そば湯の効能と飲み方|せいろ/かけそば/温かい蕎麦/蕎麦屋

料理の知識

カリウム

カリウムは、ナトリウムと連携し、細胞の状態や血圧を正常に保つ役割があります。また、塩分を体から排出させる働きがあることから、塩分を過剰摂取した場合にも、摂ることが勧められる栄養素です。

デンプン

そばには良質のデンプンが含まれているとされます。デンプンは炭水化物であり、炭水化物は人間の活動に必要な栄養素です。炭水化物の中でも、そばに含まれるデンプンは血糖値が上がりにくく、そのため太りにくいとされています。

また、一度摂取すれば、1日は効果が持続されるとされています。

本当にそば湯に栄養成分が溶け出すのか?

そば湯には本当に栄養成分が溶け出すという説と溶け出さないという説があります。どちらが本当なのでしょうか。

答えは、「そば打ちの際に使う打ち粉に何を使うかによる」です。そば打ちの際に使う「打ち粉」が「そば粉だった場合にはそば湯に栄養成分が入り」、「そば粉以外の小麦粉などだった場合にはそば湯に栄養成分が入りにくい」のです。 そのため、そば打ちにもそば粉を使う専門の蕎麦屋のそば湯は、効能の高い栄養素が含まれますが、そば粉以外を使ってそば打ちした場合や乾麺を使用した場合、そば湯には栄養素が含まれにくく、効能もあまりないと言えるでしょう。

そば湯の飲み方は?

そば湯の飲み方は人それぞれです。どの飲み方が正しくて、どの飲み方が間違っているということはありません。色々な飲み方を試し、好みで選ぶようにしましょう。

ただし、飲み方によっては栄養成分が失われてしまったり、そば粉本来の味が楽しめなくなってしまう場合もあります。それぞれの飲み方の特徴をまずは把握し、興味のある飲み方から試してみてください。

飲み方1:そのまま飲む

そば湯の代表的な飲み方の1つ目は、そのまま飲む方法です。湯桶(ゆとう)に入って出されたそば湯を、器に注いでそのまま飲みます。そば通の方の中にはこの飲み方をする人が多いです。

なぜなら、そば湯をそのまま飲むことで、その蕎麦屋の独自の味や腕前、そば本来の豊かな風味を楽しむことができるからです。

飲み方2:薬味を加えて飲む

そば湯にネギやわさびなどの薬味を加える飲み方もあります。そば湯だけで飲むよりも、薬味を加える飲み方が好みだという方もいます。

飲み方3:そば汁(つゆ)と混ぜて飲む

そば汁と混ぜて飲むという飲み方もあります。実はもともと、そば湯を飲む習慣は、そば汁を美味しく飲むために生まれたという説もあり、その説に則れば、この飲み方が正統だということができます。

飲み方3ではそば汁とそば湯の比率に注意すべき

飲み方3の場合、そば汁を全てそば湯に混ぜてしまうと、とても塩っぱくなり、そば本来の味を楽しむことができません。

また、そば汁には塩分が多く含まれているため、健康上お勧めできません。さらに、塩分はそば湯に含まれているルチンを分解してしまうため、そば湯自身の健康効果も薄めてしまいます。 おすすめなのは、最初にそば湯だけで飲み、少しずつそば汁を足していくという方法です。人によって、またそのお店のそば湯によって違いがありますが、多くの場合は「そば汁:そば湯=2:8もしくは3:7」くらいがベストとされています。

飲み方はどう選ぶべきか

複数あるそば湯の飲み方の中から、どのように飲み方を選ぶべきでしょうか。まず、そば湯に何を求めるのかを明確にしましょう。ポイントは、「味を重視する」か「健康を重視するか」です。

「味を重視する」場合、手っ取り早いのが「お店の人におすすめの飲み方を聞く」ことです。そのお店ごとにこだわりを持っていることが多いので、そば湯の飲み方についてもおすすめを教えてくれるでしょう。お店ごとにお店の人に質問し、その店々で異なった飲み方で楽しむのもおすすめです。 一方、「健康を重視する」場合には、飲み方1の「そのまま飲む」のがおすすめです。塩分を過剰にとる心配がなく、しかも大事な栄養素であるルチンを損なうことなく摂取することができるからです。

かけそばや鴨せいろを頼んだ時は?

かけそばや鴨せいろなど、そば汁が大きな器に入っている場合の飲み方はどのようにするのが良いでしょうか。この場合には、お店の人に「そば湯を飲む用のお猪口(ちょこ)とレンゲをいただけますか?」とお願いするのがおすすめです。おそらく持ってきてくれるので、そば湯とそば汁を好みの割合でお猪口に注いで飲みましょう。

そばにはどんな種類があるの?

ここまで、そば湯の成分や飲み方を紹介してきましたが、そば自体の種類について知りたい方も多いでしょう。ここでは、そばの種類について紹介します。

現在よく知られているそばの種類

現在、そばの種類を表す言葉がはたくさん存在しています。使用するそば粉の種類によって「更科(さらしな)そば」、「田舎そば」、「韃靼(だったん)そば」などが知られており、さらに「ぶっかけそば」、「かけそば」、「もりそば」、「ざるそば」、「せいろそば」など、食べ方のスタイルでも複数の種類のそばがあります。

そば粉の種類

そばを注意して見てみると、大きく3種類の色に分けられることに気がつきます。「白っぽいそば」、「緑っぽいそば」、そして「黒っぽいそば」です。これらの色の違いは、使用しているそば粉の種類によります。

そば粉は、そばの実のどの部分を挽いて作るかで種類が分けられます。挽くのがそばの実の中心に近い方から「一番粉」、「二番粉」、「三番粉」とされます。

更科そば

更科そばは、東京などで一般的に食べられているそばの種類とされます。一番粉を使って作られており、白い色をしているのが特徴です。

田舎そば

二番粉、三番粉を中心に作られているそばは「田舎そば」と呼ばれます。麺の中に黒く細かい点が見られますが、これはそばの実の外側まで挽かれているからです。そばの実を外側まで挽いているため、更科そばよりも栄養分が高いとされています。

韃靼そば

韃靼そばは、そば自体の種類が、日本で一般的に食されているものと異なっています。韃靼そばは中国やネパールの山岳地帯を中心に栽培されており、特に中国雲南省の高原に住む少数民族「彝族(いぞく)」の主食として知られています。

彝族は世界的に見て成人病の発症が少なく、健康・長寿な民族として注目されました。成人病予防や血液サラサラ効果などが日本でも知られるようになり、国内でも人気が出始めたそばです。 韃靼そばには、なんと「栄養成分のルチンが日本のそばの100倍も含まれている」ということがわかっています。そのため、ルチンの効能を求める人に好まれ、実際に日本のそば以上の効能が発揮されるとされています。
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