男女差別とは?
新聞やニュースなどでもよく耳にする「男女差別」。男女差別とは、性別にもとづいて男性を厚遇し、女性を不当に扱うという性差別のことを意味します。似たような言葉として、男尊女卑という言葉が挙げられます。
最近ではハリウッドに端を発する「Me Too運動」などによって、男女差別に対する意識が高まり、その根絶に向けたムーブメントが世界的に大きくなってきています。今まで等閑視されていた男女差別がようやく「問題」として受け止められるようになったと言えるでしょう。男女差別の問題は男性には関係がない?
自分が男性だからと言って、男女差別に無関心でいてもよいというわけでは決してありません。男女差別を見て見ぬふりすることは、自分の母親や妻、娘や女友達が性別を理由に不当に扱われるのを黙認することにつながるからです。
また、男女差別は性差にもとづいたイメージの押しつけにもとづいています。「女なら家事をすべき」「女なら黙って男に従うべき」という「女性らしさ」が女性たちに強要される一方で、男性たちに対しても「男なら働くべき」「男なら悲しいことがあっても泣いてはいけない」といった「男らしさ」が強要されます。男性も関心をもとう!
男女差別は女性だけでなく、男性にとっても社会を生きにくいものにしています。「女性らしさ」「男性らしさ」の押しつけは、女性だけでなく男性が自分らしく自由に生きる道を奪ってしまいます。
男女差別の解消に取り組むことは、決して女性のためだけの問題ではありません。男女差別がなくなれば、固定的な「女性らしさ」「男らしさ」から解放され、男性はより多様な生き方を選べるようになります。 男女平等が実現されれば、女性だけでなく男性にとっても生きやすい社会が実現すると言えるでしょう。男女差別の例
先進国の中で、日本は最も男女差別が深刻な国であるというのは有名な話です。
私たちが気づかないだけで、海外の人からすると「どうしていまだにこんなことが」と疑問に感じるような男女差別が至る所に存在しています。 以下では、日本や世界における男女差別の事例をご紹介していきます。日本における男女差別の例
日本では、「男性が外で働き、女性は家に留まり夫や子供の世話をするものだ」「女性は男性に従うべきだ」という男女差別の考えが社会に根強くあります。
そのため、他の先進諸国と比べると女性の社会進出がかなり遅れています。先進国の中でも日本は、女性の国会議員や女性の管理職の割合が圧倒的に少なく、出産や結婚をすればキャリアを諦めなければならない環境に置かれています。 また、最近では共働きの家庭も多くなってきましたが、仕事と家庭の両立を求められるのは女性だけです。 ハリウッド女優のケイト・ブランシェットは、インタビューの中で、女優として働きながら母親としてどのように仕事とプライベートを両立しているのかという質問を受けた時、「男性ならばそのような質問はされない。なぜ女性にだけ仕事と家庭の両立を求めるのか」と答え、社会が女性に過度なプレッシャーをかけられていることを鋭く指摘しています。男女差別は家庭内にも?
「イクメン」という言葉がもてはやされていることも、日本社会に根強い男女差別を反映していると言えるでしょう。子供は夫と妻の二人の間に生まれた大切な存在です。父親も母親も、子供に対して同等の義務と権利を有しています。
それにも関わらず、子育てはもっぱら母親の仕事とされ、父親は育児に「参加」するという表現がなされるように、補助的な存在とみなされています。 父親が育児をすることは親として当然のことなのに、「育児に協力的である」と、まるでボランティアであるかのように称賛されるのは、家事・育児や女性だけの仕事であるという男女差別の考えが根底にあるからだと言えます。アメリカにおける男女差別の例
男女平等という点では日本よりも進んでいるように思われがちなアメリカにおいても、男女差別はいまだ解消されておらず、社会的な問題となっています。
日本ほどではありませんが、政界や管理職における女性の割合は少なく、男性と同じ能力を有していても、女性が出世するチャンスは男性と比べると圧倒的に少ないままです。 職場におけるこのような男女差別の構造は、しばしば「ガラスの天井」と表現されています。頭の上に、まるで見えないガラスの天井があるかのように、女性の出世を阻むからです。ハリウッド発のフェミニズム運動
アメリカ社会に蔓延する男女差別を解消しようと、最近ハリウッド女優たちが団結して声を上げ始めています。
そのおかげで、映画俳優・女優の間の賃金格差が問題視されるようになりました。同じ主役級を演じていても、俳優には高いギャラが支払われるのに、女優にはその半分以下しか支払われていないケースが続々と発覚したからです。