カリウムを多く含む食べ物・カリウムを下げる食べ物

料理の知識

カリウムとは?

カリウムは、人体の約0.2~0.3%を占める元素であり、その内の2%くらいは細胞外に分布していますが、残りの98%は細胞内に分布しています。たとえば体重が60kgの人は、概ね120~180gのカリウムを体内に保持していることになります。

人間のカリウムの摂取は、殆どが食べ物から行われています。食べ物を介して摂り入られたカリウムは、小腸から緩やかに吸収され細胞内液に蓄えられます。過剰に摂取したカリウムは汗や尿と一緒に体外に排出され、細胞内液の濃度は常に一定に保たれるようになっています。 従って、カリウムの摂取については、日常的に様々な食べ物を満遍なく食べる習慣さえあれば、特に心配することはありません。

カリウムを多く含む食べ物とは?

カリウムを多く含む食品の分類別一覧

カリウムが豊富な食べ物の分類別トップ3は、以下のようになっています。

《穀 類》:アマランサス、小麦はいが、トウモロコシ 《豆 類》:大豆(乾)、きな粉、あずき(乾) 《魚 類》:煮干し、かつお節、たたみ鰯 《魚介類》:するめ、干しえび、いかなご佃煮 《肉 類》:ビーフジャーキー、生ハム、鶏ささみ 《海藻類》:昆布(乾)、わかめ(乾)、とろろこぶ 《イモ類》:マッシュポテト、フライドポテト、やまといも 《木の実》:ピスタチオ、落花生、アーモンド 《きのこ》:しいたけ(乾)、きくらげ(乾)、エリンギ 《乳製品》:脱脂粉乳、加糖練乳、コーヒーミルク(乳脂肪)

バナナはカリウムが多い!?

一般的に果物類には、カリウムが多く含まれることが知られています。とりわけバナナはカリウムの含有量が約0.3%と多く、150gくらいのバナナを1本食べると、約450mgのカリウムが摂取できる計算になります。

成人が1日当たりに必要とするカリウムの量は、2,500mgくらいといわれています。つまりバナナを1本食べると、1日のカリウムの必要量の約1/5を補えることになります。また、バナナには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれていますので、健康のためにも優れた果物なのです。 ただし、果物の中では糖質を多く含んでいるほうなので、バナナを1日2本食べるとご飯1杯分のエネルギーを補給することになります。やはり食べ過ぎには注意が必要です。

カリウムを多く含む果物とは?

カリウムが豊富な果物は沢山ありますが、可食部分100g当たりのカリウム含有量ランキングトップ10は、以下のようになっています。なお、()内の数値は水分を表します。

《第1位》アボカド:720mg(71.3g) 《第2位》中国栗:560mg(44.4g) 《第3位》ドリアン:510mg(66.4g) 《第4位》日本栗:460mg(58.4g) 《第5位》ドラゴンフルーツ:350mg(85.2g) 《第6位》メロン:350mg(87.9g) 《第7位》アテモヤ:340mg(77.7g) 《第8位》キウイフルーツ(黄肉):300mg(83.2g) 《第9位》パッションフルーツ:280mg(82.0g) 《第10位》まくわうり:280mg(90.8g)

カリウムを下げる食べ物とは?

カリウムはどこに存在しているの?

地球上に棲む全ての動植物は、自然界からミネラルなどを含む栄養を摂ることによって生存しています。因みに、カリウムなどのミネラルは、無機物として広く自然界(土中や海水)に分布していますので、穀物、野菜、果物などは土中(一部は肥料として)から、家畜などの食肉は飼料から、魚介類や海藻などは海水から、それぞれ栄養の一部としてミネラルを摂取しています。

このように、人間が毎日口にしている食べ物には、量の多寡はあっても必ずミネラルが含まれています。ですから、普段の生活において極端に偏食していない限り、ミネラルの摂取に特別に注意を払う必要はありません。 要するに、人が食するものでカリウムを含まない食べ物は無いと言っても過言ではなく、逆に食べ物によってカリウムを下げるという考え方は成り立たないともいえます。体内のカリウム量を強制的に減少させるには、医師の指示に従って医薬品(利尿剤など)で治療するのが一般的であり、食べ物によってカリウムを下げることは困難であるというのが結論です。
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