サーミ人について|サーミ人の7つの特徴・先住民族

雑学

特徴3:宗教

サーミ人の宗教は、16世紀までは、森羅万象に宿っているさまざまな精霊を信じる『精霊信仰』でした。しかし、キリスト教徒の迫害などにより、現在では精霊信仰は失われてしまいました。

また、精霊信仰とともにノアイデという精霊の声がきけるシャーマンがいましたが、ノアイデは19世紀頃まで残っていました。精霊信仰とノアイデはなくなったはものの、精霊の知識や薬草の民間療法などは現代においても伝承されています。

特徴4:主な居住地域

サーミ人は、主な居住地域がラップランドですが、サーミ人は時代とともに他の国にも移住しています。この項目では、ラップランド以外のサーミ人の主な居住地域をご紹介しましょう。また、その国でのサーミ人の扱いについてもみていきます。

国1:ノールウェイ

サーミ人の居住地域として近い国であるノルウェーにもサーミ人は居住しています。ノルウェーにおいてサーミ人は、1つの先住民族としては扱われず、フィンランドの国民として扱われていました。

ノルウェーは、もともとデンマークとの連合国家でしたが、1814年にはキール条約によってノルウェーはスウェーデンの土地として割譲されました。ノルウェーも北欧国家の1つで自然が豊かなためサーミ人も住みやすいのが特徴です。

国2:スウェーデン

サーミ人はスウェーデンにも居住しています。17世紀始めのころにラップランドがスウェーデン=フィンランドの国民としてラップランドを国家として組み込んだため、サーミ人はスウェーデン=フィンランドの国民として認識されていました。

しかし、1809年にはフィンランドは分割され、フィンランド大公国になりました。スウェーデンも自然が豊かでサーミ人にとっては住みよい居住地域ともいえるでしょう。

国3:フィンランド

ムーミンの原作者であるトーベ・ヤンソンが過ごしたとされているフィンランドにも、サーミ人は住んでいます。フィンランドでのサーミ人の扱いは、1751年にフィンランドとデンマークによる国境条約が交わされた後、サーミ人はフィンランド国民として扱われるようになりました。

国境条約が交わされた後もサーミ人は、ラップランドに定住化していることがほとんどですが、他の地域に移民する人たちもこの時代には出てきました。

国4:ロシア

ロシアにもサーミ人はわずかながら居住していることもありました。1809年以降には、ロシアによる戦略でスウェーデンは降伏をした後、フレデリスクハムンの和約でフィンランドがロシア領になったため、サーミ人はロシアの支配下となりました。

また、当時のサーミ人たちはロシア領になったフィンランドのラップランドに住んでいましたが、納税を強いられていたため、課税対象外の土地に移住する人が多くなったといわれています。

国5:アメリカ

アメリカにもサーミ人は少数ですが居住しているといわれています。アメリカの女優であるレネー・ゼルウィガーは、母方の祖父母がサーミ人であることからサーミ人の孫としても有名です。

また、サーミ人の伝統であるヨイクも、その独特な歌唱法から海を超えてアメリカでは新しいの音楽スタイルとして注目されています。特に現代ではヨイクにクラブ系サウンドを取り入れるなど、遠くの国でもサーミ人は活躍しているといえるでしょう。

特徴5:食事

サーミ人の食事は、トナカイの肉を使ったソテーやマッシュポテト、キノコのスープなど、フィンランドやデンマークなどの食事とあまり変わりはありません。また、トナカイとともに生きている民族ですので、週に2~3回はトナカイの肉を食べるという人も多いといわれています。

また、ジビエ料理やマッシュポテトなどの食事だけでなく、ブルーベリーパイやブルーベリージュースなどを作り、家族みんなでお茶会をすることもあります。

特徴6:音楽 ヨイク

サーミ人は音楽も有名で、ヨイクという無伴奏の即興歌をつくりあげます。ヨイクはもともと精霊信仰の時にいたシャーマンが精霊たちの声を聴くために歌っていった歌といわれています。

また、ヨイクには歌詞がなく、メロディーやリズムのみで構成されているため、対象の物によってリズムやメロディーを変えていたとされています。現在でもヨイクは歌われており、フィンランドのフェスティバルなどで披露されるのが定番となりました。
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