クエン酸が豊富な食べ物がもたらす効果とは
クエン酸とは、「酸味成分」のひとつで、お酢やレモンのような柑橘類などの食べ物に多く含まれています。慢性的な蓄積疲労が問題となっている現代社会において、クエン酸は私たちにとって、切っては切れない存在となっています。
クエン酸は私たち人間の体内で食べ物をエネルギーに変える役割を果たしてくれる、無くてはならない栄養素なのです。人はエネルギー無くしては活動することも生きていくこともできません。そのようなエネルギーを作り出してくれる優秀なサポーターである「クエン酸」について、知識を深めてみましょう。筋肉痛の予防・改善
筋肉を疲労させる原因は「乳酸」とよばれる疲労物質です。この乳酸が体内で生成するのを抑制してくれるのが、クエン酸の仕事のひとつであり、クエン酸は筋肉痛を改善する効果が期待できます。
また、人間は体内でエネルギーを作り出す際「ブドウ糖」を必要とします。しかしブドウ糖はエネルギーを作る際、完全に燃焼されるわけではなく、多少の燃えカス状態で残留してしまいます。これを「焦性ブドウ糖」と呼び、筋肉の中に蓄積してしまうと、その一部は「乳酸」へと変化を遂げてしまいます。これが筋肉痛になるメカニズムです。 そこでクエン酸は、クエン酸回路を活性化し、「焦性ブドウ糖」の分解を開始します。この時に乳酸の生成を抑制する効果を発揮するのです。乳酸の生成を少しでも抑えることができれば、筋肉痛になりにくくなることから、運動時に食べ物などからクエン酸を摂取することは筋肉痛予防に効果が期待できます。疲労回復
筋肉痛を起こす「乳酸」は疲労の原因にもなっています。つまり、クエン酸を摂取して「乳酸」をできるだけ体内に蓄積しないようにすることは、疲労回復効果にも期待ができるのです。
人の体は疲労が蓄積し始めると、普段は弱アルカリ性であるのに、酸性に偏り始めます。疲れがたまることで、クエン酸がうまく働けなくなることが原因なのです。クエン酸がうまく活動できなければ、体内にはブドウ糖の残りかすである「焦性ブドウ糖」や、分解されなかった「乳酸」がたくさん、蓄積されていってしまいます。これが疲労の原因となってしまうのです。 そこで、食べ物などからクエン酸を適切に摂取し、クエン酸回路を活性化させて正しく活動するよう促さなければなりません。体内に残留してしまった有害物質をクエン酸が減少させてくれることから、疲労回復にもクエン酸は効果が期待できます。エネルギーを産みだす
冒頭でお話しした通り、クエン酸を食べ物などから摂取することで、体内でエネルギーを生産する働きを担います。ミトコンドリアという細胞の中で、クエン酸回路はエネルギーの代謝経路の核となり活動を行います。このエネルギー代謝があることで、私たちは生きていくことができるのです。約60兆個を超える細胞からできている私たちの体は、クエン酸回路が正常に活動することでバランスを保っています。
ですから、食べ物などから適切にクエン酸を摂取することは、非常に大切な役割を果たします。クエン酸が欠乏してしまうと、クエン酸回路がうまく稼働しなくなり、上手にエネルギーの生成ができなくなってしまうのです。食欲増進・ダイエット、美と健康への影響もある
夏の暑い季節、食欲が落ちてしまうときに威力を発揮するのが、クエン酸を多く含む食べ物です。クエン酸の最大の特徴ともいえる「酸味」は、唾液や胃液の分泌を活発にしてくれます。その結果、落ちてしまっていた食欲を増進させることができるのです。
しかし、食欲増進とは対照的な「ダイエット効果」もクエン酸には存在します。クエン酸には代謝を上げる効果があると言われています。これは、三大栄養素の中にある「代謝経路」が「クエン酸回路」であるからなのです。