人参にはどんな栄養があるの?
人参に含まれる主な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、食物繊維、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などです。
なかでも、βカロテン、カリウム、食物繊維は、健康にとても良い栄養素として知られています。ここでは、これらの主な栄養素の働きについて1つ1つ詳しく見ていきましょう。βカロテンの働き
人参に含まれる栄養素として真っ先に思い浮かぶのは、カロテンではないでしょうか。人参に含まれるβカロテンは、肺ガンや膵臓ガンを抑制する効果のほか、動脈硬化や心筋梗塞、老化を予防する効果があることで知られています。これは、βカロテンの抗酸化作用によるもので、動脈硬化や心筋梗塞、老化などの原因となる活性酸素の働きを抑えてくれるためです。
また、βカロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変わり、のどや鼻の粘膜を丈夫にしてくれる働きがあります。そのため、人参を食べれば細菌感染予防になり、病気になりにくい健康的な体を作ることができると言われています。 人参100gあたりのβカロテン含有量は、8600μgもあります。カリウムの働き
カリウムはミネラルの1つで、過剰摂取したナトリウムを体外へ排出する働きがあります。カリウムには、酸とアルカリのバランスを保ったり、筋肉を収縮させたり、神経細胞への刺激を伝達したりする働きがあります。カリウムが不足すると、体がむくみやすくなるほか、高血圧・脱力感・食欲不振などの症状を招きます。
人参100gあたりには、カリウムが300mg含まれていると言われています。食物繊維の働き
食物繊維の働きとしては、便秘予防、大腸ガン予防、整腸作用、血糖値上昇の抑制などが挙げられます。人参には、ペクチンという食物繊維がたくさん含まれています。人参に含まれている食物繊維量は、人参100gあたり2.8gと言われています。現代の日本人は食物繊維が不足気味と言われているので、積極的に取るようにしましょう。
葉っぱも捨てずに食べよう
また、人参の葉にも豊富な栄養素が含まれています。葉には根の3倍のタンパク質、5倍のカルシウムが含まれています。そのほかにも、脂質や鉄分なども葉のほうに多く含まれているので、出来れば人参の葉も捨てずに一緒に食べるようにしましょう。
人参の糖質量とカロリー
では、人参に含まれている糖質量とカロリーはどれくらいなのでしょうか。ここでは、人参100gあたりに含まれる糖質量とカロリーを見てみましょう。
人参に含まれる糖質量
人参100gあたりに含まれる糖質量は、約6.5gほどです。ほかの野菜を見てみると、例えば、ほうれん草100gあたりの糖質量は0.3g、ミニトマト100gあたり5.8g、そらまめ100gあたり12.9g、にんにく100gあたり20.6g、とうもろこし100gあたり61.6gとなっています。
これらと比較してみると、にんじんの糖質量はまずますといったところでしょう。しそ、ほうれん草、モロヘイヤよりは糖質量が多く、にんにくやとうもろこしよりも糖質量は少ないことがわかります。人参に含まれるカロリー
人参100gあたりに含まれるカロリーは、約37kカロリーです。人参1本146gあたりに含まれるカロリーは、約54kカロリーです。
他の野菜と比較してみると、レタス100gあたり12kカロリー、大根100gあたり18kカロリー、ブロッコリー100gあたり33kカロリー、ごぼう100gあたり65kカロリー、そら豆100gあたり108kカロリーとなっており、野菜の中では少ない部類に入ります。人参って糖質制限に向いてるの?
先に紹介したように、人参100gあたりに含まれる糖質量は、約6.5gほどです。他の野菜と糖質量と比較すると、多くもなく少なくもなく平均的だと言えます。しそ、ほうれん草、モロヘイヤ、小松菜、もやしなど、人参よりも糖質の少ない野菜は多くありますが、過剰摂取さえしなければ、人参は糖質制限向きだと言っていいでしょう。
糖質制限中のおすすめの人参の食べ方
糖質制限中の人にもオススメしたいのが、人参の皮ごと食べるという方法です。人参は皮をむかずに油でサッと炒めることで、人参の栄養素を充分に体に取り入れることができるのです。
人参に多く含まれているβカロテンですが、これは人参の皮のすぐ下に多く含まれています。ガン予防だけでなく、皮膚や目にも良いとされているβカロテンを効率よく摂取するためには、なるべく皮をむかずに油で炒めて食べるのがおすすめです。