万引きは重罪
お店の物をお金を払わずに無断で持ち去る行為である万引きは「窃盗罪」にあたります。 被害額も低く検挙率もあまり高くないため、軽犯罪だと捉えられがちですが、刑罰(10年以下の懲役、50万以下の罰金)が与えられる立派な犯罪です。
万引き被害は、2002年をピークに減少傾向ではありますが、現在でも年間被害額4千億円以上と言われており、店舗縮小、場合によっては倒産に追い込まれるケースも少なくありません。 「見つからなければ大丈夫」「見つかっても許してもらえるだろう」と軽い気持ちで万引きに手を染める人もいますが、自分の人生だけではなく被害者の人生も大きく狂わせる重罪だという意識を持ちましょう。万引犯の特徴
かつては、少年犯罪のイメージが強く、実際に未成年者による万引きが大多数でしたが、今では高齢者がその数を大幅に上回り、万引犯は65歳以上のお年寄りが半数以上を占めています。また、近年の万引犯の特徴として、ネットショップやフリマアプリなどで商品を転売するために組織で万引きする窃盗団が増加していることが挙げられます。
高齢者万引犯の特徴
ここ数年で、高齢者万引犯の数が一気に膨れ上がりました。高齢化社会が原因の一つではありますが、それだけでは片づけられないほど増加の一途を辿っています。貧困が根底にある場合もありますが、高齢者万引犯の最も特徴的なところは、お金は持っているのに犯行に及ぶ人が多いという点です。
高齢者万引犯たちの多くは、一人暮らしで身寄りもおらずご近所付き合いもなく孤立している傾向が強く、社会から忘れ去られた存在となり誰からも必要とされず、話し相手すらいない、そんな自分に生きている意味が見出せないのです。 社会とつながっていたいという欲求・スリル・刺激といった生きている実感、孤独によるストレス、不安感の発散、そういった感情から無意識のうちに万引きへとのめり込みます。未成年万引犯の特徴
未成年者による万引き自体は減少してきてはいますが、現在でも少年犯罪の中では断トツトップの検挙率です。小学校低学年以下の頃は、単純な物欲から自分の欲しいものを盗んでしまいますが、思春期以降になると、はっきりと自分が悪いことをしているという意識もありながら万引きに手を染めてしまいます。
思春期特有の好奇心や悪ぶりたい心理も影響して、ほんの出来心から悪の道へ踏み入ってしまいます。犯行のきっかけは「仲間外れにされるから」という理由も多く、いじめや非行の延長に万引きがあることが窺えます。また、一度万引きしてしまうと独特のスリルにハマってしまい、ゲーム感覚で繰り返してしまう子が多いのも未成年万引犯の特徴と言えます。 家庭環境に問題を抱えていて、愛情不足から無意識のうちに親の目を引くため、寂しさやストレス発散のために犯行に及んでしまう深刻なケースもあります。