生活保護の上限貯金額・貯金を隠すとどうなる?調査される?
生活保護の人の貯金の上限貯金額は?
貯金の上限額の目安は?
厚生労働省が発刊している生活保護手帳別冊問答集の補追部分、新設・改正・削除問答一覧のP.4に平成14年に新設された次のような問答が記載されています。
日常生活に必要な物品については、本来経常的な生活費の範囲内で、計画的に購入すべきである。冷蔵庫、電子レンジ等の保護受給中に保有が容認される物品を保護開始時に保有していなければ、一時扶助の支給基準である「最低生活に必要な物品を欠いていると認められる場合であって、それらの物資を支給しなければならない緊急やむを得ない場合」に該当するか否かを個々の世帯の状況に応じて判断し、その結果、必要性及び緊急性が認められる場合には家具什器費を認定して差し支えない。なお、必要性及び緊急性が認められない場合には経常的な生活費の中から順次購入していけば足りるものであり、家具什器費を認定することは適当でない。
つまり、家具や家電などが壊れたら日々の生活費のなかから工面して購入しなさい、生活保護費を毎月積み立てて貯金して将来に備えなさい、と制度自体がすすめているのです。
その貯金の上限金額は、おおむね生活保護基準、最低生活費の6ヵ月以内とされています。15万円の最低生活費であれば、6ヵ月分の90万円が上限の目安になります。 それ以上の預貯金があると、家電製品などを購入して減らすようにというような指導を受けますが、守られない場合は最終的に生活保護の停止という処分になります。この停止処分は6ヵ月ほど続きます。つまり、6ヶ月分の生活費があると生活保護の停止処分になる可能性が高いということです。貯金の目的の条件は?
貯金することは認められているのですが、その貯金の目的についても条件があって調査されることになります。「自立助長の観点から生活保護の趣旨目的に反しない貯金であること」という条件が付いています。自立助長の観点というのは、自立して生活を送るための健全な目的の貯金であれば良いということになります。
ギャンブルで勝負するための資金を貯めるとか、キャバクラで遊びたいために貯めているというような貯金は認められません。家電の買い替えのためとか、子供の学費のためなどの理由の貯金であれば何の問題もありません。 2014年に厚生労働省は、生活保護受給世帯の高校生のアルバイト収入を生活保護費の減額対象となる収入としないで、貯金することを積極的に認める方針を固めました。生活保護受給世帯の子供が、成人しても困窮からなかなか抜け出せない「貧困の連鎖」を断ち切るのを目的とした方針ということです。生活保護で貯金を隠すとどうなる?
生活保護を受給中の貯金を隠していた場合、それが発覚すれば当然のことですが処罰の対象になります。生活保護の受給審査時はもちろん受給中も1年に1回、貯金についての厳しい調査がありますので、隠すこと自体なかなか難しいことです。
隠していることが発覚した場合は、調査していたケースワーカーなどに対して虚偽の申告をしていたのと同じことですから、処罰があってしかるべきことです。