糖質制限中に「かぼちゃ」は大丈夫なのか?糖質・カロリー・栄養素

料理の知識

かぼちゃにはどんな栄養があるの?

かぼちゃには、大きく分けて2種類あります。ひとつは日本かぼちゃで、ふたつめは西洋かぼちゃです。どこのスーパーマーケットでも置いているのが西洋かぼちゃで、日本かぼちゃは、ほとんど流通していません。

それは西洋かぼちゃの方が色合いもきれいで、ホクホクとした甘みも勝り、栄養価も高いことから世間の支持を得ているからです。この記事でも西洋かぼちゃを取り上げました。

かぼちゃの栄養

かぼちゃは緑黄色野菜でβ-カロテン、ビタミンB群やビタミンCをっぷりと含んだ栄養価の高い優秀な野菜です。優れた栄養成分の中でも含有量の多さで注目すべきはβ-カロテンです。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されて、風邪や感染症と言った免疫力低下によって発症する病気を抑制する働きをします。

さらにかぼちゃは、ポリフェノールやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化成分も豊富に含んでいるので抗酸化力が極めて高い野菜でもあります。体内の細胞の酸化は、癌や様々な病気の原因となります。健康を維持していくために、日々の食事で抗酸化成分を含んだ野菜を献立にとり入れる必要があるのです。

かぼちゃの糖質量とカロリー

かぼちゃの糖質は100gあたり17.2gでカロリーは91KCalです。この糖質量やカロリーの値は高いのでしょうか、低いのでしょうか。そして糖質制限を必要とする人にとって、どのような問題があるのでしょう。そもそも糖質とは何なのでしょうか?また、カロリーとは何なのでしょうか?

糖質とは

糖質は、一般的には炭水化物と混同されていることが多いのですが、炭水化物から食物繊維を引いたものが糖質です。この糖質はわたしたち人体が活動するためのエネルギーとなるものなので、けっして悪者ではありません。糖質を制限する理由は、肥満や糖尿病に対して血糖値やインスリンの分泌をコントロールする必要が生じるからです。

カロリーとは

カロリーとは生命を維持するためのエネルギーの単位のことです。わたしたちの身体は燃料となる炭水化物や脂質を代謝してATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギーを生成し身体や脳を動かせています。ですからカロリーも生きていくために必要不可欠なのですが糖質と同様に、摂りすぎには注意が必要です。

一日に摂取する糖質量はどれくらい?

健康な人の一日に必要な糖質の基準は、総エネルギー摂取量の50~65%が糖質の摂取量です。これは男性も女性も同じです。一日に必要なエネルギーは、年齢だけでなく肉体労働とデスクワークとでは差があるので当然、必要な糖質の量も変わってきます。

例としてデスクワークをしている30歳~49歳の男女それぞれの、一日に必要な糖質量はどれくらいなのか見てみましょう。総エネルギー摂取量の50~65%の糖質の摂取量を中間値である57.5%として計算します。

計算結果

まず女性の場合ですが、1日に必要とするエネルギーは1750㎈です。1750×0.575で1006となり、1日に必要な糖質のカロリーは1006㎈と分かります。

糖質は1gが4㎈なので1006÷4で約251gが1日に必要な糖質量となります。同じように男性が必要とするエネルギーの2300㎈で計算すると、男性の1日に必要な糖質量は約330gとなります。以上の数値は健康な人の健康維持のための基準となる数値として捉えて下さい。

糖質制限中の糖質摂取量は?

糖質はエネルギーとして必要ではありながら過剰摂取は肥満や糖尿病に結びついてしまいます。では、糖尿病や肥満防止の対策として糖質制限をする場合に摂取する糖質量はどれくらいなのでしょう?一口に「糖質制限」と言っても、糖尿病の症状や肥満対策の程度によって制限する糖質量は変わってきます。

プチ糖質制限をする場合は、糖質摂取量を110~140gにします。スタンダード糖質制限をする場合は1日に70~100gです。そしてスーパー糖質制限をする場合は糖質摂取量を、1日30~60gに抑えなければなりません。

かぼちゃは糖質が高い?

まず、かぼちゃは糖質が高いのかと問われれば、かぼちゃは、かなり糖質が高い野菜です。すでに記述しましたが、かぼちゃの糖質は100g中17.2gです。スーパー糖質制限をしなければならない場合、1食あたりに摂取できる糖質量は10~20gなのでかぼちゃ100gだけで、1食分の糖質を満たしてしまいます。

かぼちゃ100gがどれくらいなのかと言うと小皿にのるほどしかなく空腹を満たせる量ではありません。他の野菜の糖質はどれくらいなのでしょうか?かぼちゃと比較してみましょう。

他の野菜の糖質はどれくらい?

クレソンやもやし(大豆)の糖質は100g中0gです。ホウレンソウが0.3g、ブロッコリーが0.8g、アボガドが0.9gと、これらは糖質が1.0g以下の野菜です。しそやモロヘイヤや茗荷やチンゲン菜なども1.0gもありません。セロリやレタスは1.7g、ピーマンは2.8g、トマトは3.7gの糖質が100g中に含まれいます。

かぼちゃ同様、カロテンの多いニンジンは6.4gあり、意外なことに玉ネギは7.2gもあります。加熱でカサが減る玉ネギも糖質制限中は気を付けなければならない野菜のひとつですが、それでも、かぼちゃの半分以下の糖質です。

糖質制限中のかぼちゃの食べ方は?

糖質制限中でも野菜の摂取は重要です。これは、一般に低糖質の野菜に限って言えることです。何故、野菜の摂取が重要かと言うと糖質制限中は米などの炭水化物をカットしたり減らしたりするため食物繊維が不足するからです。食物繊維の不足は便秘につながります。

糖質制限中は糖質が、かぼちゃの1/10で食物繊維の多いレタスやセロリなどが理想的なのですが、かぼちゃをどうしても食べたいときだってあります。また、かぼちゃに含まれる免疫力強化のβ-カロテンや抗酸化成分のポリフェノールやビタミンEは、単色野菜からは摂取できない栄養素なのです。では、糖質の高いかぼちゃは、どのように食べればよいでしょうか。
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