ジャスミン茶ってどんなお茶?
中国には数百種類といわれるお茶が存在しますが、ジャスミン茶はそれら様々なお茶とジャスミンの花を、何層にも重ねて香りづけをしたフレーバーティー「花茶」の一種です。中国では「茉莉花(モリファ)」と呼ばれ、花茶生産量の約80%を占めるほど人気のお茶です。ジャスミンの華やかでやさしい香りと、クセのないあっさり・さっぱりした味わいが魅力です。
もともとは、北京など北方の都にお茶の葉を届けるにあたり、長い運搬期間で飛んでしまうお茶の香りに対し、別の香りを楽しむために開発されたといわれます。 主な生産地は福建省で、ここで咲くジャスミンの花の香りは他よりも強くて長持ちする、といわれています。夏から晩夏、開きかけの蕾の状態でつんだ花を冷蔵し、茶葉をあわせるタイミングで温めて開花させ、香りをうつします。 最高級のジャスミン茶を100kg作るためには100kgもの花が使われますが、品質の悪いものは花の香料を吹きかけただけ、というものもあるようです。味を決める茶葉は、福建省産と四川産の緑茶が使われることが多いです。 なお、沖縄でよく見かける「さんぴん茶」もジャスミン茶の一種です。ジャスミン茶は中国語で「香片茶」(シャンピェンチャー)と呼ばれます。交易によって沖縄にもたらされた結果、「さんぴん茶」に訛ったと言われています。大学も認めたリラックス効果と抗肥満効果
ジャスミンには理気・鎮静の効能があるとされ、古くから漢方に用いられてきました。近年、京都大学と伊藤園の共同研究にて、ジャスミン茶の香りが自律神経に作用してリラックス効果をもたらすことが確認され、科学的に証明されました。
さらには、ジャスミン茶には肥満を解消する効果も見出されました。愛媛大学の発表によれば、ジャスミン茶は、 ①中性脂肪を遊離脂肪酸に変えてくれる酵素【膵リパーゼ】 ②リパーゼの働きを助けるホルモン【ノルエピネフリン】 ③ノルエピネフリンの分泌を邪魔する【油滴】
の3か所にはたらきかけ、合わせ技で脂肪を燃やしてくれるのです。この研究結果に着目し、特定保健用食品(トクホ)の商品も発売されています。株式会社伊藤園(社長:本庄八郎 本社:東京都渋谷区)の中央研究所は、京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻栄養化学研究室 との共同研究により、ジャスミン茶の香りによる自律神経系への影響を検証したところ、心拍数が低下し、副交感神経活動が亢進することを確認しました。 出典: https://www.itoen.co.jp/company/research/result/detail.ph... |
従って、ジャスミン茶投与による抗肥満効果の作用機序としては、膵リパーゼ 阻害とノルエピネフリンによる脂肪細胞での脂肪分解を促進する生理活性物質によるものと考えられた。一方、カフェインの作用点は、ホルモン感性リパーゼではなく、油滴であることが明らかになった。 出典: http://ci.nii.ac.jp/naid/110001869121 |
ジャスミン茶に含まれるカフェインの含有量
ジャスミン茶の含有カフェイン量は?<茶葉編>
ジャスミン茶の含有カフェイン量は、ベースとなるお茶、具体的にはお茶の葉の生育期間により変わります。生育期間が短い葉を使ったお茶ほど、カフェイン量が多くなります。
■生育期間が短い若葉を利用したお茶:龍井茶に代表される緑茶、銀針白毫に代表される白茶など。高級なものほど新芽を使用していますので、高級なジャスミン茶ほどカフェイン含有量は多いと考えてよいでしょう。 ■しっかりと生育した葉を使用したお茶:凍頂烏龍や鉄観音に代表される青茶など。 カフェイン量は少なめにしたいという方は、烏龍茶ベースのジャスミン茶が、脂肪分解に期待する方はカフェイン量が多めの(できれば高級な)緑茶ベースのジャスミン茶がオススメ、ということになります。では、実際のカフェイン量はどれぐらいなのでしょうか。ある海外文献によれば、ジャスミン茶の含有カフェイン量は100mlあたり29.6mgです。烏龍茶はもちろん、中国紅茶、プーアル茶など他の中国茶よりも多めです。緑茶の代表、龍井茶よりも多い結果になっています。
文献中には、ジャスミン茶と合わせた茶葉についての記載はありませんが、緑茶ベースの高級なジャスミン茶のカフェイン含有量はかなり多めであることがわかります。