母親の育児放棄する理由・心理・問題点・定義・子供への影響
母親が育児放棄する原因
上記の母親が育児放棄する心理的な理由やきっかけの他に、母親が育児放棄する原因をまとめてみました。
養育費
冒頭で、「育児放棄=子どもがかわいそう」だけではないと言いました。その一つでもあるのは、養育費についてです。養育費がなく貧困であると、子どもにご飯が食べさせられません。汚れている服しかなくても、新しい服が買えません。子どもに辛い思いをさせていると分かっていても、充分な育児ができないことで親も辛い思いをしています。
また、貧困の多くは母子家庭です。日本における貧困の母子家庭は66%であるという事実がわかっています。子どもの障害や病気
子どもが産まれてから初めて聞かされた障害や病気、成長していくうちに発覚した障害や病気に、冷静に対処できる親はいません。想像していた育児とかけ離れてしまった絶望や、障害や病気がある子どもを育児していかなければならない現実に目を背け、育児放棄に繋がっていきます。
親の発達障害
子育てしていく中で、親自身が発達障害だったことに気付く場合もあります。思いどおりにいかずイライラしたり、自分の不注意で子どもに怪我をさせてしまったりして、自分自身を責めて育児放棄に繋がるケースがあります。
また、親が発達障害だとその子どもも発達障害の可能性が高くなります。子どもに「気になる」傾向があると、親も「気になる」特性を持っていることは、保育や教育現場で良くあるケースです。 発達障害のある子どもを育児するのは、育てにくさもあり苦労があるのに加え、自分自身も発達障害があると母親はより一層心が不安定になり育児放棄をしてしまうケースもあります。親の生育歴
生育歴とは、自分が産まれてから今まで育ってきた歴史のことです。親自身が幼い頃に育児放棄を受けていると、育児放棄をされてきたことに気づかずに親になっている場合もあるため、親からされてきたことをそのまま子どもにしてしまうことがあります。
また、親に育児放棄されていたと認識していても他の育児の仕方がわからないため、自分がされて悲しかったという気持ちを忘れ、自分の子どもにもそっくりそのまま同じことをしてしまいます。人間関係のトラブル
育児をしているのが母親だけで、夫や両家両親など周りに育児を助けてくれる存在がいないことも育児放棄の要因のひとつです。近年、核家族化が進むにつれ、一人で育児をしている母親が増えていることが問題視されています。
母親の育児放棄によって子どもはどうなる?
母親の育児放棄によって子どもはどうなるかをまとめてみました。
人間関係
人間には「オキシトシン」という幸せホルモンと呼ばれているものがあります。しかし、育児放棄を受けてきた子どもには、オキシトシンの分泌が不足しているという結果があります。他人との親近感や信頼感を増やす働きを持つオキシトシンが不足している子どもは、対人関係に支障をきたす可能性があります。
つまり、友だちが作れず孤立して人との関わりがほとんどないまま成長することで、人の気持ちが分からなかったり表情の乏しい大人に成長してしまいます。愛情遮断症候群
「愛情遮断症候群」とは、主に母親からの愛情を十分に感じることのないまま育っている場合、強いストレスを感じ、身体的・精神的な発達が阻害されてしまう病気のことです。育児放棄によって、十分な世話を受けていないため健康状態が悪く「低体重」や「低身長」を引き起こす原因になっています。
また、低身長を引き起こす原因は身体的な栄養不足からだけではありません。母親とのコミュニケーションが欠けているなど、常に強いストレスを感じているため「睡眠障害」に陥ることから、睡眠時の成長ホルモンが分泌されてないからです。母親からの育児放棄による子どものストレスは、身体的・精神的な発育に深く影響することが明白になっています。ひとりで悩まないで
育児放棄は、子どもの命を奪ってしまう可能性のある虐待です。そして、特別な誰かがするのではなく、母親になった誰でも育児放棄をする可能性があります。育児によるストレス、周りの人間関係、経済的な理由などさまざまな要因で、育児放棄へと繋がっていきます。それは、子どもだけでなく、親も相当な苦しさを味わっています。
子どもの命や身体・精神に悪影響を及ぼす育児放棄から子どもを守るために、母親は気づいたらすぐに専門機関の力を借りて、ひとりで抱え込まないでください。ちゃんとした知識がある人は、育児放棄をしている母親のことは責めません。「辛かったね」と声をかけてくれるでしょう。その人たちと一緒にどうか育児放棄から抜け出してください。