デブの語源やデブ・ガリの由来・諸説ある語源|出不精/一歩
でぶでぶ江戸時代
江戸時代には「デブ」の語源に当たるような言葉がないか調べてみると、いくつか関係のある表現がありました。
江戸時代の滑稽本『浮世風呂』(1809~1813(文化6~10年))の中に「でっぷりとしたをとこ、手ぬぐいをしぼりながら」とあり、「でっぷり」が太っているという意味合いで使われています。そしてさらに時代を遡ると洒落本『見通三世相』(出版年不明(寛政年間))の中に「でぶでぶとふとり」とあり、「でぶでぶ」が肥満した様子を表す言葉として使われています。 江戸時代にも「デブ」の語源ではないかと思われる言葉がありました。語源は「でぶでぶ」か「でっぷり」か、いまから約200年前の「デブ」という語感の響きは、今に通じるものがあります。 「デブ」の語源はカタカナ英語か江戸言葉か?まだまださまざまな説があります。ここで一旦「デブ」を離れて、反対語の「ガリ」の語源を見てみましょう。外来語でしょうか?ガリとデブの語源・由来
「ガリ」はどこから?
「ガリ」の語源は何でしょうか?「ガリ」も「デブ」と同じく、面と向かって言うのは控えたほうが良い言葉です。こちらも「でぶでぶ」のように「ガリガリ」と2回重ねて使うこともありますが、同じように江戸時代の庶民本での使用が語源なのでしょうか?
仏教語でのガリガリ君とは?
「ガリガリ」の語源はなんと仏教用語でした。漢字で書くと「我利我利」となります。よく「我利我利亡者」という言い方をしますが、他人のことは気にかけず私利私欲に走っている人のことを指します。
「本来の自分を忘れて、何かにとり憑かれたように一つのことに執着するもの」という意味で 「亡者」という言葉が比喩的に使われています。生前、自分の利益ばかり追求して他人を気にかけることをしなかった者は、死後、「餓鬼」として生まれ変わります。「餓鬼」は背が低く、肋骨が浮き出るほどに痩せていて、手足は骨と皮だけのような姿をしています。 「我利我利」と己の利益ばかり追求していたものは死後に「餓鬼」、非常にやせ細った姿で生まれ変わることから、「ガリガリ」=非常にやせ細った姿、という意味で使われるようになりました。「ガリガリ」が短縮して「ガリ」でも同じようにやせ細った姿を表します。「デブ」は短縮か?
「我利我利亡者」の「ガリガリ」が短縮して「ガリ」となって、やせ細った姿の意味として使われだしたように、「デブ」も江戸時代の庶民の間で親しまれていた言葉「でぶでぶ」が短縮した形、という語源説もあります。人情本『明烏後正夢発端』(文政年間)の中にも「年は四十に近づひて、色くろぐろとでぶでぶ太り」と「でぶでぶ」が登場し、太っていて締りのない様子として使われています。
「デブ」の語源は明治期のカタカナ英語「デブチン」か、江戸語「でぶでぶ」、「でっぷり」からの短縮か、いろいろな語源説がでできました。他も見てみましょう。デブの語源として考えられる様々な説
出無精/出不精・・・デブ性??
「出不精/出無精」とは外出を嫌がったり、めんどくさがったりすることで、その様子や人を指す言葉です。「Aさんは出無精だから」と聞いたら、Aさんはあまり外出をしないで家にいることが多い、という意味です。
ときどきその「でぶしょう」という言葉を「デブ性」と誤解する方がいます。「デブ性」という日本語は辞書にはありませんが、ニュアンスとして太る性質が伝わる面白い言葉です。外出をおっくうに感じて、運動もしないで家でゴロゴロしている姿が、太った人のイメージと結びつきます。