マイナンバー制度の反対意見・反対政党の特徴・署名提出方法

社会問題

反対意見:税金を根こそぎとられるようになるのでは

反対派の意見として、次によく聞かれるのが税金関係の意見です。マイナンバー制度は、行政手続きの簡略化やそれに伴う経費の削減などをメリットとしていますが、それはあくまで建前であって本当の目的は国民から漏れることなく税金を徴収するために整備されたシステムだというのが反対派の意見です。

マイナンバー反対政党の特徴

マイナンバー制度の反対意見・反対政党の特徴・署名提出方法

マイナンバー制度は、国による個人情報の一元化を目的に進められた制度ですが、もちろん国民や国政を担う政党、それぞれの立場から賛成・反対両派の意見が聞かれます。

当初、衆院本会議で関連法案が自民・公明・民主・維新・みんなの各党の賛成多数で可決されましたが、反対を表明していたのは日本共産党・生活・社民の3党でした。では、反対派の代表政党である共産党の主張内容や考え方を見てみましょう。

反対派の代表格、日本共産党

日本共産党は、マイナンバー制度に対し、下記の3つの理由で反対しています。

(1)社会保障削減と税や社会保険料の徴収強化の道具に使われる可能性がある (2)原則不変の番号で個人情報を照合できる仕組みを作ることは、プライバシー侵害やなりすまし犯罪を助長させる (3)導入費用に3千億円が見積もられているものの、具体的なメリットについて政府は一切示していない

政府はマイナンバー利用範囲の限定によって個人情報漏えいなどの防止対策になると示していますが、その一方で法案には3年後に民間への利用範囲拡大を検討するとある点も矛盾していると日本共産党は主張し、反対しています。 また、別の反対の根拠として、マイナンバーの導入のメリットに行政の効率化と国民の利便性向上が挙げられていますが、実際に業務の効率化が期待される具体的ケースは行政事務のうち0.01%程度であるとの試算をしています。

マイナンバーで犠牲になるのは個人のプライバシー

「マイナンバー制度の導入は、プライバシー侵害と国家による超監視社会化をもたらすもの」とし、真の狙いは社会保障の解体および自己責任化、そして個人の資産の収奪であるとマイナンバー制度導入反対派の日本共産党は一貫して有権者に対して訴えています。

また、日本共産党の関連組織である民商・全商連などの署名集めに関する趣意書にも「国民個人の守られるべきプライバシーが侵害され、そこに国家権力が必要な範囲を超えて介入してくる」という論理で反対が唱えられています。

マイナンバー制度反対署名の書き方・提出の仕方

マイナンバー制度の反対意見・反対政党の特徴・署名提出方法

マイナンバーが施行された2016年の当初は、インターネット上なども含め、反対意思を訴える手段のひとつとして、反対派はマイナンバー制度の廃止を含めた抜本的見直しを求める署名運動を進めていました。大きな規模の反対署名運動を主導していた政党のひとつ、幸福実現党では、次のふたつを政府に求めています。

・マイナンバー制度を廃止すること ・廃止できない場合は、マイナンバーの用途を税、社会保障、災害対策の従来の3分野に正しく限定し、2018年に予定されている銀行口座、健康保険証、証券口座や地方自治体・民間への利用拡大を中止すること

この反対署名運動は2015年12月から2016年12月まで約1年間行われ、マイナンバー制度導入に反対する74,861名分もの署名が内閣総理大臣あてに提出されました。

現在署名の受け付けはしていない

マイナンバー制度が施行された2018年現在、反対意見は引き続き唱えられていますが、反対署名運動はいったん一区切りがつけられました。またどこかのタイミングで行われる可能性はありますが、始まってしまった今は制度そのものの廃止を求めることよりも制度をきちんと当初の目的のとおりただしく使えているのか、といった監視の方向に反対派政党の意識はそそがれています。

マイナンバー制度反対の団体運動の活動内容

マイナンバー制度の反対意見・反対政党の特徴・署名提出方法

マイナンバー制度反対の団体は大きくは政党から、民間団体、組合や任意団体までさまざまな規模の団体が存在しています。反対派団体は、マイナンバー制度が個人のプライバシーを侵害する制度だという共通認識のもと、現在まであらゆる方向から反対意思を示しています。

違憲訴訟弁護士を中心に、マイナンバー制度そのものが違憲であるとするマイナンバー制度違憲訴訟を仙台・東京・名古屋・大阪・福岡など全国各地で提訴し、反対意見を主張表明しているのもそのひとつです。

共通番号いらないネットの反対デモ

「共通番号いらないネット(共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会)」2016年10月3日、10月5日からの「個人番号」の通知を前に、「ストップ マイナンバー10月通知 全国集会&デモ」が行われ、「共通番号制度」実施の延期および全面見直しを求め、約400人が宮下公園に集まり集会が開かれました。

主催者は「政府はすべての人々に共通番号カード所持の義務化や身分証としての使用を強要してくることが予測される。本人確認のため顔写真をICチップに取り込む顔認証システムを導入しようとしており、最終的に街頭などのカメラとカードに取り込まれた顔写真データを照合していくことまで狙っている。この国はとんでもない管理国家になっていく」と強く反対意見を訴えています。

マイナンバー制度に反対する人はなぜ反対なのか

マイナンバー制度の反対意見・反対政党の特徴・署名提出方法

上記のように、マイナンバー制度の特徴や問題を踏まえると、マイナンバー制度の導入に反対する人の反対根拠は大きく次の3つだとまとめることができます。

(1)情報一元化による個人情報流出の危険性 (2)プライバシーの侵害 (3)国家による国民個人の財産監視の懸念

これらの懸念点に対し、政府から明確な回答が提示されていないとして、政党をはじめ市民団体などは反対デモや署名活動などを通し、意見を訴えています。また、賛成できない人の中にはマイナンバーカードを作成しない、などといった方法でマイナンバーを積極的に受け入れない姿勢をとる人もいます。
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