レッテルを取り除き、その子の良さを尊重してあげることで、状況が改善することがあります。
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