足浴の看護の目的・根拠・観察項目・留意点|温度/マッサージ

仕事ノウハウ

足浴をしてみよう

足浴の実施方法をご紹介します。まず、患者さんにお湯の温度を確認してもらいながら足を静かにお湯に入れます。足はお湯の温度を感じやすいため、最初は指先から足背に少しずつお湯をかけて慣らし、それから両足をお湯に入れてあげましょう。

次に、バケツの中に足を入れ、しばらくしたら看護師は液体石鹸を柔らかいタオルにつけ洗ってあげます。指の間などはタオルを広げて行うと洗いやすいです。足の底はタオルを分厚くし、しっかり力を入れて洗ってあげましょう。足先から中枢に向かいかけ湯をしてすすぎます。 かけ湯が終わったら、バケツを移動し足をバスタオルで覆います。バケツを安全な場所にのけたら、足の水分をしっかり拭き取ってあげましょう。足浴後は、バイタルサインや一般状態に変わりがないか観察し記録に残しておきましょう。

足浴後にしてあげると爽快感アップ

足浴後には、看護師の手にパウダーや保湿剤を出し患者さんに塗ってあげましょう。その時にマッサージをしてあげると血行が良くなり、患者さんは気持ちよく感じます。

また、爪が伸びている場合は爪を切ってあげましょう。爪を切った後は必ずヤスリをかけて滑らかにしておきましょう。ヤスリをかけないと靴下などが引っかかり爪が剥がれたり出血する可能性があります。

温度に注意しよう!

足浴を行う際に看護師はお湯の温度に注意しましょう。お湯の適正温度は39〜41℃と言われています。45℃前後のお湯に浸かると交感神経の緊張により末梢にある血管が収縮し収縮期血圧が上昇すると言われているため気をつけましょう。

看護師による足浴でのマッサージ方法とは?

足浴の看護の目的・根拠・観察項目・留意点|温度/マッサージ

足浴の方法がわかったところで次に足浴でのマッサージ方法についてお話ししていきます。足浴でのマッサージでは長くしてしまうと逆に患者さんが疲れてしまう恐れがあるので注意しましょう。また、マッサージをするときは患者さんの表情や顔色、皮膚の温度や色、腫れの程度を観察しながら行いましょう。

足浴中のマッサージ

足浴中にマッサージを行うと筋肉がほぐれたり血流が良くなったりします。方法としては、末梢から中枢にかけて優しくマッサージすることがポイントとなります。この時にただマッサージするのではなくコミュニケーションを看護師と患者さんがすることにより信頼関係も良くなります。

足浴後のマッサージ

足浴後のマッサージの方法について説明します。看護師は手で拳をつくり指の背でかかとから足の指にかけて円を描くようにマッサージしましょう。足底は、親指で円を描くようにマッサージします。かかとや土踏まずも、小さな円を描くようにマッサージしてあげましょう。

次に、足首から指に向かって、指のそれぞれ骨に沿うようにマッサージしましょう。足背に親指、そのほかの指は足底に当て握るように圧迫し、かかとから指に向けて3回マッサージします。そして、指を1本ずつ軽く引き左右にゆっくりと回します。最後は、両手で足を数秒間挟んで終わりましょう。

足浴時に看護師が観察する部分ってどこだろう?

足浴時に看護師は何処を観察すれば良いでしょうか。一般的な観察ポイントにくわえ、足と爪の観察方法についてご紹介します。

一般的な観察

足浴の一般的な観察ポイントとしては、まず、前回に行った足浴の実施状況や時間を確認して、足浴前後でバイタルサインに変化があるかどうかを観察しましょう。足浴を行う患者さんの治療の経過具合や運動機能障害も観察しておきます。末梢循環不全や呼吸不全がある患者さんであれば、足趾の冷感の有無も確認する必要があります。

足の観察

皮膚の状態で観察する部分は発赤・炎症・圧迫・出血・感染徴候の有無や色(暗紫色:慢性的な血流障害・黒色:壊死)や皮膚の温度(熱いか冷たいか)です。足底部や足趾では、皮膚が肥厚の有無があるかどうかを観察しましょう。

かかとでは、発汗量の低下の有無・乾燥の有無(自律神経障害の人は乾燥しやすい)・肥厚の有無(加齢・生活習慣・足白癬の人は肥厚しやすい)・皮膚の弾力性(皮膚の弾力性が低下すると亀裂を生じやすい)を観察しましょう。

つめの観察

爪は、巻き爪・陥入爪の有無(第1趾におきやすい)・足白癬、爪白癬の有無・足、爪甲のトラブルの有無(日常生活や足のセルフケアを関連づけて観察)を観察しましょう。

足浴での留意点とは?

足浴の看護の目的・根拠・観察項目・留意点|温度/マッサージ

足浴を行う際にはどのようなことに気をつければ良いでしょうか。まず、足浴を行う部屋の温度を調節しプライバシーにも配慮しましょう。患者さんの服やシーツ、膝もとを濡らさないように防水シーツを使用しましょう。

次に、足をお湯に入れるときは、足関節部までにしましょう。お湯の温度が39〜41℃になるように配慮しましょう。循環器に病気がある人は循環動態の変化に注意しましょう。温熱効果による安静効果を高めるためには10分ほどお湯に浸かれるようにお湯の温度低下を防ぐように工夫しましょう。患者さんの足に水虫がある場合は、手袋して感染しないように気をつけながら行いましょう。
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