食事形態の工夫
嚥下障害の誤嚥により、誤嚥性肺炎や窒息を起こすことがあります。食事形態を工夫したり、水分に増粘剤でトロミをつけることで、誤嚥しにくくなります。誤嚥しやすい食品、誤嚥しやすい食品を以下にまとめました。看護をする上で大切なことなので参考にして下さい。
嚥下しやすく誤嚥しにくい食品 ・適度に粘度があってバラバラになりにくい ・口腔内や喉を通る時、変形しやすいもの ・密度が均一な物 ・粘膜にくっつかないゼリーやプリンなど
嚥下しにくく誤嚥しやすい食品・密度が一定していない、みそ汁やシチューなど ・硬くて噛み砕けないような、リンゴやゴボウ、こんにゃくなど ・水やお茶などのサラサラした飲み物 ・寒天などの変形しにくいもの ・食パンなど、パサパサしたもの
食事介助の体位の工夫
誤嚥しないためには、食事をする時の体位も工夫しなければいけません。看護する上で必要なことは、患者の障害に応じ体位を工夫することです。
■30度仰臥位・頸部前屈部位 口腔期・咽頭期に障害がある患者に対する体位は、咽頭と気管に角度がつき、誤嚥しにくい体位です。口蓋から舌の根本の部分から、咽頭に送り込むのに重力を利用できて飲み込みやすくなります。仰臥位だと食道が下になるため、重力で食べ物が気管に入りやすい。
■患側を上に、健側を下にした側臥位 片麻痺の患者の体位工夫です。重力で食べ物は動きの良い健側(下)に落ちるため、嚥下がスムーズになります。こちらも30度を保ちます。
■頸部後屈位 舌による食塊の送り込み障害のある患者の体位で、重力を利用して食べ物を口腔から咽頭に送り込みます。※頸部伸展は、咽頭と気管が直線になるため、誤嚥しやすくなります。
嚥下障害の看護研究について
看護研究がどのような構成で成り立っているのか、看護研究の書き方など、看護師の情報サイトで紹介されていますので参考にして下さい。
1、看護研究とは 看護研究は、看護学における研究・発表のための活動であり、調査・実験を経て、科学的根拠に基づいた研究成果を医療関係者ならびに一般人に公表し、より良い看護実践のための知識・理論の習得や、看護全体における質を向上を図るなどの目的でさせることなどを目的で実施されています。
出典: https://j-depo.com/news/nursing-research.html#d |
嚥下障害の看護についての論文(抄録集)
脳梗塞の後遺症による嚥下障害も治療やリハビリテーションを行うことにより、治る見込みが望めることもあります。そこで「社団法人 日本理学療法士協会」の嚥下障害に対する理学療法の試みをご紹介します。脳梗塞により嚥下障害を発症した患者に対し、リハビリテーションを行い良好な結果が得られたとの報告がされています。
原論文より抜粋した抄録集を「理学療法学 Supplement 」のホームページにて紹介されていますので参考にして下さい。嚥下障害の看護問題
不顕性誤嚥でむせがなく誤嚥しているのに気がつかないまま、誤嚥物が深くに達して重症化することがあり、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるため注意が必要です。また、誤嚥しないための体位の工夫が必要です。
看護目標:窒息や誤嚥性肺炎を起こさないようにします。