アルコールが分解される仕組み
アドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促し、幸福感を感じさせてくれるアルコールですが、皆さんはそんなアルコールが吸収され、分解される仕組みをご存知ですか。
お酒を飲むと、アルコールは約20%が胃で、約80%が小腸で吸収されて血液に溶け込み、肝臓に運ばれていきます。アルコールを分解するには時間を要するため、その間にアルコールが脳に到達し、脳を麻痺させて酔った状態を作ります。90%は肝臓で処理
アルコールが吸収されると、真っ先に肝臓へ送られていきます。アルコールは、アルコール脱水素酵素の働きによって、まずアセトアルデヒドという、動悸や頭痛、吐き気などを引き起こす有害物質に分解されます。
その後、アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素の働きによって無害な酢酸へと変化し、その結果、吐き気などは治まってくるわけですが、肝臓で分解しきれない量のアルコールは心臓に送られ、脳や全身へ巡っていきます。10%は汗・尿で排出
肝臓でできた酢酸は、血液により全身へ巡り、水と炭酸ガスに分解され、最終的には汗や尿、呼気中に含まれて体外へ排出されます。体内で処理されないまま、尿や汗、呼気などから直接体外に排出されるアルコールもありますが、摂取されたアルコールの10%以内とされています。
飲酒後、お酒を抜くために運動をしたり、サウナに行ったりする人がいますが、抜けるのは水分で、アルコールはほとんど体内から抜けません。アルコールの分解時間
それでは皆さん、アルコールの分解時間をご存知でしょうか。ビールを何本飲もうが、5〜6時間経てば体からアルコールは抜けると勘違いしている人も多いのではないでしょうか。あるいは、少し横になって休めばもう運転できると思ってはいませんか。
誤った認識は、重大な事故を引き起こしかねません。そこで今回は、アルコールの分解時間について詳しく紹介していきます。目安
アルコールの分解時間は体重や摂取した量によって変化しますが、目安としては体重が50〜60kgの場合、350mlのビール缶2本で4.5~5.5時間、日本酒1合で3~4時間、焼酎グラス半分で3~4時間、ワイングラス1杯で約2時間かかります。
ちなみに、大雑把に言うとお酒は2倍飲めばアルコールが抜ける時間は、ほぼ2倍かかることになります。従って、ビール缶を4本の飲んでしまえば5〜6時間では分解されません。ビール1本
お酒と言ったらビールを飲む人も多いのではないでしょうか。アルコール度数が4%〜5.5%程度のビールは、ビール瓶1、2本飲んだとしてもほろ酔い程度で、すぐ抜けると思ってしまいがちです。
しかし、仮に成人男性がビールからアルコールを摂取した場合血中アルコール濃度が正常値に下がるまでにはビール瓶1本で約2~3時間かかります。ちょこっと休んだくらいではアルコールは抜けないので飲酒運転には十分注意しましょう。ビール2本
先述したように、お酒は2倍飲めばアルコールが分解されるまでの時間も2倍となり、3倍飲めば時間も3倍掛かります。つまり、ビール瓶を2本飲めば、分解されるまでの時間は約4~6時間程度です。深夜にビール瓶2本以上のお酒を飲んでしまった場合は、翌午前中の運転は控えた方が賢明でしょう。
これまで紹介した時間はあくまで目安ですが、お酒のアルコールが分解されるまでの時間は、計算式でより正確に求めることが可能です。