人身事故の罰金の目安と義務|死亡事故/重症事故/軽傷事故
罰金は任意保険から賄える?
罰金を支払うための任意保険はありません。任意保険は、事故の負傷者への補償や車両の修理代などの補償、被害者への損害賠償を補償する保険です。罰金はご自分で工面しましょう。
罰金が払えない場合は?
罰金がどうしても払えない場合は、1日5,000円として換算された期間、労役場に留置されることとなります。ですが、罰金が払えないからといってすぐに労役場に留置されるわけではありません。罰金の納付通知をしている検察庁の納付事務担当者に事情を話し、相談してみると良いでしょう。
人身事故の罰金刑も前科がつく?
人身事故によって、起訴され裁判の判決で、罰金刑となった場合は、前科がつきます。人身事故で、被害者が軽傷であった場合、逮捕されないことがあります。逮捕されていないため、前科は付かないと考えがちですが、起訴されれば、犯罪を犯したこととなるため、前科が付いてしまいます。
罰金刑や懲役刑、禁固刑などの刑事処分を受け、前科が付いた場合、警察官はもちろんのこと、医者や教師、公務員にもなれないなど、職業の選択が制限されます。車を運転する以上、人身事故を起こす可能性は、少なからずあります。 近年は、携帯電話使用による脇見運転が多いです。それに伴っての人身事故も多発しています。このようなほんの一瞬の出来事で、人生はがらりと変わります。車を運転する際には、交通違反なく、常に安全運転をするよう心がけましょう。人身事故を起こした時に行うこと
人身事故を起こした場合、まず最初に行うことは、負傷者の救護です。次に交通事故の二次被害を防ぐため、事故車両を安全な場所に移動しましょう。安全な場所の確保が難しい場合は、周囲の車に事故の発生を知ってもらえるよう、停止表示器を置いたり、ハザードランプの点滅などをして、後続車が追突しないように対策をしましょう。
上記のことを行ってから、警察に連絡をします。交通事故を起こしてしまった場合、警察へ通報をしなければなりません。意外と知らない方が多いですが、これは義務となっています。通報をしなかった場合は、加害者に5万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役が科せられます。気をつけておきましょう。警察に報告する内容
警察に報告する内容は以下の5項目です。
・事故発生の場所と時間 ・死傷者の人数と負傷者の容態 ・損壊したもの、損壊の度合い ・その交通事故に関わっている車両の積載物 ・その事故で行った措置
これらを把握して警察に連絡を入れるようにしましょう。人身事故時にしておくと良い行動
事故状況の証拠収集をしておくと、後で役に立つことがあります。携帯電話でも構わないので、現場の状況を撮影しておくと良いでしょう。事故を目撃している方がいれば、その方の名前、連絡先、住所などを聞いておくことも大事です。
その場で示談はしないようにしましょう
人身事故現場で、示談など、当者間で解決しようとする方がいますが、絶対にやめましょう。そもそも警察に通報をしなければ、報告義務違反となります。後のトラブルの原因にもなりかねません。
示談(損害賠償)
被害者との示談交渉は、保険会社の担当者の方がしてくれます。被害者の怪我の治療が完了した段階で、損害賠償額が確定します。被害者の方に後遺障害が残った場合は、これ以上症状が変わらないという時点で、示談交渉となります。
損害賠償は自賠責保険だけでは賄えない
自賠責保険は、車を運転する人は必ず加入しないといけない、強制保険です。これに加入していないと違反点数6点が累積され、免許停止処分となります。また刑事処分もあり、50万円以下の罰金、または1年以下懲役が科せられます。
自賠責保険の補償内容
自賠責保険は、人身事故の損害賠償のみが補償対象となります。補償内容は以下のとおりです。
・人身事故により、被害者が死亡した場合の損害補償 最高3,000万円 ・人身事故により、被害者に後遺障害がある場合の損害補償 最高4,000万円 ・傷害による損害補償 最高120万円
人身事故の損害賠償額
損害賠償とは、入院時にかかった費用、診断書代、休業損害、事故がなければ得られた逸失利益(昇格やボーナス)、慰謝料のことをいいます。人身事故によって、被害者に後遺障害があった場合は、それに対しての慰謝料が追加されます。
人身事故によって、被害者が死亡した場合は、被害者が将来得られたであろう収入も損害賠償されます。またこの場合、自賠責基準でも慰謝料が350万円となります。被害者死亡の場合慰謝料は算定基準によって異なります。