公序良俗違反の意味と例・判例・効果・契約一覧｜融資/解雇 | Page 2

融資にもいくつか種類がありますが、すべてがまともな融資とは限りません。中には、高金利であったり、融資詐欺であったりするケースもあります。ここでは、それぞれのケースが公序良俗違反にあたるかどうかを解説していきます。

融資の場合、法定金利以上の利子を取る、いわゆる闇金融などの場合、強行規定による高利貸しと言う事で、利息制限法や公序良俗違反により無効になるケースがあります。

暴利や借主による搾取から、消費者を保護するために、金銭消費貸借におけおける利息や、遅延損害金の利息を一定限度に制限する法律です。

金融機関などを装って、融資を提案する偽のダイレクトメールや携帯メールを送りつけ、保証金や保証金名目でお金をだまし取る詐欺が急増しています。いわゆる、貸します詐欺ですが、これは公序良俗違反になります。

債権譲渡がされ、債権者が異議なく承諾した場合、既に返済していたり時効だったとしても、新しい債権者は知りませんので、お金を返すように言う事ができます。

しかし、内容が公序良俗違反であれば、当事者が同意していようとお金を返すように言う事ができません。賭博の負けによる金銭債権などがそれにあたります。

公序良俗違反の判例はあるの

公序良俗違反が、裁判で争われることもあります。ここでは、いくつかの判例によるケースでの公序良俗違反を見ていきましょう。

ある裁判の判例では、大学の入学金の返還を求めましたが、大学側の公序良俗違反にならないとして、棄却されました。また、別の裁判では、賃貸契約にによる敷金引かれ過ぎによる損害を賠償請求をしましたが、こちらも管理会社側の公序良俗違反にならないと棄却されました。

不法な状況により損害を受けた者、または将来に受けるはずだった利益を失った者に対して、原因を作った者が損害の埋め合わせをする事です。適法な行動による損害の埋め合わせである損失補償とは区別されています。また、埋め合わせで交付される金銭や物品を指す事もあります。

解雇の場合、一定年齢に達した女子社員のみを解雇するなど、公序良俗違反による解雇はできません。解雇には、労働基準法により、合理的な理由が必要になります。

ある裁判では、連日のように遅刻していた社員を解雇しましたが、他にも同じような社員がいるという事で、公序良俗違反にならないとして、解雇が取り消しになりました。また、別の判例では、上司の指示に従わず、仕事もまともにできない労働者が、公序良俗違反と言う事で解雇を有効とされました。

労働条件である、労働時間、休日、賃金の最低基準を定めた法律で、正社員だけではなく、契約社員やパート、アルバイト派遣労働者など、すべての労働者に適応される法律です。就業規則や雇用関係の労働条件が最低基準以下の場合、その条件は無効になり、労働基準法の条件に引き上げられます。

クラブのホステスが、お客の飲食代金責務について、経営者に対して保証責任があるかないかが、問題とされています。判例では、これを有効としたものがあります。

契約の自由の原則があり、契約の際には、内容を自由に決める事ができます。しかし、中には公序良俗違反の契約になるものもあります。ここでは、具体的にどのようなものが公序良俗違反になるのか解説します。

犯罪やその他の不正な事をしたり加担する契約は、公序良俗違反になります。また、個人の尊厳などの基本的人権を害する契約も公序良俗違反です。

売春、買春、援助交際にあたる、不正常な男女関係を設定する契約は公序良俗違反になります。現在の配偶者と分かれて、結婚する予約も、これにあたります。しかし、愛人契約の手切れ金支払いの約束のように、正常な状態に戻すための契約は有効になります。

社会生活を送る上での一般的な決まり事を言います。人として守り行うべき道や善悪の判断において、普遍的な基準となります。

窮迫に乗じた高金利の金銭貸借や、返済できなければ、不相応に高価な財産を代わりに取得する契約は、公序良俗違反になります。優越的な地位を利用して、立場の弱い人に損失を転化する契約も公序良俗違反です。

相手の無知や軽率に付け込んだ勧誘方法で取引した場合、取引の内容が不当でなくても、公序良俗違反になり、契約は無効です。

全く必要のない商品を、いいものですからと、リスクなどを説明せずに契約した場合などがこれにあたります。