横隔膜とは
横隔膜とは、呼吸運動に欠かせない筋肉のひとつで、哺乳類にしか存在しない筋肉だといわれています。横隔膜が柔らかいと深い呼吸ができるので、体に多くの酸素を取り込むことができます。逆に横隔膜が固いと呼吸が浅くなり、その結果、体の隅々に栄養がいき渡りにくくなります。
横隔膜は、肺の機能とともに20代をピークとして衰え始めます。以下で横隔膜についてもっと詳しくみていきましょう。横隔膜の位置
横隔膜は、肺の真下にあります。もっと詳しくいうと、胸腔(きょうくう)と腹腔(ふくくう)の間にあり、右下には肝臓、左下には胃があります。横隔膜は、呼吸と深く関係していて、自分の意志で下に動かすことができます。
横隔膜の働き
横隔膜は、胸腔と腹腔の間にある壁のような役割をしています。胸腔がふくらむと空気が吸い込まれ、縮むと空気がはきだされて呼吸が行なわれますが、横隔膜はこの呼吸運動の7割を担っています。
横隔膜の動きが悪くなる原因
横隔膜の動きが悪くなる原因は、ストレスや姿勢の悪さ、生活習慣など多岐にわたっています。横隔膜の動きが悪くなると、浅い呼吸になってしまいます。呼吸が浅いと、血液の流れが悪くなり、肺や心臓などのいろいろな臓器に支障をきたします。
またイライラや不安が高まるなど、日常生活にも影響がでかねません。浅い呼吸にならないためにも、日ごろから、胸式呼吸ではなく腹式呼吸を意識してするようにしましょう。横隔膜ストレッチの方法6つ
横隔膜はインナーマッスルです。インナーマッスルは、強くするというよりは、安定的に力を加えることが重要になってきます。鍛えるというより整えるというイメージです。
横隔膜は、ストレッチによって、整えることができます。横隔膜が上がった状態だと、呼吸が浅くなり、酸素や栄養が身体の隅々までいきわたりません。横隔膜を下げると呼吸が深くなるので、体調がよくなります。おすすめのストレッチ方法を6つ紹介します。方法1:横隔膜を両手を使ってほぐす
横隔膜を手でほぐすと、横隔膜がやわらかくなり、体幹が動きやすくなります。方法は、とても簡単です。仰向けになり、両膝を立てた後、両手の親指以外の4本を肋骨の際に置き、大きく息を吸い、息を吐きながら指先を肋骨のキワ(横隔膜の付着部)に引っ掛けるように沈めていきます。その後、肋骨の際に引っ掛けた指を、肋骨の中をなぞるように動かしていきます。
方法2:横向き寝から胸を開いて筋肉をほぐす
横隔膜ストレッチは、横向き寝の体勢でもできます。丸めたバスタオルを枕にして横向き寝の体勢になります。その時、下にある足はまっすぐに伸ばし、上にある足は90度に曲げて膝の下にクッションを置きます。
両手は胸の位置でまっすぐ伸ばして手のひらを合わせ、下半身は固定したまま、息を吐きながら上の腕を180度(できるところまで)回し胸を開いていきます。胸を開くときに息を吐くと、お腹に力が入るので、より効果的です。方法3:イスを使った猫背改善ストレッチ
猫背になると、背中が丸まり、肺が窮屈な箱の中にしまわれたような状態になってしまうので、呼吸が浅くなり体内の酸素量が減ります。ここで、椅子に座ったままできる猫背改善ストレッチをご紹介します。
椅子に浅く腰掛けて、片足の膝を伸ばして、ももの後ろ側の筋肉を伸ばします。ももの後ろ側の筋肉が固くなって縮むと姿勢が悪くなり、猫背になりやすくなるため、猫背の体勢を防いでくれます。方法4:うつ伏せストレッチ・コブラのポーズ
コブラのポーズは、背骨を整え、呼吸機能を高めてくれます。やり方は、うつ伏せになった後、両手を地面について、上体を起こしていきます。上体をそらした状態で10秒から30秒保ちます。その間、ゆっくりと深呼吸するようにしましょう。とても簡単にできますが、雑にならないようにやりましょう。
方法5:正座から仰向けになるストレッチ
正座したまま仰向けになることは、一見簡単そうですが、実際にやってみると体が硬く感じられて、難しいなという印象を持つ方も少なくありません。これができない人は、胃腸が疲れている状態です。ストレッチで胃腸を回復させましょう。
やり方は、まずヨガマットを用意します。正座した後ろにヨガマットを敷き、少しずつ、体を倒していきましょう。深い呼吸をしながら、この体勢でリラックスしましょう。