必須アミノ酸とはなに？
人の体内に既に存在しタンパク質を形成しているアミノ酸は20種類あるとされています。そのうちの9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。必須アミノ酸は体内で合成されず、食品から摂取する必要があります。その９つは上手に均衡するよう摂ることでバランスが保たれます。
9種類の必須アミノ酸についてと主な食べ物
タンパク質の成分として知られている必須アミノ酸の9種類について、あまりよく認識していないというのが現状です。ここではその9種類についての概要と含まれる主な食べ物をご説明いたします。どれも重要な成分です。
必須アミノ酸①「イソロイシン」
イソロイシンは人体の成長を促進し、神経の働きを良くする効果があります。他にも血管の拡張、肝臓機能の強化、筋肉強化といった様々な中枢をなす為に重要なアミノ酸です。牛肉、鶏肉、鮭、牛乳、チーズ等に含まれています。
必須アミノ酸②「ロイシン」
ロイシンは、肝機能の円滑化、筋肉強化といった効果があります。しかも多くの食べ物に含まれていることで、これが人体で不足することはあまりないようです。牛肉、レバー、ハム、牛乳、チーズなどの食べ物に多く含まれています。
必須アミノ酸③「リジン」
リジンは人体を構成する「たんぱく質の組み立て」をする為の必要不可欠なアミノ酸です。体の組織を修復する役割があります。魚介類、レバー、卵、牛乳、大豆などの食べ物に多く含まれています。
必須アミノ酸④「メチオニン」
メチオニンは、イオウを含む含流アミノ酸の一つです。ヒスタミンの血中濃度を下げて、抑うつ症状を和らげる効果が期待できるとされています。牛乳、牛肉、羊肉、レバー、小麦などの食べ物に含まれています。
必須アミノ酸⑤「フェニルアラニン」
フェニルアラニンは、神経細胞間で信号を伝達する役割があるアミノ酸です。この必須アミノ酸から生成される「ノルエピネフリン」と「ドーパミン」という物質によって神経系統へ刺激を伝達していく働きがあります。これによって鎮痛作用、抗うつ効果があります。魚介類、卵、大豆、チーズ、アーモンド、肉類などの食べ物に多く含まれています。
必須アミノ酸⑥「スレオニン」
スレオニンは、トレオニンとも呼ばれ動物の成長を司どるアミノ酸の一種です。９つの必須アミノ酸の中で最後に発見されました。他にも脂肪肝の予防もしてくれます。卵、ゼラチンなどの食べ物に多く含まれています。
必須アミノ酸⑦「トリプトファン」
トリプトファンは、たんぱく質の合成材料や肝臓、腎臓で分解されてエネルギーにしたり、「ナイアシン」と呼ばれるビタミンの原料にもなります。催眠効果や精神安定効果もあります。牛乳、チーズ、大豆、バナナなどの食べ物に多く含まれています。
必須アミノ酸⑧「バリン」
バリンとは、ロイシンやイソロイシンと同じように分岐鎖アミノ酸（BCAA）の一種です。「分岐鎖」という構造を持つたアミノ酸です。成長促進、筋肉強化、肝機能の改善等に役に立っています。多くの食べ物に含まれますが、特に鶏肉、チーズが代表的です。
必須アミノ酸⑨「ヒスチジン」
ヒスチジンは、「発育」と関係があり大人は体内で合成できます。しかし子供はまだ合成ができないことで必須アミノ酸の一つに分類されています。鶏肉、ハム、チーズなどの食べ物に多く含まれています。
タンパク質・必須アミノ酸が多い食べ物
タンパク質の食べ物の代表と言えば肉、魚、卵、乳製品、大豆などを思い浮かびます。総体的にタンパク質やアミノ酸が摂取できそうですが、それぞれ構成するアミノ酸が異なるものがあります。タンパク質を摂取するとアミノ酸に分解され、さらにタンパク質に再構築されて筋肉や皮膚、髪といった人体の構成に役立っていきます。
アミノ酸スコアというものがある
アミノ酸には「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」と大別され、体内での働きが異なってきます。バランスを考えてアミノ酸が含まれた食べ物を摂ることが大切です。とくに体内合成できない必須アミノ酸を良質なたんぱく源として摂取しましょう。指標として「アミノ酸スコア」と呼ばれるものがあります。アミノ酸スコアが100点の食べ物は必須アミノ酸をすべてバランスよく含んでいます。
アミノ酸スコア100点の食べ物
バランス良く必須アミノ酸が豊富に含まれているパーフェクトな食べ物です。ここには、卵、牛乳、豚肉、牛肉、鶏肉、あじ、さけ、かつおなどがあります。
アミノ酸スコア90点の食べ物
必須アミノ酸のほとんどが含まれつつも、何か一つが欠けている食べ物です。チーズ、そば、ベーコン、しじみなどが該当します。
アミノ酸スコア80点の食べ物
必須アミノ酸が2～3個不足している主な食べ物です。大豆、キウイ、さつまいも、昆布などが該当します。
アミノ酸スコア70点の食べ物
必須アミノ酸のいくつかを含む食べ物で、いか、くるまえび、とうもろこし、しいたけなどが該当します。
アミノ酸が豊富な食べ物の肌への効果
アミノ酸は皮膚や髪の毛の生成に必要なものです。血中のアミノ酸濃度によって肌の状態にも影響を及ぼすとされています。アミノ酸が肌に与える影響と効果、食べ物をご紹介します。身体を作る20種類のアミノ酸、美肌のためには特にどのアミノ酸が必要なのでしょうか？
肌に効果的なアミノ酸①「アスパラギン」
アスパラギンとは表皮角質層内で繰り広げられている細胞分裂にとっても重要なアミノ酸です。角質層の新陳代謝を促進し水分を保持して肌の潤いを保ってスキンケア効果があります。アスパラギンを多く含む食べ物はアスパラガス、大豆もやし、サトウキビ、肉類などがあります。
肌に効果的なアミノ酸②「セリン」
セリンは肌の潤いを保つアミノ酸の一種です。元々は角質層に多く存在して、肌の潤いを維持する働きをしています。天然保湿因子であるNMFに多く含まれます。他にもメラニンの形成を抑制する働きがあることで「美白効果」も期待できます。セリンを多く含む食べ物は牛乳・大豆・高野豆腐、かつお節などがあります。
肌に効果的なアミノ酸③「プロリン」
プロリンとはコラーゲン生成に必要なアミノ酸です。体内に吸収されたタンパク質やアミノ酸を元にしてコラーゲンを合成する際に使われる大切な成分です。またダメージを受けたコラーゲンを修復する働きもあります。豚肉・動物性ゼラチン質・小麦タンパク、大豆タンパクなどの食べ物に多く含まれています。
アミノ酸を多く含む食べ物でやるダイエット方法
