カリウムを多く含む食べ物・カリウムを下げる食べ物

料理の知識

カリウム摂取量を抑制する

私たちが毎日口にしている食べ物には、カリウムを下げる食べ物はありません。しかし、食べ方を工夫することによって、カリウムの摂取量を減らすことはできます。ここではその方法について紹介します。

(1)カリウムの少ない食べ物を選ぶ 食べ物に含まれる『栄養成分表』などを参考に、元々カリウムの含有量が少ない食べ物を覚えておき、それを選んで食べる習慣を身に着けることです。因みに、成人の1日のカリウム摂取量の目安は、男性が約2,500mg、女性が約2,000mgくらいです。自分が食べている食べ物のカリウム含有量を計算して目安にして下さい。

(2)カリウムの総量を制限する これも(1)と似たようなものですが、必ずしもカリウムが少ない食べ物を選ぶのではなく、カリウム含有量が多い食べ物であっても、食べる量を計算して目安とするものです。

(3)食べ物からカリウムを取り除く 自然界に存在するカリウムは、『塩(えん)』というほぼ中性の化合物となって存在していますが、これらは水に溶けやすい性質があります。大雑把にいうと、野菜や食肉などの食べ物を水で洗い流すか、お湯で煮だすと約20~50%くらいは減ってしまいます。その後、しっかり水を切ってから食べると、元々カリウムの少ない食べ物と同じくらいになります。

カリウムを多く含む食べ物が『むくみ』を解消してくれる理由

カリウムが『むくみ』を解消する理由

塩分が高い(塩辛い)食べ物を食べると喉が渇くため水をたくさん飲みます。これは、人間が意識することなく、体内の塩分(ナトリウム)濃度を下げようとして起こる身体の正常な反応です。

食事によって身体に塩分(ナトリウム)が入って来た時、体内にカリウムが不足しているとナトリウムを排出できず、カリウムとナトリウムの濃度バランスが崩れてしまいます。それによって、体内の水分がナトリウム濃度を下げるために溜め込まれてしまい、その結果『むくみ』の症状が現れます。従って、食べ物からの塩分摂取量が適度の範囲であれば、ナトリウムとカリウムのバランスが平衡しているので、体内に水が溜まることはありません。

カリウムが不足するとどうなる

ナトリウム(塩分)を過剰に摂取し続けると、高血圧になることはよく知られています。ナトリウムを摂り過ぎた場合、カリウムが働き過剰なナトリウムを体外に排出してくれますが、それによって体内にカリウム不足が生じることがあります。そのため、食べ物によってカリウムを補うことが必要であり、カリウムの不足が常態化すると更に血圧が上昇してしまいます。

逆に、カリウムを過剰摂取するとどうなるでしょうか。一般的には、摂り過ぎても尿と一緒に排出されるので特に問題はありません。但し、腎臓の働きが弱っている人は、カリウムを上手く排出できない恐れがあるので、摂り過ぎには注意が必要です。

カリウムが豊富な食べ物が塩分を排出する理由

カリウムの98%は体内の細胞内液に分布していて、細胞外液に多く分布しているナトリウムとバランスを保っています。人が食べ物によって塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると、カリウムの利尿作用によって汗や尿と一緒にナトリウムを体外に排出する働きをします。ただ、この時、カリウムも一緒に排出されるため、毎日の食事で適度なカリウムを補充しなければなりません。

カリウムが少ない食べ物

カリウムは、自然界に存在する殆どの食べ物に含まれているミネラルです。従って、食べ物を口にすると、必然的にカリウムを摂取することになる訳です。ただ、どんな栄養素でも言えることですが、摂り過ぎても不足しても身体に障害を及ぼすことになります。特に、腎臓の働きが弱っている人はカリウムの摂取に注意が必要なので、ここでは比較的カリウムが少ない食べ物を紹介します。

カリウムが少ない穀類(100g中)

(1)白玉粉:3mg (2)うどん(ゆで):9mg (3)ごはん(精製白米):29mg (4)ビーフン(乾麺):33mg (5)そば:(34mg)

カリウムが少ない魚介類(100g中)

(1)ふかひれ:3mg (2)わかさぎ:120mg (3)たら(でんぶ):120mg (4)めざし:170mg (5)ししゃも:200mg

カリウムの少ない肉・卵類(100g中)

(1)さらしクジラ:0mg (2)うずら卵(水煮缶):28mg (3)豚足:50mg (4)ピータン:65mg (5)牛ミノ:83mg

カリウムの少ない海藻類(100g中)

(1)かんてん:1mg (2)ところてん:2mg (3)もずく:2mg (4)塩蔵わかめ(塩抜き):12mg (5)めかぶわかめ:88mg

カリウムの少ない調味料(100g中)

(1)オリーブ油:0mg (2)ごま油:0mg (3)サラダ油:0mg (4)ラード:0mg (5)ラー油:0mg

カリウムの少ない野菜(100g中)

(1)緑豆もやし:69mg (2)かいわれ大根:99mg (3)たまねぎ:150mg (4)スナップエンドウ:160mg (5)チコリ:170mg

カリウムの少ない果物(100g中)

(1)オリーブ:47mg (2)ブルーベリー:70mg (3)あけび:95mg (4)レモン:100mg (5)りんご:110mg

カリウムなどのミネラルが豊富な食べ物

ミネラルってなに?

栄養の5大要素のうち『糖質』『脂質』『タンパク質』『ビタミン』は、主に炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)など4元素で構成される『有機物』です。しかし、残り1つの要素である『ミネラル』は、それらの元素を一切含まない、単体の元素からなっている『無機物』です。

ミネラルという栄養素は人の体内で作られることがないので、基本的には日常の食事で摂取するしかありません。 因みに、厚生労働省が定めるミネラルは、亜鉛(Zn)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、セレン(Se)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)、リン(P)の13種類です。

ミネラルを多く含む食べ物(100g中)

カルシウム(Ca) カリウム(K) マグネシウム(Mg)   銅   (Cu)
ひじき 1,400mg 4,400mg  620mg
豆腐  90mg  660mg  100mg  0.62mg
インゲン 1,485mg  148mg  0.76mg
するめ 1,100mg  170mg  1.00mg

動脈硬化の予防に

カルシウムは、日本人に不足しているミネラルといわれています。カルシウムは、骨や歯の成分になることは良く知られていますが、それ以外にも血液の状態を保つ働きをしています。カルシウムが不足すると、動脈硬化や高血圧を惹き起こすことも知られています。また、精神安定の作用もあり、不足してくると怒りっぽくなったり、不安になったりします。

カルシウムを含む食べ物は、牛乳を始めとする乳製品、小魚や大豆製品などが挙げられます。カルシウムを効率的に吸収するには、乳製品などと一緒に食べると良いとされていますが、それ以外にも食酢やクエン酸を含む食べ物と一緒に食べると吸収効率が高まります。 カルシウムと共に、マグネシウムも骨や歯の材料になります。マグネシウムは、ほかにも血液の凝固やカルシウムの血管壁への沈着を予防するなどの働きがあります。
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