残業100時間の給料の手取り|普通?違法?・過労死は防げるか

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残業100時間の給料の手取り

残業100時間の給料の手取り|普通?違法?・過労死は防げるか

働いていると、忙しい時期にはどうしても残業せざるを得ない時があります。近年残業に関する問題が多数発生して注目されています。

日本の会社ではある程度の残業は当たり前という風潮があり、場合によっては月の残業時間が100時間を越すような場合もあります。しかし100時間を超えるような長時間残業は労働者に深刻なダメージを与える危険性があります。 もちろん労働者の中にはある程度の残業を見越して、残業代を給料の中に組み込んで計算している人もいます。そういう人にとっては残業がなくなると非常に困ります。 たとえば残業を100時間行ったらいくらぐらいになるのか、など長時間残業に関する問題を詳しく解説します。

毎月

さて毎月100時間もの残業をした場合の給料ですが、残業代については基本給や一部のものを除いた各種手当を基礎として計算しますので、一概にいくらだとは言えません。

ただし100時間の残業を毎月のように行うことはできません。これは後述しますが、そもそも法律上禁止されています。自分の給料明細やタイムカードを見て毎月の残業時間が100時間を超えるような場合は一度専門家に相談した方が良いでしょう。

残業時間の計算方法

残業時間の計算は給料の額や労働時間によって異なります。ここでは1日8時間、月22出勤して残業代の計算基礎となる給料が25万円だとして計算します。

まず残業代の計算にあたり1時あたりの単価(時給)を出します。

8時間×22日=176時間(1ヶ月の所定労働時間) 25万円÷176=1,420.45(時給相当額)

仮に残業が100時間あった場合は 1,420.45×1.25=1,775.56(残業単価)×100時間=177,557(円未満は四捨五入) 普段の給料が25万円、残業100時間で約18万円が残業代となると総支給額は43万円です。残業代だけでみると全体の40%程度になりますので、100時間の残業がいかに多いかがわかります。

なぜ残業が多いのか

日本の会社ではなぜ残業が多いのでしょうか。残業することが当然のような風潮すらありますが、本来労働基準法で残業は禁止されています。ただ、それだと実情に合わないこともあるため特別な手続きをとることで残業をさせることができます。

したがって本来残業というのは突発的に起こるものという考えなのです。定時に帰るのが当たり前という前提です。しかし多くの会社では定時に帰るのが突発的なもので、残業するのが当たり前という逆転現象が起きています。

効率化

企業は常に効率化を求めます。特に不景気の頃には人件費負担を軽くするため、採用を手控えます。その結果人は増えないのに業務量は増える、結果として各個人の負担が増し労働時間が長くなることになります。

効率化を本当に求めるのであれば、各個人の業務量を平準化したり減らしてりするのが妥当なのですが、なぜか逆の動きになってしまっています。むしろ非効率的なやり方になっているとも言えます。

風土

本当は定時で仕事を切り上げさっさと帰るのがカッコいいのですが、日本では残業する方が頑張っていると見られがちです。

また、行き過ぎた顧客サービスを求める傾向があるためか顧客から要請があるから遅い時間まで残らなければならないとか、ムチャな納期に合わせるために無理を強いられるということがあります。 労働者側の事情でいうと、残業代を見越した上で生活しているとか、早く家に帰ってもすることがないなどの理由でダラダラと必要もないのに残業をしているという場合もあります。 このように本来イレギュラーなものである残業を「必要なもの」と認識している部分が日本では労使ともにあることがなかなか残業が減らない要因となっています。

残業100時間は普通?違法?

残業100時間の給料の手取り|普通?違法?・過労死は防げるか

業務内容や時期によっては確かに、残業せざるを得ないこともあります。しかしいくら必要だからといって何時間も残業をさせてもいいのでしょうか。ここでは残業に関する法律について検討していきます。

法律

残業に関してはもともと労働基準法では禁止されています。ただしそれだと実情に合わないため特別な手続きを踏めば行わせることができる、とされています。

会社と労働者が時間外・休日出勤を行わせることに関して、どの労働者をどれくらいの時間、いつからいつまで、どのような理由で残業させるかなどについて書面で約束します。 会社と労働者の代表がそれぞれ確認してサインした書面を労働基準監督署に届け出をして初めて残業をさせることができるようになります。

労働基準法

さて書面を提出して残業をさせることはできるようになったのですが、その場合でも残業させることのできる時間に限度はあります。

通常であれば1ヶ月のうちに残業させることのできる時間は45時間が上限とされています(建設業や運送業など一部の業種は除く)。つまり100時間の残業などはそもそも法律上認められていません。 しかし現実には月に100時間の残業をしている人もいます。なぜそんなことが可能なのでしょうか。
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