家庭崩壊の定義・子供への影響・きっかけ・相談できる場所

家庭崩壊とは、その家庭が何らかの事情により、安心安全に過ごすことができなくなってしまっている状態に陥っている家庭のことを言います。その事情とは家庭内暴力や金銭問題、家族間の不仲などがあげられます。また、機能不全家族や家族崩壊といった呼び方もあります。

家庭は本来安全安心な場所であるはずのものなのですが、家庭崩壊が起きてしまっている場合、その機能を果たすことができなくなります。よって、この家庭崩壊で危惧される問題はその家庭そのものへ対する問題よりも、その家庭で育つ子供が受ける影響の大きさにあります。

ここからは、家庭崩壊の子供への影響について紹介します。

家庭崩壊した家庭の中で最も被害を受けるのは、間違いなく子供です。親からの威圧的な態度や家族間でのコミュニケーションが不可能な家庭で育つと、子供らしさや元気が失われ周囲の目を気にしてばかりだったり、異様に目立つ行動をとってみたりと、いわゆる問題行動を起こして親の注意を引こうとします。

これらは、子供なりに親へ家庭が崩壊していることに向けてメッセージを送っています。ですが、そこで親が家庭崩壊の現実に目を向けず、子供の問題行動ばかりを問題視してしまうと、ますます家庭崩壊へと進んでいきます。 そのような対応をされた子供は意思表示をすることが減り、自分から進んでコミュニケーションをとろうとすることもなくなり、次第と家庭での会話もなくなっていきます。

家庭崩壊している家庭で育った子供は、自分の家庭が崩壊していると気づかず、そのような環境や考え方、接し方が当たり前だと認識して成長していくケースが多くあります。

人格形成の中で重要となる幼少期に、必要な愛情を受けることができていないため、自分に対してだけでなく、相手に対する愛情や共感力などが極端に欠けている人間になってしまう場合があります。 相手の意図を汲み取ったコミュニケーションができず、一方通行になりがちな会話をしてしまったり、表情が乏しく何を考えているのか分からないと言われることがあったり、社会に出てからもなかなか適応できない人もいます。 そして、家庭内暴力を受けて育った子供は自分が大人になり親が老いた時、自分がされてきたことを親に対して行ってしまうという場合もあります。家庭崩壊はその時のみならず、その子供に一生付きまとう大きな問題となります。

家庭崩壊するきっかけは、もともとはどの家庭も些細なものです。夫婦間の会話が減った、仕事で辛いことがあった、子供のことで悩みがあるなど、その時にしっかりと向き合い解決しておけば修復できるようなものでも、そのまま放置しておくと後で取り返しのつかないことになり、気が付くと家庭が崩壊していたというケースもあげられます。

以下に、最も家庭崩壊に陥りやすいパターンをあげていきます。

子供を持つ親の中には「小学校までは公立でも良いけど、中学校からは私立に入れたい。」と考える人もいます。受験というのは、家族みんなが同じ気持ちで同じ方向を向いて進んでいく必要があります。そのくらいその家族にとって大きな出来事です。

ですがその時に、家族みんなが同じ気持ちで受験に臨めるのであるならば問題はないのですが、母親が1人張り切ってしまっている場合、家庭崩壊へと向かってしまう場合があります。子供自身は中学受験を望んでおらず、ましてや父親も中学受験には否定的な意見の場合、その家族それぞれが向かう先はすでにバラバラです。 子供が思うように勉強しない、なかなか成績が上がらない、志望校に合格できそうにないなど、受験に悩みはつきものです。その悩みをしっかりと家族間で共有できない場合、きちんとしたコミュニケーションをとることが難しくなり、夫婦間でも考えの相違で喧嘩が増え、家庭崩壊へと向かいます。

家庭崩壊の原因として考えられることの1つとして、父親の仕事と家庭に対するバランスのとり方もあげられます。残業をするのは当たり前で帰宅時間は深夜、朝ご飯を食べずに身支度を整えたら仕事へ向かうというスタイルをとっていると、必然的に家族と過ごす時間が減り、家族間で情報の共有をすることが難しくなってしまいます。

このように、父親が家庭のことを母親に任せきりにしてしまうと、家庭崩壊へと繋がってしまうケースが多く見受けられます。