ごまの種類と特徴
私たちが毎日の食事で食べている「ごま」は、ゴマ科ゴマ属の一年草植物です。ゴマ属には、37種の野生種と1種の栽培種があり、栽培種には約3000もの品種があります。
ごまの種類は、外皮の色によって「白ごま」「黒ごま」「金ごま」の3種類に分けられます。それぞれの特徴については下記で詳しくみていきましょう。1:白ごま
白ごまは、ほのかな甘みと控えめな味であるため、ごまの中で最も料理に使われています。白ごまは黒ごまに比べ脂質が若干多く、ごま油の原料としても使われています。白ごまは温帯や亜熱帯地域で栽培され、アフリカや東南アジアなど、世界各地で生産されています。
2:黒ごま
黒ごまは香りが強くコクがあるため、香りの強い野菜の「ごま和え」には黒ごまの使用がおすすめです。黒ごまの種皮の黒色には、ブルーベリーと同じ「アントシアニン」や不溶性食物繊維の一種である「リグニン」が含まれています。
黒ごまは他のごまに比べて種皮の割合が多く、そのぶんカルシウムなどが多く含まれていますが、種皮が硬いため摺って食べるのが一般的です。黒ごまの主な産地は、中国や東南アジアです。3:金ごま
金ごまは、「黄ごま」や「茶ごま」と呼ばれることもあります。金ごまは、白ごまや黒ごまと比べると脂質が高く、濃厚な味わいです。香りも他より抜きでて高いため値段も高価で、懐石料理などで使われることが多いです。種皮には抗菌作用があるフラボノイドが含まれています。
金ごまの主な産地はトルコですが、近年では日本国内での栽培も増加傾向にあります。黒ごまの栄養と効能10選
種皮の色によって黒ごま・白ごま・金ごまに分類されていますが、黒ごまの栄養は白ごま・金ごまとほぼ変わりがなく、約50%の良質な脂質とさまざまなビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。
白ごまや金ごまと栄養的にはほとんど差がありませんが、黒ごまの皮の部分にはポリフェノール色素が多く含まれているため、他のごまに比べて抗酸化作用が強いです。ここでは黒ごまの栄養と効能を詳しく紹介します。1:たんぱく質
黒ごま100g中には、たんぱく質が20.3g含まれています。たんぱく質は炭水化物や脂質と並び、人間に必要不可欠な3大栄養素の1つで、人間の生命活動を支えるエネルギー源です。
たんぱく質の最大の特長は、「人間の体をつくる主成分」であることです。筋肉・臓器・皮膚・血液などはたんぱく質でつくられます。黒ごまを毎日の食事に取り入れることで、身体をつくる上で重要なたんぱく質を効率よく摂取することができます。2:良質な脂質
黒ごまには良質な脂質が豊富に含まれています。黒ごま100g中には脂質が54g含まれており、黒ごまの成分の約半分は脂質です。
脂質が多すぎて心配な方もいらっしゃるでしょうが、黒ごまに含まれる脂質の8割はリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で構成されています。不飽和脂肪酸には免疫力を高めたり、コレステロールを下げる働きがあるため、黒ごまの脂質は血液のサラサラ化を促す良質な脂質といわれています。3:カルシウム
黒ごま100g中にはカルシウムが1200mg含まれています。カルシウムは骨や歯を形成する大切な栄養素で、人体に最も多く含まれるミネラルです。
カルシウムが不足すると、骨粗鬆症の原因にもなるため、さまざまな栄養補助食品も販売されています。黒ごまには牛乳の12倍ものカルシウムが含まれているので、食事やおやつに黒ごまを積極的に取り入れましょう。4:リン
黒ごま100g中には、リンが560mg含まれています。リンは成人の体内に最大で800g含まれ、リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムとして骨や歯を構成するほか、筋肉などの軟組織や細胞膜にも存在します。
リンはさまざまな食品に含まれているため、ミネラルの中では欠乏しにくい栄養素です。魚や肉、牛乳などの動物性食品と、野菜や豆類などの植物性食品をバランス良く食べていれば、身体に必要な量を摂ることができます。5:鉄
黒ごま100g中には鉄分が9.9mg含まれています。鉄分は赤血球中のヘモグロビンの構成要素となり、体内や脳に酸素を運搬する役割を担っています。鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血を起こしたり疾病リスクの上昇につながるため、毎日充分に補充する必要があります。
黒ごまには鉄分が豊富に含まれており、動物性にも植物性の食材にもよく合います。料理の仕上げにごまを一振りすれば、見栄えも良く鉄分補給もできて効果的です。6:ビタミンA/B/D/E
黒ごま100g中には、ビタミンAが1μg、ビタミンB1が0.49mg、B2が0.23mg、B3が5.3mg、B6が0.64mg、ビタミンE0.1mg、葉酸などが含まれています。ビタミンは、摂取した栄養素を体内でエネルギーに変えたり、新しい細胞を作るために欠かせない存在です。
7:亜鉛
亜鉛は黒ごま100g中に5.9mg含まれている栄養素です。亜鉛は細胞分裂に深く関係しているといわれており、味覚障害などにも効果があります。
亜鉛の1日あたりの必要量は、男性8mg・女性6mgです。亜鉛は体内に貯蔵することができないため、食事やサプリなどでしっかり摂取しましょう。8:ミネラル
黒ごま100g中には、ナトリウム2mg・カリウム410mg・マグネシウム360mg・銅1.68mgなど、ミネラルが豊富に含まれています。先に挙げたカルシウム・リン・鉄分・亜鉛も、ごまに含まれるミネラルです。
年齢や性別により必要量は異なりますが、すべての要素を適切に摂取することが推奨されています。ミネラルは体内で作り出すことができないため、食事やサプリメントで随時摂取しましょう。9:食物繊維
黒ごま100g中には、水溶性食物繊維2.5gと不溶性食物繊維10.1gが含まれています。水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を抑制する働きがあります。不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促します。
ごまに含まれる食物繊維には、便のかさを増やして排出しやすくする不溶性食物繊維が多いため、水溶性食物繊維を含むバナナや牛乳などと一緒に摂取すればより効果的です。10:アントシアニン
黒ごまの皮の部分にはアントシアニンが含まれています。アントシアニンには、抗酸化作用があり、視力回復や動脈硬化の予防、アンチエイジング効果があるといわれています。
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食パンに塗ったりヨーグルトに入れたりと使い勝手が良く、健康のために毎日ごまを摂取する方におすすめです。黒ごまを使ったおすすめレシピ7選
白ごま・金ごまに比べて香りが強く、香りの強い野菜のごま和えに使われることが多い黒ごまですが、ごま和えだけでなくさまざまな料理に使用されています。
ここでは黒ごまを使ったおすすめレシピを紹介しますので、毎日の食事に黒ごまを上手に取り入れて、美味しく栄養補給しましょう。1:オクラの豚巻き☆黒ごまガーリック醤油ソテー
「オクラの豚巻き 黒ごまガーリック醤油ソテー」は、茹でたオクラに豚の薄切り肉を巻き、フライパンで焼いて、チューブ入りニンニク・摺った黒ごま・醤油を絡めた料理です。
豚肉に火を通すため、フライパンで焼いた後、アルミホイルをかけて軽く蒸し焼きにしましょう。黒ごまたっぷりのガーリック醤油ソースがオクラの豚巻きとよく合います。お弁当のおかずやお酒のおつまみにもぴったりのレシピです。