国勢調査を無視したら罰則はあるのか・いつまで無視しても良いか

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国勢調査に協力する義務

また、統計法第13条には以下のように報告義務が定義されています。国勢調査の調査項目は、日本の人口や世帯の実態を把握するために必要不可欠なものであり、統計法によって調査対象者に回答していただく義務(報告義務)を課して行っているものとなります。つまり、国勢調査の依頼があった場合は無視してはいけないことになっています。

第十三条 行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。 2 前項の規定により報告を求められた者は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。 3 第一項の規定により報告を求められた者が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。(統計調査員)

出典: http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/houbun... |

国勢調査を無視したことによる罰則

では、国勢調査を無視した場合は罰則などがあるのでしょうか。

国勢調査についての罰則については、統計法の第7章に規定されています。回答を無視したり、虚偽の報告をした回答者についての罰則は、統計法の統計法第61条第1号に以下のように規定されています。つまり、無視した場合・正しく回答しなかった場合は50万円以下の罰金が科せられることになります。

第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。 一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした者  二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

出典: http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/houbun... |

国勢調査を無視した結果

無視し続けたなど

国勢調査には、統計法で定められた義務と罰則が存在します。日本国民である以上は、国勢調査の回答は義務であり、無視することはできません。

しかし、これまで実施されてきた国勢調査において、調査を無視したからといって統計法に定められている罰則が適用された事例は1例もありません。このことから、無視したことによる罰則規定は実質上死文化していると言えます。 これまでに無視したことによる罰則が適用された事例がなくても、将来無視したことで罰則が適用される可能性がゼロではありません。 このように、国勢調査の回答を無視・偽装すると罰則・罰金が科せられる規程はありますが、法律で決められている以上故意に無視し続けるよりも、義務と割り切って回答するほうが無難な対応と言えます。

国勢調査を無視することは違法なのか

国勢調査の回答無視につながる課題

国勢調査を実施するうえでの課題は主に以下の2つがあげられます。このような課題があり、この解決策や対応策が見いだせないため、国勢調査を無視する人々が多くいるのが実情です。

①調査員が世帯に会えない ・一人暮らしや共働き世帯は調査員が活動している時間は不在である ・防犯の面から対面ができない場合がある

②回答者が非協力的 ・調査の必要性を理解していない ・個人情報提供への抵抗 ・調査員が正規なのかそうでないか判断できない ・個人情報悪用への不安 ・無視したからと言って何か咎められるとは限らない

国勢調査を実施する側としては、回答者に無視されることは回答結果から得られるデータが実態に即していないものになるため、避けたいところです。そのためには、回答を無視される課題や原因を分析・対策を講じていくことが無視する人を減らすためには重要となります。

国勢調査を無視していいのか

前述のような課題が明確になっているため、国勢調査の回答を無視する人々がいることは事実です。誰だって自分の個人情報が本来の目的以外で使われ、犯罪につながることは避けたいところです。犯罪につながるような恐れがあるならば、回答を無視する選択をしてしまうこともあります。

では、国勢調査を無視していいのでしょうか。国勢調査は国民の義務となっているため、無視してはいけないと言えます。納税などの3大義務と同じように、日本国民である以上は回答しなければならず、無視してはいけないと言えます。 調査員に回答することが嫌で無視しているのであれば、最近ではオンラインでの回答も可能です。オンラインでの回答は現時点ではセキュリティが確保された環境で実施されているため、個人情報の流出の可能性は低いとされています。少しでも回答を無視する人が減る対策は実施されていますので、国勢調査実施時に確認してください。

国勢調査の対応をどうするか

近年、サイバー攻撃や不正アクセスなどで個人情報が盗まれる事件も多発しています。また、国勢調査が実施される時期には、国勢調査員を偽って回答結果を盗む犯罪が発生していることも事実です。

前回の国勢調査が2015年に実施されていますから、次回の国勢調査はその5年後だと考えると2020年です。国としては、国勢調査の目的や意図をもっと国民に浸透させ、国勢調査の回答方法においてどのようにセキュリティを担保するかの方法を検討することで、国勢調査を無視する人々を減らすことができ、より実態に即した回答結果を得られるのではないないでしょうか。 国や行政がより現状にあったサービスを提供していくためにも、国勢調査は欠かせないものとなっています。また、国勢調査は国民の義務であり、調査を無視して回答しない場合は罰則規定が法律で決められている以上、無視するという選択肢は取らないほうが無難です。
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