ドMな性格の人の特徴・性格・心理・あなたのタイプを診断

ここで、ドMの人を相対的によく理解できるようになるためにも、S気質の人の特徴にも軽く触れておきましょう。

感受性が豊かな人が多いため、他人から感情的な影響を受けやすく劣等感、罪悪感を感じてしまいがちなMと比べて、Sはどちらかというと感情よりも理屈が先に立つ人が多いです。頭の良い人という印象を与えるのもSの人に多いでしょう。 Sの人は合理的なので、仮に自分に過失があるような場合でも、罪悪感に浸るようなことは無駄なことだと思っています。そして、その理論的に自己を弁護することや、相手を論破することも上手なので、Sの人と口ゲンカして勝つことはとても難しいでしょう。まとめると、Sの人は感情的に揺れることが少ないため、総じてメンタルの強い人、ということが出来ます。

では、Sの人と比べてMの人は頭を使わないと誤解を与えてしまうかも知れませんが、決してそういうわけではありません。Sの人とMの人の違いは、理屈が先に来るか感性が先に来るか、の違いなのです。

例えば自分に非があるような状況に陥ったとしましょう。理屈だけで考れば　自分を許してあげた方が精神衛生上良いですし、余計な罪悪感を感じて思い悩むのは、ある意味非合理的なわけです。 情を差しはさまないで理屈だけで突き詰めると、所詮この世の中は弱肉強食の世界なのだから、法律に触れて罰を受けるなどの不自由を被らないかぎり、何でも許されているという考えに行きつくことができます。自分にとって良いことが正義であり、理屈先行、理屈を振りかざす、Sの人の考え方を極端まで推し進めるとこのようになります。 これと違い、Mの人の思考を動かしているのは、単に理屈ではありません。むしろ、この場合は罪悪感のような感情が先なのです。 そして、その感情に反射して考えるという順序なのです。感情が考えを引っ張っていくため、自分では考え過ぎるのは不合理だと思っていても、なかなか考えるのはやめられない、というような状態に、ドMの人は陥りやすいです。考えても答えの出ない問題を考えて続けているのです。 そしてそんな考え過ぎから逃れるために、行動の面ではさらに苦しいことに身を投じていくのです。生存競争では、攻撃こそ最大の防御であるというのがドSの人なら　他人を攻撃するには優しすぎるので、自分を攻撃している状態がドMの人、というわけです。

SM（サディズムとマゾヒズム）という言葉から、この２つがセットであるという印象を受けるため履き違えがちですが、意外にも実際のドMの人は単なるドSの人とは相性が良くない場合が多いです。SMのプレイを思い浮かべてみて下さい。女王様がいるような、そういうお店のイメージがありますよね。

あのようなお店で繰り広げられているのは、あくまでプレイです。プレイの中において、いじめる側の女王様といじめられる子分の役割が割り振られているだけです。あの女王様は、上で書かせて頂いた理想の投影された存在を表しており、決して傍若無人なドSというだけの存在ではありません。 女王様はいきなり偉そうにしているわけではなく、身分の差ができるようなそれまでの経緯があって、そのような主従関係が生まれたという「設定」なわけです。 完璧な存在である女王様は、理屈を押し付けてくるだけであったり、感受性の足りないSではありません。完璧であるがゆえに、女王様はちゃんとドMの気持ちまで理解してくれている設定になっています。 そしてその上で、未熟なドMを調教してくれ、よい子にできればご褒美をくれるような、そんな存在なのです。本当のドSの人にはドMの人の気持ちは火星人の気持ちと同じくらい理解不可能なものです。

そんな女王様はわかりやすい言葉で言えば「ツンデレ」そのものの存在です。ドMの人達ほどツンデレに弱い人種はいません。日本人はM気質が多いと先ほど書かせて頂きましたが、この国でツンデレブームが起きたこともうなづけます。

ドMの人は、自信がある人や強い人に惹かれる傾向があります。そしてそんな人から、いきなりSっ気を出されるのではなく、むしろ先に優しい側面をみせられ、その後で厳しくされることに弱いのです。自分より優れていると思う人を理想の人に仕立てて、その人から冷たくされたり、痛みを与えられるとますますその相手にはまってしまうという心理です。 ドMの人からすると、いきなりSっ気を出してくる相手は、わがままで、人の気持ちのわからない幼稚な人だと捉えられてしまうことでしょう。 このように、ドSとドMは月とスッポン、水と油のような関係です。この両者が実際出会っても、引き合うよりもむしろ、全く噛み合わない確率が高いということを、覚えておいた方がいいでしょう。

ここまでにご説明した大まかなドMの人達の性格から、さらに細かい特徴へと進んで見てみましょう。特徴を把握できれば、ドMの人達を見分けることも出来るようになるでしょう。

動揺するような状況になると人間は本性が出やすいです。もし観察対象の人がそのような状況に出くわしているのを見つけたら、そのときのリアクションで人となりがわかるチャンスです。例えば誰かに急にびっくりさせられたとしましょう。Sの人は怒り出しますが、ドMの人は驚きはしますが、同時にいじられたことに嬉しそうにします。

理想の高さを隠し持っているドMの人は、ファッション、アートなどにおいてもハイセンスなものに知識が深いです。さり気なく持っている小物などをチェックしてみましょう。おしゃれなアイテムで統一されていたりしたらドMの人の可能性があります。

しかし、このさり気なくというのはポイントです。ブランド名などを見せびらかしたりするのはどちらかというとSの人達ですが、ドMの人達は例えばファッションならブランド名よりもデザインの良さに徹底的にこだわる人達です。

胸に高い理想を秘めているドMの人は、突如として、熱くその理想を語り始めたりします。普段の温厚でそつのないイメージに慣れている人は、そのギャップにショックを受けるでしょう。自分が応援しているスポーツ選手の話題になったときなどに見られやすいです。

また、ドMの人は自分がけなされることには耐性がありますが、自分の崇拝している対象の悪口を言われると、急に豹変して怒り出す場合がありますので注意が必要です。

ドMの人は、同じドMの人達とつるんだ場合、そのグループの中ではS的ポジションを演じている場合があります。

これは、M同士ではいじられることをよろこぶ人間が多いため、敢えてSの役割をする人がいたほうが、グループ内のコミュニケーションが円滑になるためです。外側からぱっと行動を観察しただけでは、その振る舞いからドMの人をSと間違えてしまう危険があるため、注意しましょう。

そもそもドMの人は感受性が強く、他人に対しては良い人が多いので、友達として普通に付き合っていく分には何も問題は感じないでしょう。空気を読もうとし過ぎる面があるので、もっとフランクな関係になりたいという人は、少しそこに疲れてしまうかも知れませんが。

そのような場合ドMの友達と打ち解けるには、彼らの短所や気にしていることをネタにしていじってあげれば、ドMの人は嬉しそうだからいいだろうと思われるかもしれませんが、安易にそのようなことをするのはオススメしません。