日本酒の糖質とカロリー
ほんの一昔前、日本酒と言えば、お父さんたちが熱燗で飲んで真っ赤な顔になっていたり、映画の中で落ちぶれた男が一升瓶を抱えて飲んでいたりと、どちらかというと泥臭いイメージがありました。
ところが、最近は、キーンと冷やしてワインのようにおしゃれなグラスで飲んだり、スパークリングも登場するなど、日本酒は時代にあわせて活躍の場を広げています。 そんな日本酒を、ここでは「糖質とカロリー」という観点から眺めてみましょう。日本酒の栄養価
89才で亡くなった日本美術の大家である横山大観が、後半生の約50年を日本酒と少しの野菜だけで生きていた、という有名な逸話があります。さすがに晩年は酒量が減ったそうですが、亡くなる二年くらい前までは、毎日一升くらいは飲んでいたそうです。
日本酒は、お酒の中では「醸造酒」というものに分類されます。簡単に言うと、原料を発酵させてそのまま飲むお酒です。代表的ものでは、日本酒、ワイン、ビールです。そのまま、というのが重要で、もともとの糖分や栄養素は、しっかり残っています。 醸造酒の中でも、米と米麹で作られた日本酒はとりわけ栄養価が高く、アミノ酸やペプチド、ビタミン、さらにミネラルも豊富です。特に、アミノ酸は、ワインの10倍とも言われています。日本酒は、栄養価だけでなく、美容効果も高い、優れたお酒なのです。 とはいえ、もちもん飲みすぎはNGです。個人差はありますが、人が一日に分解できる日本酒は、一日2合くらいまでと言われています。横山大観のように毎日一升も飲んでは、肝臓をこわすかアルコール中毒になってしまう可能性の方が高いでしょう。気になるカロリーは?
代表的なお酒を比べると、100CC当たりのカロリーは、ウィスキーがだいたい240kcal、日本酒は103kcal、ビールで40kcalです。太るお酒の代表格であるビールが意外と低いようですが、一回に飲む量はビールが格段に多くなるので、酒量に換算して比べた方が公平かもしれません。
とはいえ、お酒の主成分であるアルコールは、脂質などの栄養素がほとんどない上に、優先的に分解されてほとんど身体に残りません。そのため、アルコールのカロリーはエンプティカロリーと呼ばれています。ほとんど空っぽ、というわけです。 アルコールのカロリー自体は高いので、度数が高いお酒はカロリーが高くなりますが、カロリーが高い=太るという法則は、お酒には当てはまりません。実は、太る原因は、お酒の中の糖分を含め、アルコール以外の栄養素にあるのです。では、糖分は……
上記のカロリーの部分にならって100CCあたりの糖質の量を比べると、日本酒(純米酒)は約3.6グラム、日本酒の中でも本醸造酒などは少々高めで4.5グラムです。
ビールは3.1グラムですが、実際に飲む場合、日本酒1合(180CC)とビール1缶(350CC)を比べれば、糖質はビールの方が多くなります。 では、カロリーが日本酒よりずっと高かったウィスキーや焼酎はどのくらいの糖分があるのでしょうか? 実は、この2つ、糖分はゼロなんです。これは、製法の違いによるもので、醸造酒の様に発酵させたものを加熱して蒸留させた成分を取り出したお酒だからです。 これらは、蒸留酒と呼ばれる種類のお酒で、アルコールと水分だけが抽出されるので、糖分は残らないのです。日本酒いろいろ
日本酒の中でも、純米酒、本醸造、大吟醸などという言葉は良く聞くと思います。他にも、ひやおろしや生詰め等、いろいろな言葉がついていることもあります。
これがいわゆる日本酒の種類となりますが、たくさんありすぎてきりがないので、ここでは代表的な分類だけをご紹介しましょう。