そばは消化に良いのか悪いのか
そばは消化に良いのか悪いのかを知る前に、そもそも消化とはどのようなことか考えてみましょう。食物は口に入ってから排泄されるまでの間に、身体のなかの胃や小腸、大腸などの消化器官約9mを移動して、約24~48時間かけて排泄されます。一般に「消化時間」というと、食物が胃の中に入って胃から出るまでの滞留時間を言います。
消化が良い食物・悪い食物は
消化時間が短い、1~2時間以内のものが消化が良い食物とされています。果物は20~30分で消化が良く、胃に負担をかけません。野菜も1~2時間以内に消化され、果物と同じように食物酵素が多く含まれて体にも良くて、消化の良い食物です。
逆に消化が悪い食物は、消化に4~6時間以上かかるタンパク質や7~8時間かかる脂質が代表格です。タンパク質は肉や魚、卵、乳製品などです。脂質の多いバターの消化には12時間もかかりますので、野菜や肉、魚などをバター炒めにした場合などは少し長めの消化時間になります。 炭水化物は米やパン、麺など主食になる食物の主成分ですが、消化時間は2~4時間で消化が良いか悪いかと言えば、普通でしょう。その食物の構成成分の違いや調理方法の違いなどによって、消化時間に差がでてきます。そばは消化が良いほう?
そばの100g当たりの主成分をみてみましょう。
・タンパク質→4.8g ・脂質→0.7g ・炭水化物→22.1g ・食物繊維→1.5g ・食塩相当量→0.1g
そばにはそば粉の他、つなぎとして小麦粉、卵、長芋、フノリなどが使われていますが、主成分は炭水化物になるので、消化に関しては良くも悪くもなく普通でしょう。 そばなどの麺類は他の具材がいろいろと加わりますので、その具材の種類によってそば一食としての消化時間は変わってきます。そばの場合なら、天ぷらとか山菜、卵、とろろなどその具材によって全部を消化する時間は異なるでしょう。そばの消化にかかる時間は
そばの消化時間は、2時間30分と言われています。そばには前記したようなつなぎを使ったものや、十割そばのようにつなぎに小麦粉は使っていないもの、色が白っぽいもの、黒っぽいものなどがあり、成分が少し異なりますので消化時間には多少の差はあります。
繊維質が多い外側の表層から採ったそば粉は、色が黒っぽく食物繊維やタンパク質が多いので消化時間は少し長めになるでしょう。また、小麦粉をつなぎに使っていない十割そばはタンパク質がやや少ないので短めになるでしょう。穀物のなかでは早いほう?
そばは穀物ですが、同じ穀物の米や、パン、うどんなどと消化時間を比べると、決して早いほうではありません。
そばには、他の穀物からの食物より食物繊維が多く含まれています。食物繊維は水分を吸収して胃のなかで膨らむため、腸への移動が遅くなる傾向があります。そばの消化時間を他の食物と比較する時には、成分のなかの食物繊維とタンパク質の含有量が重要なファクターになります。