心臓の前負荷と後負荷・指標・症状|心不全/脳梗塞/心拍出量

仕事ノウハウ

後負荷

後負荷は心臓が収縮した直後にかかる負荷のことをいいます。

左右の心室が動脈に血液を送り出す際、動脈に抵抗をしながら押し出す力が後負荷に影響します。左室では大動脈圧、右室では肺動脈圧が後負荷を反映します。 後負荷が大きい程一回拍出量は低下しますが、後負荷の上昇が持続は収縮能力の低下につながり、心肥大をきたす場合があります。

前負荷と後負荷の指標

前負荷の正常値は2〜8mmHgであり、中心静脈圧カテーテルやスワンガンツカテーテルによって測定することができます。

後負荷は左心室の収縮末期圧を知ることにより、判断することができます。左心室末期圧もスワンガンツカテーテルによって調べることができ、正常値は5〜12mmHgです。

血圧と前負荷後負荷の関係性

血圧とは血液が血管内壁に与える血管内圧のことをいい、一般的には大動脈といった太い血管の内圧のことをさします。

心機能が低下したことによって心臓への静脈還流が起こると、前負荷の値が上昇による心拍出量増量が起こり高血圧となります。 末梢血管の抵抗性があがることによって、後負荷がかかります。心臓は後負荷の抵抗に打ち勝ち、血液を拍出しなければならないため、血圧が上昇します。そのため、後負荷の上昇が持続することによって、高血圧を起こすと考えられています。

病気別前負荷・後負荷の症状

心不全

心不全とは心臓機能が低下した時に起こる、心臓の循環不全の総称をいいます。心不全の部位によって左心不全、右心不全、両心不全に分類されます。また、心不全の重傷度の分類としてNYHA分類やKillip分類があります。

心不全に陥った心臓は心臓の収縮力低下を補うために、交感神経を優位にしレニン–アンギオテンシン系を活発化することによって、血管収縮と血液量が増加します。その結果、前負荷と後負荷が増大し、心臓に負担がかかります。

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心筋梗塞

心筋梗塞は心臓に血液を供給する役割を持つ冠動脈が閉塞または狭窄することによって、心筋壊死に陥った状態をいいます。心筋梗塞は病状が休息に悪化していく疾患のため、診断と初期治療を並行して進める必要があります。心筋梗塞は合併症として心不全を起こすこともあります。

心筋梗塞は前負荷と後負荷の上昇する傾向にあります。
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