男女差別の例・現状と歴史・解決方法・作文のテーマ|日本/職場

社会問題
このような男女間の賃金格差は、「男性が働いて女性を養う」「女性は補助的な労働者にすぎない」という、伝統的な性別役割分担の意識にもとづいており、映画界だけでなく広く社会に広く存在しています。 女優たちの告発に対して、同僚である多くの俳優たちも賛同し、彼女たちとともに男女差別の解消のために行動しています。 ハリウッドスターが声を上げ始めたことで、世間も問題を認識するようになり、社会全体でこのような男女差別に対する取り組んでいかなければいけない、という意識が高まりつつあります。

男女差別の現状

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家庭や職場など、私たちの日常生活の至るところに男女差別の構造が存在しています。しかし、多くの人にとって、男女差別に遭遇したり、それを意識したりするようになるのは社会人になってからでしょう。

以下では、職場における男女差別の現状をご紹介していきます。

職場における男女差別

男性と女性とではキャリアアップのチャンスに大きな差があります。多くの職場では、男性の管理職が圧倒的に多く、会社の文化や雰囲気も男性が生み出し、管理するホモソーシャルな場となっています。

そのため、同じ能力を有していたとしても、性別が異なるだけで男性はより大きな仕事を任され、逆に女性は男性社員の補助的な仕事を回される傾向が強くあります。

飲み会での男女差別

会社の飲み会のようなシーンでも、無意識的な男女差別が行わています。男女差別の根強い職場では、女性は「男性社員と同じ仲間」や「一人前の労働者」としてではなく、「男性のサポート的存在」や「男性をもてなす存在」として扱われます。

そのため、飲み会では女性社員が甲斐甲斐しく男性社員にお酒を注ぎ、料理をお皿に取り分け、飲み物が空になる前に「何か飲まれますか」とオーダーをする必要があるでしょう。 この場合、女性は同僚というよりも接待役だとみなされており、男性社員が心地よく過ごすために気を使わなければならないという暗黙の了解が存在しています。 女性社員にだけお茶くみや始業前の男性上司のデスクの清掃を求められるのも、同様の理由からです。女性にだけ、本来の業務や労働者の立場には無関係のはずの「女性らしさ」や「女子力」を求められるのも、職場における男女差別の現状を表していると言えるでしょう。

男女差別の歴史

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太古の昔から男女差別は存在していたのでしょうか。答えはイエスでもありノーでもあります。女性が男性よりも劣った存在として扱われてきた歴史が古いのは事実です。

例えば、「市民」という言葉には男女差別の歴史が集約されています。市民とは元々ヨーロッパで生まれた言葉です。現代では市民とは老若男女を広く意味しますが、中世ヨーロッパにおける市民とは、納税か兵役の義務を全うした男性に限られており、女性は市民になることはできませんでした。 また、ヨーロッパでは伝統的に男性が一人前の人間に対し女性は半人前の人間という考えが存在していました。そのため、フランス革命によってもたらされたフランス人権宣言では、人民の自由と人権が保障されましたが、その「人民」とは男性に限られ、女性たちは含まれていませんでした。

性別による役割分担の歴史は?

しかし、「男性は外で働き、女性は家で家事・育児をする」といった固定的な性別の役割分担は、必ずしも古代から世界各地に普遍的にみられたものではありませんでした。ごく一部の特権階級を除く、普通の人々は、男女関係なく働かなければ生活ができなかったからです。

そのため、働くことが男らしさであり、料理や子育てをすることが女らしさであるといったジェンダー観は、職場と家庭の分離が進んで家庭外労働が一般的になり、主婦という存在が誕生した近代以降に登場した比較的新しい概念だと言えます。

歴史の勉強におすすめの本

性差の社会的なイメージやジェンダー・ロール、男女差別の構造は昔からずっと同じものだと考えがちですが、歴史を紐解くと意外とそうではありません。時代や社会によって変化し、紆余曲折を経て、現在へと繋がっているからです。

男女差別の歴史をもっと知りたいという方には、女性史・ジェンダー史研究の第一人者である姫岡とし子氏の『ヨーロッパの家族史』がおすすめです。 現代の男女差別の根幹にもなっている「男らしさ」や「女らしさ」といった性差のイメージが、歴史の中でどのように誕生し、どのようにして私たちの性別分担意識に影響を与えているのかをよく知ることができます。

男女差別の解決策

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どのようにすれば男女差別を解消することができるでしょうか。まず、私たちの身の回りにある男女差別の現状をよく知ることからスタートする必要があります。

自分では差別しているつもりはなくても、無意識のうちに性別にもとづいて差別を行ったり、差別を見逃している場合もあります。
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