ドMな性格の人の特徴・性格
ミステリアスなドMの人達
あなたの周りに、「この人ドMだな。」と明らかに感じられる人が、思い当たりますか?実際のところ人間というのは、回りの人とカラーが違い過ぎる特質は隠したがるものです。社会的な動物である人間は、和を乱すこと、周りから浮いてしまうことを自然に恐れるからです。
ですので深く、そして長い時間付き合った人からでないと、その人の性癖の深いところまでは見えてこないでしょう。そしてそもそも、ドMの人、Mの中のMの人などと言ったら、そもそも絶対数が少ない人達です。彼・彼女らの本質まで観察できる機会自体が限られてきます。だからこそ、M属性のない人からみると、彼らの生態や、本当に頭の中で考えていることって、ミステリアスな感じで気になりますよね。 この記事では、ドMの人というのを、「普通のMをさらにこじらせてしまった人たち」と定義し、そんなドMの人の特徴について心理的に深く掘り下げてみました。もし、あなたの周りにドMではないかと思われる人がいるなら 彼・彼女らとの上手な付き合い方を考える上で、この記事がお役に立てるでしょう。まずM気質ってどんな人たち?
Mの人達と接してみると、表面的にはどのような印象を受けるでしょうか?礼儀正しい、気が利く、良い人そうという印象を受けることが多いでしょう。また、Mの人達は自分自身には厳しくても、他人に攻撃的な態度を取りたがりません。もっとも、そんな長所を褒めても、謙遜して全力で否定するだけです。
実際、Mの人達は、優しい、健気、愛すべき人達いう印象を与えるものなんです。さてもう少し観察すると、一般的なM寄り体質の人の特徴が観察できます。それは、痛いことや苦しいことを経験しているのに、逆に楽しそうに見える、ということ、そしてそんな苦しい経験を自ら求めているようにすら思えるということです。Mの人も元は普通だった
しかし、そんなM気質の人達、ただ単純に痛みや苦しみを気持ちいいと感じているのでしょうか?例えばMの人は生まれながらに、例えば身体をぶつけた時の痛みをそのまま快楽に感じられるような身体を持って生まれてきたと言えるでしょうか?そうではありません。Mの人達も根本的には同じ人間ですから、苦しいものを基本的には不快と感じていることは、普通の人と変わらないのです。
Mの人が痛みや苦しみをよろこぶ理由、それは、苦しい思いを乗り越えた先に、がんばった分の成果が得られるという観念を持っているため、苦しい=楽しいと頭の中での変換がされているのです。この頭の中での変換は、努力とそれに続く成功体験を人生の中で重ねる内に、だんだんと習慣になったものです。つまり、社会の中で生きていく中で後天的に、M気質は形成されていくものなんです。後々Mになる性格的な素質を持って生まれてくるという言い方はできますが、幼少期からすでにM気質な子、というのは考えづらいです。M気質をこじらせると?ドMの域とは
さあ、しかしここまでなら普通のM、周りにも良く見られる程度のMです。M気質をさらにこじらせていくと、人間はどのようになるのでしょうか。ドMとはどんな人達なのでしょう。
それは、この苦しいことを求める気持ちが、頼りの域までいってしまっている人達ということができます。アルコールやギャンブル、その他の悦びに頼るというであれば、わかりやすいですが、苦しいことにる頼るって不思議に思えますよね。頼りなんて言い方をすると、彼らを異常な人達と捉える誤解を与えてしまうかも知れません。しかし、そのような状態になることも、納得できる理由があるのです。見えないゴールに向かって…
その理由とは自分の中で「理想」をつくりあげてしまっているということなんです。この高い理想に辿りつけないのは苦しいのですが、しかし同時にこの理想が自分の人生における絶対的なものや、生きていくための救いになっているために、頼るような状態が作り出されるというわけです。ドMの人達の持つ理想は、半端なものではありません。永遠に辿りつけないような地平線のような高い理想を自分の中に持っています。そしてそんなゴールを目指して一心不乱に頑張りだしたら、立派なドMの仲間入りです。
例を挙げてみましょう。オリンピックの金メダルを取ること。南国のパラダイスに豪邸を建てること。高嶺の花のあの人と結婚すること。ドMの人達はこのような理想の何かを心に持って場合が多いです。理想の投影
また、同じような心理で、ドMの人が高確率でしていることがあります。それは、「理想の投影」です。自分の中で完璧な人間像を作り出して、その理想の姿を誰かに投影します。現実に生きている人とは限りません。既にこの世にはいない歴史上の人物だったり、アニメなどのフィクションのキャラクターだったりすることもあります。最も多いのは、アスリートやアーティストなど、カリスマ性のある人を、熱狂的に崇拝するパターンです。
アイドルファン
アイドルのおっかけというのも、ドMの属性が強い行動です。そもそもアイドルという言葉自体が偶像という意味です。某4○グループなどのアイドルファンなどはドMの人が多いと言えます。
ほんの数十秒目当てのアイドルの子に会うために握手会に並ぶ、アイドルの人気投票の票数を支えるためにCDを何枚も購入するといったことができるのは、労力と見返りの釣り合いがないのに、奉仕することにかえって喜びを感じるような心理があるのです。Mの素質を持っていなければなかなか出来ないことと言えます。 アイドルを含めた、人物への理想の投影ですが、これらの対象は、手が届かなければ届かないほど、ドMの人達にとってより魅力的になります。むしろ、なにかの偶然で崇拝の対象とプライベートで近づけるようになってしまったら、たちまちその魅力の大半は失われてしまうでしょう。偶像のままであることが重要なのです。 しかし、理想の状況や理想の人物のように、ドMの人達が自分の中で理想を作り出すのには、どのような心理的な過程があるのでしょうか。この後さらに詳しく見ていきましょう。ドMな人の心理
ドMの人達の潜在意識
ドMの人達の心理を、さらに深く見てみましょう。ドMの人は謙虚に振る舞うことができるので、一見自己評価が低そうに見えます。実際、ドMの人自身も、自分を低評価していると頭では思っています。しかし、本当の心の中では違います。人間の心理というのはとても複雑に出来ています。自分の表面的な部分で思い込んでいる意識と、もっと心の奥深くで思い込んでいる意識が、一致していないことが多いのです。この表面に現われていない心の奥の意識を「潜在意識」や「無意識」と呼びます。
実はドMの人達は、心の奥で理想が高くストイックな人が多いのです。ドMの人達は頻繁に自虐的な発言をするのでプライドがないのかと勘違いしてしまいがちですが、そうではなく、むしろ隠し持ったプライドは高いのです。しかし、プライドが傷つくことを極度に恐れてもいます。自分を守るバリアのような発言を繰り返しているのです。ドMでいたほうが楽?
さらにドMの人達の特徴ですが、彼・彼女たちの感性はかなり繊細で、傷つきやすいです。しかし、私たちの生きているこの社会は、少なからずしがらみや競争があり、時として残酷な現実を突き付けてくるように思えます。そんな繊細な感性の人達が何の防御手段も持たずにいたら、とても心が持たないでしょう。そこでまず、厳しい現実とは対極にある、純粋で希望にあふれたものの象徴として、上で書いた理想の投影を作り出します。そしてそれに向かって努力する、ということを始めるわけです。そしてその対象から比べると、現実の自分はなさけない存在と、ドMの人達は考えます。
しかし苦しんで努力することで、少なくともこれ以上理想から離れてしまうことは避けられると考えることができますし、少しでもその対象に近づいているという感覚を持つこともできます。また、理想の対象が現実に存在するようなものであれば、その対象に服従することで、その対象と同じ領域に属している、と考えることもできるわけです。 人間には欠けたところがあって当然なのですが、ドMの人達は、自分にはまだまだ努力が足りない、その理想に到達できないのは現状の自分が悪いからと考えます。しかし同時に、その理想を胸に秘めている自分に誇りを感じてもいます。このようにプライドと劣等感はコインの裏表のような切り離せない関係にあるのです。 もっと苦しまなければ、がんばらなければ、認めてもらえない、幸せになれない。むしろ、苦しんでいるほうが安心できる。幸せだと逆に不安になってしまう。このような過程を経た結果、ついにドMの人は苦しみを自ら求めるようになります。例えるなら、厳しい修行で身体を痛めつける修行僧のような心理状態になっているのです。やはり幸せになりたいとか、認めてもらいたいという意味では普通の人と一緒なのですが、理想が高いので、なかなか満足することは出来ないのです。日本人にはMが多い?
ドMの人達の特徴をご説明してきましたが、いったんそれほどのレベルではない一般的なM気質に戻ってお話しすると、我々日本人にはM気質の人が比較的多いということができます。これを読んでいるあなたも、自分もMかも知れないと、少し当てはまることが多いのではないでしょうか。そんな人は自分を知る上でこの記事が参考になるでしょう。生活環境がだいぶ欧米化し、欧米文化の影響を受けて長らく経っても、日本人の根本的な性質が変わったようには観察できないですから、生まれ持った民族的性質なのでしょう。
さて、そんなM民族の日本人はいい面からみれば、ワビサビや情緒を感じ取れる繊細な感受性を持っている民族だと言えるでしょう。しかし悪い見方をすると、自立する心がなかったり、自分に正直になることを恐れたりしてしまうなどデメリットもあると言えます。逆に欧米の方々はどちらかというとS気質です。基本的に自分に正直ですし、自分に非があろうとなかろうと、自分の立場の優位性を守るために主張するのがあちらのスタンダードです。また日本人のように婉曲でなくストレートなものの言い方をします。 このようにSとM、どちらが良い悪いではなく、あまりどちらかに極端にかたよってしまうと、共存していく上で不和が生じてしまいますし、異なる性質を認め合うことが必要でしょう。ドMも行き過ぎると…
働くことに依存してしまうという意味のワーカホリックという言葉が有ります。近頃でも、会社の新人社員の方が過労で命を絶ってしまったという痛ましいニュースがありました。残念ながら、こういった状況に追い込まれてしまうといった出来事は、M体質の国家である日本において、諸外国よりも起こりやすい傾向があることは事実でしょう。苦しいことに依存する心理も、行き過ぎれば心や体に限界がきてしまうことがあります。
ドMの人達はそもそも感じやすい人達ですので、ストレスのある状況に自ら居たがる傾向を持っているにもかかわらず、ストレス耐性はそれほど高くないのです。楽しそうに仕事に集中している間はいいのですが、もっと働かなければという観念に取りつかれ身体を壊さないように気を付けましょう。SとMの関係性は?
ドMの「M」の由来は?
19世紀のオーストリアの作家ザッヘル・マゾッホの名前が「マゾヒズム」という言葉の由来になっています。MはマゾヒズムのMです。
代表作に『毛皮を着たヴィーナス』などがあります。彼の作品の中で、交際した男女が敢えて主従関係を結び、その関係の中で虐げられる側が快楽を覚えるような倒錯した感情を描写し、それは文学史上でも斬新なことでした。彼の作品は、そのような倒錯を詳細に観察するきっかけを与えたと言えるでしょう。 ちなみにSも作家マルキ・ド・サドの名前が由来になっています。